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ビットコインシステムは絶妙なバランスの元成立しております。様々な技術を駆使して成り立つが故にその一つでも破られたりバランスが崩れると崩壊する危険性があります。これは中央集権なものであろうが非中央集権であろうがバーチャルな世界では常に付きまとう問題です。ビットコインシステムの崩壊について「ハッシュ関数」というビットコインの根幹を保つシステムに焦点を当てて初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
ビットコインのハッシュ関数
ビットコインでは「ハッシュ関数」というセキュリティに優れた暗号技術が使用されております。「ハッシュ関数」はある元データを他のデータへと変換するものです。元データをハッシュ関数によって得られたデータから推測する事はできません。(セキュアな(セキュリティに優れた)ハッシュ関数であれば。)
ハッシュ関数はセキュリティに優れた関数でその技術は長年研究されて今日に至ります。ハッシュ関数についてはこちらの記事ハッシュ関数って何?をご参照ください。
「ハッシュ関数」と一口に言っても様々なものがあり、ビットコインで多く使用されているものに「SHA-256」というものがあります。SHA-256は一定の長さのデータに対して256ビットのハッシュ値(ハッシュ関数から得られる数値)をはじき出す関数でセキュアなハッシュ関数として知られております。
例えば
「what is hash?」
というデータをSHA-256に通すと
「8343DEAE2F029E492E81B94310AA772282631588946F13580F6942C56E67A62A」
という256ビットのハッシュ値を得る事ができます。
ビットコインではランダムな文字列から秘密鍵を生成する時や、参加者がマイニング(初心者も分かるビットコインのマイニングとは)をして次のブロックを作成する時などにこのSHA-256は使用されます。
SHA-256はセキュアなハッシュ関数として知られており、現状ではこのセキュリティ関数を破る事はできないとされます。
もしこの関数を破り、出てきたハッシュ値から元のデータを推測できたり元データと異なるデータから同じハッシュ値が出せるとわかってしまうとビットコインのシステムは混乱状態に陥り崩壊します。
なぜなら秘密鍵を異なるランダムな文字列から導き出せてしまう事が分かればビットコインの所有権を表す秘密鍵をその保有者以外にも持つことができる可能性が出てきてしまい「秘密鍵」が「セキュアな鍵」として機能しなくなってしまうからです。
SHA-256について詳しくはこちらの記事SHA-256とビットコイン<初心者向け>をご参照ください。
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SHA-256がセキュアでなくなる時
上記で説明した「ハッシュ関数」ですが「SHA-256」についても、その他のハッシュ関数についても「理論上」セキュア、と言われているだけです。
というのもハッシュ関数に「SHA-0」「SHA-1」「SHA-2」という分類がある事を知るとこの問題にたいする答えが見えてきます。
「SHA-256」は「SHA-2」に分類されます。「SHA-1」は2005年にセキュアでない事が発見されました。それまではセキュアとされていたのですが理論上攻撃が可能なハッシュ関数として騒がれ出しました。
「SHA-1」はセキュアではないとアメリカ合衆国の研究所が合衆国に対し報告をし「SHA-2」への移行を要請しました。「SHA-2」は簡単に言えば「SHA-1」を改良したものでその中に「SHA-256」が入っております。
ちなみに「SHA-256」はアメリカの国家安全保障局(NSA)によって設計されたのでビットコインが発表された当初NSAによる陰謀論があったと言います。(しかしSHA-256はセキュアなハッシュ関数として一般に知られて入るのでその疑惑は今日はありません。)
今ではさらにセキュアなハッシュ関数としての分類「SHA-3」が存在します。このように暗号技術は日々進化しているのです。
つまりSHA-256という関数もいつか破られる時が来るかもしれません。現在では「SHA-2」「SHA-256」はセキュアですが歴史を見れば破られる可能性はゼロとは言えないのです。それがビットコインシステムの崩壊につながったとしても何ら不思議は無いのです。
まとめ
もちろんSHA-256ではなくともどんなシステムにだって崩壊の可能性はあります(例えそれが「国家」であっても)。ですがこのような知識を持っておくと仮想通貨で何か事態が急変した時にも対応をしやすくなります。それに「知る」事は知的好奇心を満たしてくれます。
投資としての側面も大切ですが知識を得る事も仮想通貨を楽しむ上ではとても大切な意味を持ちます。是非、様々な情報収集をして革新技術を楽しんでいただければと思います!
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