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ビットコインがSegwit2xによってハードフォークされると騒動になっています。執筆時点(2017.11.04.11:00)での現状・最新情報を初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。また、Segwit2x分裂に関する一連の流れはこちらビットコインの11月分裂(ハードフォーク)騒動を知ろう!で解説しておりますのでご参考にしていただければと思います。
目次
そもそも分裂(ハードフォーク)とは
現状を知る為には「分裂」「ハードフォーク」の意味をなんとなくでもいいので知っておく必要があります。今回の騒動は最近始まったものではなく以前からのビットコインの「ブロックサイズ問題」や8月の分裂騒動の流れを受けて発生しております。正確な情報を得る為にも、これらの概要は理解しておきましょう。
ビットコインの分裂に関しては<特集>ビットコイン、仮想通貨の分裂とは?でまとめています。特にハードフォーク、ニューヨーク協定(NYA)、Segwit2x、ビットコインコア開発者といったよく出てくる単語の意味を理解しておいてください。
Segwit2xの現状・最新情報
いつハードフォークするか
11月4日11時時点では11月16日ごろに発生すると見られています。これはビットコインのブロックチェーンが更新される時間が伸びたり縮んだりする事で変更されます。日ごとに予定は変わっていくのでハードフォーク前後に取引を行う、ビットコインの入出金を行おうと考えている方はよくチェックしておくことが大切です。
Segwit2xの予定ブロックは「494,784」です。執筆時点では492,983のブロックが作成されています。現在のブロック数はCoin Dance | Bitcoin Block Detailsのサイトで確認をする事ができます。
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世界の取引所、事業者の対応
アメリカcoinbase(NYA賛同)
アメリカの取引所coinbaseはSegwit2xビットコインとオリジナルビットコインを両方を取り扱うとしています。ただし、どちらのビットコインを「真の」ビットコインとするかはハードフォーク後にマイナー(マイニングする人)の多さ(パワーの強さ)で決めるとしています。(10月24日時点の発表)
つまりSegwit2xがマイニング団体の支持を集めた場合はSegwit2xが「ビットコイン」としてユーザーに取引機能を提供するという事です。
(参考:米取引所Coinbase社、Segwit2xの対応について)
アメリカBitpay(NYA賛同)
アメリカの仮想通貨決済事業者Bitpayもcoinbaseと同様にハードフォーク後のマイニングパワーの強さで真のビットコインを定めるとしています。
現在ビットコイン決済を行っているサービスを該当ビットコインに切り替えるとしており、マイニングパワーを集められない方のビットコインに関しては今後取り扱いをしない方針も示唆しました。
Segwit2xのハードフォーク24時間前からサービスを一時停止するとも発表し、また提供するビットコインデビットカードの提供ビットコインサービスの切り替えも行うとしています。
(参照:https://blog.bitpay.com/segwit2x-and-bitpay/)
中国BTCC(NYA賛同)
中国のマイニング・取引事業者BTCCはビットコインをBC1、Segwit2xビットコインをBC2として対ドルでの取引を10月24日に発表しました。
公式によればハードフォーク予定の11月16日から24日までを考慮期間とし取引サービスを続け、それら二つのコインを今後どちらがビットコインとするかは市場によって定めるとしています。
またBTCCのボビー・リーCEOはSegwit2xの支持は取り消さない方針で、Segwit2xはビットコインのアップグレードの為にリプレイアタックプロテクション機能は必要がないとしています。「Segwit2xビットコインが真のビットコインで、その価格が他の仮想通貨より低くなるのであればそれはアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にビットコインが負けたという事」と述べました。
このSegwit2xの方針に対しライトコインの開発者・ボビー・リーCEO弟でもあるチャーリー・リー氏は「(オリジナル)ビットコインはアルトコインではない」と否定的な発言をしています。
さらに噂される中国での取引開始を否定し、現在行われている対ドルでの仮想通貨取引事業を継続していくと述べています。
(参照:https://www.cryptocoinsnews.com/btcc-chief-bobby-lee-on-segwit2x-and-the-chinese-bitcoin-exchange-ban/ https://twitter.com/YourBTCC)
中国F2Pool・SlushPool
中国の大手マイニング事業者のF2PoolとSlushPoolはSegwit2xビットコインに対してハードフォーク後にマイニングをしないというシグナル(表明)をしております。合計で現在のビットコインマイナーの約15%のパワーを持っており、その他の大手マイニング団体は賛成を示しています。
ただし、マイナーのシグナルはあくまでシグナルなので賛成や反対を示していてもハードフォーク後に両者どちらをマイニングするかは分かりません。基本的にはマイナーは利益を追求するので指示される方のビットコインをマイニングする事になります。
(参考:<11月分裂騒動>F2PoolがSegwit2xのシグナルを取り下げ)
ジンバブエGolix.io
ジンバブエの取引所GolixではSegwit2xハードフォーク後、取引所内のビットコイン
保有者は同数のSegwit2xビットコインを付与されるとしました。またSegwit2xビットコインではなく、元のビットコインを「ビットコイン」と呼んでいる事から元々のビットコインをビットコインとするようです。しかし、両者のビットコインに対する明確な立場は示されておらず今後変更される可能性があります。
ジンバブエでは自国経済の崩壊によりビットコイン価格が急騰しており、需要は高まっています。Golixはジンバブエの唯一の仮想通貨取引所です。
(参照:https://www.cryptocoinsnews.com/zimbabwe-bitcoin-exchange-readies-up-for-segwit2x-fork/)
国内取引所・事業者の対応
執筆現在、国内では現在coincehckのみがSegwit2xのユーザーに対する対応を発表しています。coincheckではハードフォーク時の保有ビットコインに対してSegwit2xビットコインを付与する(受け取る事ができる)としています。両者のビットコインに対する明確な立場は表明していません。
その他の取引所の発表はこちら各取引所Segwit2x(B2X/ビットコインハードフォーク)の対応・付与受け取り方法 <随時更新>で随時更新していますのでご参照ください。
コミュニティの分裂の後に
今回の分裂では大きく事業者・マイナー・ユーザーの意見が分かれています。オリジナルビットコインにしてもSegwit2xビットコインにしても今までこの世に無かったシステムを稼働しているのでどのようになっていくかは誰にも分かりません。
Segwit2xに反対するビットコインコア開発者が全て正しい訳ではありませんし、Segwit2xを進める事業者の思惑がどのようなものかは分かりません。そしてユーザーがどのように意思決定し行動していくかは分かりません。
このようなコミュニティの分裂は「ビットコインのあるべき姿をどこに求めるのか」という問題に帰結していると見られ、その答えはどこにも無い為分裂が起きています。ハードフォークや新たなビットコインの誕生を批判的に見る見方もありますが非中央集権という難しい問題を解決しようとする人々の一つの挑戦とも見られ、避けては通れない一つのステップであるとも言えます。
ビットコインという非中央集権組織ではユーザーがどのシステムや理念を信じるか決める権利があります。ビットコインに関わる人はどのようなビットコインが理想なのか、またどのようなシステムがあれば世の中が良くなっていくのかを考える一つのきっかけにしていただければと思います。
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<特集>ビットコイン、仮想通貨の分裂(ハードフォーク)とは?
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