本ページはプロモーションが含まれています
ビットコインが分裂騒動で揺れています。ビットコインの分裂はコミュニティ内の分裂によるところからいつも起きてしまいますが、なぜビットコインや仮想通貨はこのような分裂を繰り返すのでしょうか?
コミュニティとは
そもそも仮想通貨でよく聞くコミュニティとはどのようなものでしょうか。仮想通貨で言うコミュニティとは
・開発者
・マイニングを行う人
・事業者
・ユーザー
・投資家
を主に指します。
仮想通貨、特にビットコインなどの中央管理者のいないプロジェクトの場合は全ての人が対等なステークホルダーになります。それらの人は自身でどのように仮想通貨に関わっていくのかを自分の意思で決定します。
例えば開発者であればルールに乗っ取って開発をしますが、どのようなルールにする方がその仮想通貨のセキュリティは保たれるのか、より効率の良いシステムになるのかを自分で考えます。
事業者はどのような仮想通貨をユーザーに届けたいか、マイナー(マイニングを行う人)はどの仮想通貨をマイニング(取引処理)していくのか、ユーザーはどの仮想通貨を利用するのか、などそれぞれが独自の考え方によって行動します。
コミュニティはそれぞれの役割が異なり、どれかが欠けてしまってもその仮想通貨が広く普及する事はありませんし、継続していく事もできません。
中央管理がいないので自分の意思を主張したり行動をする事ができますが、コミュニティの存在は不可欠なものなのでそれぞれは自分勝手な事をしてコミュニティ内の他の人をないがしろにも簡単にはできない、という特徴を仮想通貨は持っています。
スポンサー
コミュニティの分裂
ビットコインのビットコインキャッシュ、イーサリアムのイーサリアムクラシックはコミュニティ内の意見の食い違いから発生しました。どちらもお互いが正しい事を主張しており、思う方向へと進んだ結果の分裂です。
これはどちらが正しい、と言えるものではなく考え方の違いなので中央管理者不在であるビットコインやイーサリアムの正しい形であると言えます。
このように技術的にしろ、事業的にしろ、自分の意見とは異なる方向へコミュニティが進んでいる場合は意見をする事や行動する事で自身の理想とする通貨を作成できるのは仮想通貨にしかない特徴です。
しかし、逆を言えばまとまりがつかなくなる危険性もあります。自由に意見や行動ができてしまうが故に分裂が乱立するパターンです。ビットコインは10月24日にビットコインゴールドが誕生しましたし、11月にはSegwit2xによる分裂も予定されています。
もちろんビットコインゴールドのようなビットコインコミュニティ内の少数派が立ち上げるプロジェクトによるビットコインに与える影響は少ないですが、一致団結をコミュニティがしていない事はコミュニティが必要不可欠な非中央管理型仮想通貨にとっては不安定になる材料の一つとなってしまう事は事実です。
なぜコミュニティが分裂するか
仮想通貨の分裂がコミュニティの分裂によるもので、コミュニティの分裂は仮想通貨の不安定材料になります。しかし、なぜコミュニティの分裂が尽きないのでしょうか。
それは非中央管理だからこそ起きるものです。
非中央管理型仮想通貨ではそもそもの正解が明確なものになっていません。ビットコインにおいてもどのような形をビットコインが目指しているのかは明確に誰も決定する権限を持っていません。
ビットコインの元となる論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン:P2P電子決済システム)はその一つの答えと言えるものですがその解釈は様々です。P2Pの電子決済システムとは個人間でサーバーを介さずに決済ができるシステムですがそのシステムをより多くの人が利便性の高いまま利用するのはどの方法が最も適しているのかは書いてありません。
例えばビットコインの持つブロックチェーン上で取引が行われるべき(オンチェーン)なのかそれともブロックチェーンを元にして派生した場所で取引を行うべき(オフチェーン)なのかは意見が分かれます。
このように正解が無い事がコミュニティの分裂を生み出す一つの要因になっています。しかも仮想通貨は今までに無かったものなので過去からの参照もできません。ですので主張が全てになり、どの主張がどれだけ正しいのか、特に開発者ではない人は主張を元に判断するしかない為分裂騒動は大きな波紋として広がっていく背景があります。
正解の無い非中央管理型仮想通貨は自由に意思決定できる代わりに正解が無く議論を巻き起こすのです。
分裂は今後も起こる
このような理由から分裂は今後も起きるものであると考えます。しかし、段々と結論は様々な場所で出ていくので参考となる事象が増えていきます。ブロックサイズを大きくしたビットコインキャッシュがどのような末路をたどるのかが明確になればブロックサイズを大きくするのは良い事だったのかを皆がより容易に考える事ができるようになります。
ですので分裂は不可避ですが悪い事だけを提供している訳ではありません。長い目で見れば分裂は仮想通貨における通過点だったという事になります。
逆に言えば非中央管理型仮想通貨においてまだ分裂をしていない仮想通貨というのはコミュニティの発達が遅れていると考える事もできます。正解のない非中央管理型仮想通貨において分裂が起きているのは健全に議論がなされている証拠でコミュニティが形成されている証拠でもあるのです。もちろん最終的な分裂までいくことが無く、議論で収束するのであればそれが最も良いとは思いますが。
仮想通貨の先駆者であるビットコインが今後崩壊し、その崩壊を教訓に誕生した新たな仮想通貨や他の仮想通貨がこの世に広く普及していく可能性もあります。ビットコインやイーサリアムの議論は今後の金融の在り方を形成していく良い実験になっていると考えます。
関連記事
ビットコインキャッシュ高騰とビットコイン下落 ビットコインの課題
ビットコインSegwit2xハードフォークはいつ行われるか 知っておくと良い情報
スポンサー