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仮想通貨やビットコイン、Web3.0について調べていると「プロトコル」という言葉が出てきます。コンピューターに馴染みの無い方は初めて聞く言葉かもしれません。ここでは仮想通貨やWeb3.0の中で使用される「プロトコル」という言葉について、初心者にも分かりやすく解説をしていきます。
プロトコルとは
「プロトコル」という言葉は元々、IT業界で使用される言葉です。プロトコル自体は以下のような意味で使用されます。
対象となる事項を確実に実行するために手順を定めた規定、取決めのこと。
仮想通貨やWeb3.0の中で利用される「プロトコル」も、最も簡単に言えば「あるルールが実行されるための手順を定めた規定・取決め」のことだと言えます。
仮想通貨やWeb3.0では、スマートコントラクトやDAOと呼ばれる自律稼働するシステムが採用されるため、「プロトコル」はそれらが稼働する規定や取決め、といった意味で用いられることが多いです。
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例えば、「ある仮想通貨やブロックチェーンネットワークのプロトコルは〇〇になっている」という話では、「ある仮想通貨が自律的に稼働するための取決めは〇〇のようになっている」という意味になり、その取決めは多くの場合、スマートコントラクトのプログラム(コード)がどのようになっているのか、であったり、DAOがどのようなルールで参加者に不正を行わせないような仕組みになっているのか、などを話している場合が多いです。
仮想通貨において「プロトコル」という言葉は広範囲な意味を内包しているため、少し難しく感じますが、概ね「取決め」「手順」「ルール」などのような意味で受け取っておいて問題はないでしょう。
ビットコインのプロトコル
例えば、最も有名な仮想通貨であるビットコインにも「プロトコル」があると言われます。
ビットコインで「プロトコル」と呼ばれるものはいくつかあります。例えばビットコインの取引承認を行うルールである「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」はビットコインのプロトコルの一つ(またはプロトコルに含まれるルール)です。このとき、プルーフ・オブ・ワークはビットコインの取引の承認を行う際に「従うべき手順(その取決め)」という意味になっています。
ビットコインには様々なプロトコルがあるとも言われますし、それらの手順一つ一つを総称してビットコインのプロトコル、とも言われます。ビットコインのような自律した分散型組織(つまりDAO)では、プロトコルに従って参加者が動くため、取引承認がプルーフ・オブ・ワークなのか、はたまた別のルールが採用されているのかによって、その仮想通貨ネットワーク全体の方向性が大きく変わるのです。
また、ビットコインのプロトコルは変更ができないか、と言えばそうではありません。一定以上の参加者の賛成があれば変更が可能になります。ビットコインでは、参加者が多く存在し、特定の強い権限を持った運営者がいないため、プロトコルを変更する場合には多くの参加者の同意が必要になります。
ビットコイン以外の仮想通貨では、プロトコルを簡単に変更できるルールになっているものもあります。プロトコルが変更しにくいと、ユーザーはプロトコル変更に戸惑う事が少なくなります。逆にプロトコルを変更しやすいと、不便な仕様を改善しやすくなる為ユーザーにとってメリットになる場合もあります。
パブリックブロックチェーンとプロトコル
ビットコインのような特定の運営者がいないブロックチェーン(「パブリックブロックチェーン」などと呼ばれます)のアプリケーションは、意思決定機関がなく「プロトコル」中心に回っていきます。この構造は今までの組織の在り方とは全く違います。トップダウンの組織ではなく、決められたルールの周りに人がいる構造です。
この構造の組織では、個人同士がプロトコルによって繋がれます。意思決定機関という、情報を掌握する人物(または組織)が存在しないため、全ての個人が独立し、平等に扱われます。中央が不正をする心配も無ければ、中央に近い存在が優遇されることもありません。
Web3.0の時代では、プロダクトよりもプロトコルが重要になると言われることもあります。特定の運営者が組織を動かし、プロダクトを作ってサービスを提供する、という構図ではなく、不特定多数の参加者がプロトコルによってサービスを創造する。そのような社会の実現にプロトコルは重要な役割を担っているのです。
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