本ページはプロモーションが含まれています
イーサリアムを実ビジネスで応用するプロジェクト「EEA(Enterprise Ethereum Alliance)」について初心者にも分かりやすく解説をしていきます。
イーサリアム(Ethereum)とは
EEAを理解する為にはまず仮想通貨のイーサリアム(Ethereum)について知識があると容易に理解する事ができます。
イーサリアムとは分散型アプリケーション構築の為のプラットホームです。「分散型」というのは従来のインターネットサービスのようにサーバーとのやり取りでサービスを提供するものではなく、皆が情報を共有する事でサービスを提供するインターネットシステムの事を言います。
サーバーでアプリケーションを構築してサービスを提供するのではなくイーサリアムでは分散型のシステムの上にアプリケーションを構築する事でサーバー無しでアプリケーションを開発する事ができるようになります。
アプリケーションというのはインターネットのサービスの事で、例えばWebサイトもアプリケーションの一つになります。WebサイトはサーバーにWebページを保管しておくことでWebサイトを訪れた人にWebページを配信し、訪れた人は閲覧する事ができます。
分散型アプリケーションではサーバーが無く、分散された情報管理者がそれぞれに情報を持っており、誰かが要求された情報を提供するようになります。
イーサリアムではサーバーの代わりに分散システムを形成する事で多くの人が分散型のアプリケーションを開発する事ができるプラットホームを目指しています。
イーサリアムについて詳しくはこちらイーサリアム(Ethereum)専門ページをご参照ください。
EEAとは
EEA(Enterprise Ethereum Alliance)はイーサリアムでビジネスの為のアプリケーション作成を推進するプロジェクトです。2017年10月現在では500以上の企業、技術者が参加をしています。EEAはイーサリアム財団というイーサリアム開発資金を管理する非営利団体が商標を持っています。
EEAでは製品を作成するのではなくあくまでオープンソースプロジェクトで参加団体がイーサリアムを利用してアプリケーションを作成するサポートを行っています。EE(Enterprise Ethereum)という企業向けのイーサリアムブロックチェーンプラットホームを公開しておりそれらを企業が活用してアプリケーションを構築していく事になります。
また、イーサリアムの開発(イーサリアムはまだ完成していません。詳しくはこちら。)に準じて行われておりイーサリアムシステムの更新に応じてサポートが行われています。
参加団体が正しく情報を共有し合って推進されているプロジェクトの為に「何かすごい事をしようとしている」というものではなく、企業に合ったサポートを行っているのでEEA自体(参加団体が共同で)が何かを生み出すわけではありません。イーサリアムがこのプロジェクトに関わるのはイーサリアム自体の「世界のコンピューター」としての役割を担う為の促進活動であると思われます。
スポンサー
参加団体
500以上の企業から参加団体は構成されます。主な世界的企業では
・Microsoft
・intel
・JPMorgan
・ING
などが挙げられます。国内では
・MUFGグループ
・TOYOTA(Research institute)
・KDDI
等が参加を表明しております。
導入事例
まだ実用化はされておりませんが2017年9月にはKDDIが国内で初めてEE(Enterprise Ethereum)を利用した実証実験を開始したと発表しました。(参照:http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/09/27/2694.html)
この実証実験ではKDDIが「携帯電話の店頭修理申し込みから完了までの工程における、リアルタイムな情報共有およびオペレーション効率化の可能性を検証」したと発表しております。
イーサリアムのような仮想通貨のブロックチェーンでは(ブロックチェーンについてはこちら)記録を残し、改ざんを防ぐ堅牢性を自動で行ってくれる仕組みがあるので一括して修理から完了までの情報を管理できるかどうかを検証しました。
また「携帯電話の修理の際、修理価格、機種変更価格、中古市場価格など異なるシステム間の情報をプログラムが自動判別し最適な契約が行えるか」もイーサリアムのスマートコントラクト(自動契約システム。スマートコントラクトについてはこちら)を利用して行えるか検証するとしています。
イーサリアムが活用される理由
EEAの発表では多くある仮想通貨の中でイーサリアムが多くの企業に利用される理由として
・30,000以上の世界的な開発者コミュニティ 貢献者
・オープンソースで広く利用可能
・急速に成長している開発者とエコシステムアプリケーション
・洗練されたスマートコントラクト、プログラミングモデルを簡単に学ぶ
・複雑な資産をモデル化し、組織化する能力
を挙げています。
実際仮想通貨の中では決済に特化したビットコインを除いてブロックチェーンプラットホームではイーサリアムが最も広く知られており、世界的に注目を最も集めている仮想通貨と言えます。このような事からEEAに多くの世界企業が参加をしている背景があると思います。
まとめ
イーサリアムはまだ実験段階で攻撃に対する脆弱性も多く見つかっており修正を重ねて開発が行われています。しかし、攻撃を受けるという事は注目されている証拠でもありそのような困難を乗り越えて本当に利用できるプラットホームとして進化していく可能性があります。
長い目で仮想通貨を見ていく事は今後の社会システムを想像する上では大切な事でしょう。
関連記事
分散台帳技術(DLT)とは ブロックチェーンとの違い <初心者向け>
スポンサー