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アトミックスワップとは種類の異なる仮想通貨を取引所や第三者の仲介無しで交換する事ができる方法です。アトミックスワップが一般的になれば利用者は仮想通貨の交換(例えばビットコインとライトコイン)は取引所を介さずに、更に相手の逃亡リスクを気にせずに可能になります。アトミックスワップについて初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
アトミックスワップとは
アトミックスワップとは種類の異なる仮想通貨を第三者の仲介が不在で可能にする仕組みです。
例えばあなたが持っているビットコインをAさんの持っているライトコインと交換したいとします。
この時には必ず「信用リスク」が付きまといます。
あなたがビットコインをAさんに送付したのにAさんはライトコインを送付してくれない、という相手に対する信用リスクです。
この解決策は大きく分けて2つあります。
1 同じ場所で取引を行う
2 第三者を介入させる
という2つの方法です。
1 同じ場所で取引を行う
同じ場所で取引を行えばあなたはAさんに対しライトコインを送るまで見張っておくことができます。あなたがビットコインを送付したのにAさんがライトコインを中々送ってくれなければAさんがライトコインを送付するまで逃がさない事ができます。
それでも送付してくれない場合は第三者(裁判など)を介入させて送付してもらうよう争う事ができます。
2 第三者を介入させる
遠い場所でAさんと取引をしたい場合は第三者を介入させて第三者にあなたのビットコイン、Aさんのライトコインを預ける事で取引を完了させる方法があります。第三者はあなたとAさんの両者が通貨を渡さなければ取引を開始させません。そうすればあなたはビットコインを失わずに済みます。仮想通貨の場合は取引所等を介する事で実現します。
しかし、1では同じ場所に行けない場合や少額取引の為移動コストが取引に見合わない場合は信用リスクが消せません。2では第三者の信用力が無い場合は信用リスクが消せませんし、第三者を利用する事で手数料がかかってしまう場合があり問題は残ります。
このような信用リスクや問題を消すのがアトミックスワップの仕組みです。
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アトミックスワップの仕組み
アトミックスワップでは第三者不在で遠くの相手との仮想通貨取引を信用リスク無しで行う事が可能です。
簡単に解説をしていきます。
あなたはビットコインを送付したい時にAさんにビットコインの入った箱を渡します。この箱を開けるにはAさんのカギと箱のカギが必要です。逆にAさんはライトコインを箱に入れあなたに渡します。この箱を開けるにはあなたのカギと箱のカギが必要です。
あなたの渡した箱をAさんが開けます。するとAさんはビットコインを獲得するのと同時に箱カギがあなたに伝わります。この行程が無ければAさんはビットコインを得る事ができません。
もちろん、ビットコイン・ライトコインが必要な数量入っているかや箱の仕組みが正しいかはやり取りする前にお互い確認をします。不正があれば取引を中断すればいいのです。
また、Aさんがあなたの箱を受けとったのにも関わらず開けない場合は一定の時間が経つと元の所有者へ仮想通貨が返却される仕組みになっています。
これが簡単なアトミックスワップの仕組みです。
問題の解決
これは中央集権化した取引所の仕組みを解決します。あなたがビットコインを保有していてそのビットコインを売りに出してライトコインを購入したい場合、取引所を介してビットコインに売り注文を出さなければいけません。ビットコインとライトコインの通貨ペアがその取引所に無ければ一度ビットコインを他の通貨(JPY・USD・ETHなど)に換え、その通貨でライトコインを購入する必要があります。
手数料がかかる事や時間がかかる事によるコストをアトミックスワップは解決します。
どのような仮想通貨で実現可能か
基本的に実現が容易なのはビットコインとライトコインのような似たような仕様のものです。(具体的には「SCRYPT」という機能を持つ通貨。)他に有名な通貨はビットコインキャッシュも含まれます。
実際にビットコインとライトコインはアトミックスワップに成功しているとアトミックスワップの開発チームは宣言しています。(参照:https://blog.decred.org/2017/09/20/On-Chain-Atomic-Swaps/)
しかし、ビットコインとイーサリアムという通貨間アトミックスワップも実現していると他の開発チームはしております。(参照:https://news.bitcoin.com/altcoin-exchange-performs-first-atomic-swap-between-bitcoin-and-ethereum/)
アトミックスワップの実現でまた仮想通貨の状況は変化します。取引所が無い場所での取引が加速していく事や仮想通貨の流通が促進する可能性があります。
しかしアトミックスワップの実現はトークンエコノミーを実現する為のきっかけにすぎません。
このような交換の問題は相互での契約履行の問題が常に付きまとう為(契約していないと片方が主張した場合や契約の強制の問題)に法的な介入は避けられず、全てを解決するものではありません。アトミックスワップをきっかけに新たな仮想通貨の用途を考えていく事ができるものだと私は考えます。
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