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ビットコインキャッシュはビットコインの仕様を元にブロックチェーンのブロックサイズを大きくする事で団結した仮想通貨です。ビットコインキャッシュとビットコインの違いなどについて初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
ビットコインとの違い
「ビットコイン」という名前から初心者の方には混同されがちなビットコインキャッシュですがその実態はビットコインとは異なります。
<比較表>
ビットコイン | ビットコインキャッシュ | |
---|---|---|
決済 | 主な用途 | 決済 |
BTC | 通貨単位 | BCH/BCC/XBC |
2009年1月 | 開始年月 | 2017年8月 |
不在 | 管理者 | 不在 |
ビットコインコア | 開発 | 開発チーム(独立) |
PoW | ブロック作成 | PoW |
約10分 | ブロック作成時間 | 約10分 |
1MB | 最大ブロック容量 | 制限なし(8MB) |
表を見ていただいてもお分かりいただけるように概要の大きな違いはありません。最も分かりやすい違いは「最大ブロック容量」です。ビットコインはブロックチェーンという取引帳簿の容量が異なります。
ビットコインは1MB(メガバイト)であるのに対しビットコインキャッシュは8MBにまず設定されています。つまりブロック容量が8倍という事は単純計算では8倍の取引を処理する事ができます。(話を単純化しています。実際には1:8ではありません。)
ビットコインは10分に1度ブロック作成されますので、例えば10分でビットコインが100の取引データを処理できるとすればビットコインキャッシュは800の取引データを処理する事ができる計算になります。
このような違いがまず初心者の方にも分かるビットコインとの差として挙げられます。
Segwitの導入
もう一つ簡単に理解できる違いとしてビットコインには「Segwit」という機能があるのに対し、ビットコインキャッシュにはSegwitがありません。
Segwitとは取引データの署名部分(ビットコインを送金する為には「秘密鍵」という暗号で署名する必要があります。)をブロック容量に入れない事をルール付けるもので、その分(署名部分が容量に参照されない分)取引データが多く入る事になります。
また、本来無くてはならない「署名」を参照しない事などでブロックチェーンの以外の場所でビットコインのやり取りを行い、その後最終的な結果をビットコインのブロックチェーンに書き込むこと(簡潔に述べています)でブロックチェーンの容量が少なかったとしても沢山取引ができる機能をつける事が可能になります。
このような機能がビットコインにはあります。これはライトコインやモナーコインでも導入されている機能です。
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ビットコインキャッシュの方が優れている?
上記のような主な違いがあるビットコインとビットコインキャッシュですが、実は両者は「取引処理能力を向上させる」という目標の為に異なるアプローチをとっただけで優劣は結果を見てみなければ分かりません。
技術的な理由
ビットコインがブロック容量を拡大させない理由
ビットコインがブロック容量を拡大させない理由はビットコインコア開発者というビットコインのルールブックを作成する開発チームの考え方によります。
ビットコインのブロック容量は2010年に1MBへ縮小させた事があり、それは攻撃への耐性の為でした。大きなブロックでは攻撃に耐えかねるという事で縮小を余儀なくされています。
1MBではなく1.5MBでは耐えられないか、などという「1MB」のルールは議論が分かれるところです。コア開発者はかたくなにまずはSegwitによる取引処理能力拡大を目指しています。Segwitが実装されたビットコインにはライトニングネットワークと言った他の解決策もあるのでそのような方針が取られています。また、時期は分かりませんがブロックサイズを大きくする予定もあるとされています。
ビットコインキャッシュがSegwitを導入しない理由
ビットコインキャッシュではSegwitが技術的にビットコインを脆弱にする、という考え方があります。署名部分を容量に入れない事で、ビットコインマイニングの中で脆弱性(攻撃を受ける可能性)が生まれるという考え方です。
また、Segwitでの取引処理向上には限界があり、ブロック容量を拡大する事で攻撃を受けないのであればそれが最も効率的だともしています。
政治的・事業的な理由
ビットコイン
ビットコインコア開発者がSegwitを導入し、かたくなにブロックサイズを大きくしない背景にBlockstream社の存在があるという見方もされます。Blockstream社はビットコインのブロックチェーン以外の場所でのやり取りをする為の技術を提供する会社で、ビットコインの取引処理向上の為にその技術が取り入れられるとその会社が儲かる、というものです。
実際のところ、ビットコインコア開発者がそのような思惑でブロック容量拡大を拒むかどうかは分かりませんがそのような見方もされています。
ビットコインキャッシュ
逆にビットコインキャッシュのようにブロック容量を拡大させブロックチェーンのみで取引処理を行うとその全ての取引手数料がマイナー(マイニングを行う人)に入ります。この為ビットコインキャッシュ支持はマイナーが多く、マイニングこそがビットコインを稼働するもので、そのインセンティブを下げる事がビットコインにとって悪い事態を招くとされています。
異なる理念
このようにビットコインとビットコインキャッシュには異なる主張があり、どちらが正しいかどうかは一概には言えません。
ビットコインの目指すべき場所には正解が無く、電子決済システムを構築する上でブロックチェーンの外で取引処理を頻繁に行うのか(ビットコイン)、あくまでブロックチェーン内で取引処理を行っていくのか(ビットコインキャッシュ)という議論が起きています。
私はビットコインキャッシュについてはまだ始まったばかりなので経過を観察してみたいところではありますがビットコインコア開発者がBlockstream社の利益を優先して行動しているとは言い切れない事(ブロックサイズ拡大自体に反対している訳ではない事)や、事業者含むユーザーがここまで多いビットコインの方が現段階では非中央集権により近く存在意義があると考えます。
もちろんビットコインキャッシュが取引処理能力を安全に向上できた場合、その後ビットコインキャッシュ支持マイナーが非中央集権を目指せばそれはそれでビットコインキャッシュにも存在意義が出ます。
ただマイナーは基本的に報酬ーコストで考えるビジネスとしてしか行動はできません。ですのでその考え方は中央集権的に偏っていく可能性が高いのではないかと考えています。(ビットコインコア開発者が全く自身の利益を考えていないかどうかは分かりかねますが。)
ビットコインキャッシュとビットコインではどちらが良いという見方は人によって様々になので自身でどのような違いがあるかを考える事が今後のビットコインや仮想通貨を考察する上での参考になっていくでしょう。
非中央集権の仮想通貨
非中央集権の仮想通貨では全体の効率を考えて合意を形成していくシステムが採用されています。ですのでビットコインにしても非中央集権の中で様々なステークホルダー達(開発者・マイナー・事業者・ユーザー・投資家)の思惑が異なる事や、ビットコインのあるべき姿(ブロックチェーンで取引を実行するのか、それ以外でも実行するのか)、最も尊重されるのは誰か(マイナーのインセンティブか、ユーザーの利便性か、はたまた利便性とは何か)は意見が必ず分かれます。
こちらの記事仮想通貨はなぜ分裂を繰り返すか? 仮想通貨の今後でも述べましたがこれは非中央集権仮想通貨には必ず起こり得る現象で避ける事はできません。
逆にこのようなコミュニティの分裂というのはコミュニティの健全性を表しているとも言えます。
価格として見た場合に投資家は振り回される事になるので分裂やハードフォークを嫌いますが、実験対象として見た場合にはこの結末は今後の「非中央集権」というワードの考察において非常に参考になるものです。
ビットコインや仮想通貨を投資として考える事も面白いものですが社会実験としてとらえても同等かそれ以上にリターンを貰える面白い材料である事が分かります。
なお、ビットコインにしろビットコインキャッシュにしろ、ユーザーはどちらで決済利用をしたいか選択する権利があり、どの国にいても選択できる通貨は今まで存在しませんでした。どちらもこの時点で既に存在意義があります。
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