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ビットコインが2017年末から2018年にかけて数多くのハードフォークが行われる計画があります。これらのハードフォークにはどのような意味があるのか、問題点は何かを初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
ハードフォークとは
これらの事象を考察するためにはまずハードフォークとはそもそも何か、を理解している必要があります。技術的なことも絡んでいるので初心者の方には分かりにくいので簡潔に述べたいと思います。
そもそもハードフォークとは「ブロックチェーンが互換性がなく分かれる事」を意味します。
ビットコインはブロックチェーンに記録される事で存在が証明されますのでブロックチェーンが分かれる事はビットコインが分かれる事を意味します。
ただ、ハードフォークでは「互換性がなく」分かれるので、分かれたブロックチェーンに記載される取引はビットコインとは異なる通貨として存在する事になります。
ですので「ハードフォーク=問題」という方程式が必ずしも成り立つわけではありません。互換性がなく分かれているだけなのでビットコイン自体に問題が必ず生じる訳ではなく、ハードフォーク後もビットコインは存在していきます。
騒動になるハードフォーク
例えばハードフォークは仕様変更の為に行われる場合があります。
今までの仕様をAからBへガラッと変えたい時に開発者やマイナー(マイニングする人)が今までの仕様Aを禁止し、Bを公式ルールとしたいと考えた場合ハードフォークをする事で使用を変更する事があります。
先にも見たようにハードフォークでは「互換性が無く」ブロックチェーンを分けるので仕様Aだったブロックチェーンは公式ではなく、Bのブロックチェーンを公式としたい時に有効な手段になります。仮にAB共に作成されたとしてもAとBは交わる事なく存在していくので問題が無く両方の通貨が存在していく事になります。
この時多くの人はBを公式な通貨と認識しているのでユーザーはBを利用しますし取引所などの事業者もBを公式な通貨とします。するとAの需要が無くなるのでブロックチェーンを作成するマイナーも誰も相手にしていないAの作成はする事が無くなります。するとBのみが存在していく事になります。このようにして仕様変更の際にハードフォークは行われます。
イーサリアムやビットコインキャッシュでは最近このようなハードフォークが行われています。(参考:イーサリアムの4段階ハードフォークの概要 <初心者向け>)仮想通貨でハードフォークは珍しくない事なのです。
ただ、いわゆる「騒動」になるハードフォークは少し状況が異なります。上記で示したものは「皆の意見が一致している仕様変更ハードフォーク」の例です。仮にAとBの仕様変更で開発者・マイナー・事業者・ユーザーの意見が真っ向から対立してしまうと騒動に発展していきます。
AとBは互換性が無いので両者は異なる通貨になります。今まで100人でAを支えてきたのが意見対立によって「どっちを支持するか」という問題になります。結果A50人B50人の支持者になってしまった場合、どちらを公式のルールとするのかという問題やブロックチェーンの作成が遅れる問題や投資家の判断が変わる事による価格変動の問題が生じます。
仮想通貨ではブロックチェーン作成が存在を示すと同時に取引を完了させる手段なのでブロックチェーン作成の遅延は取引完了の遅延になる等のシステムとしての問題に発展していきます。
ビットコインでは「ビットコインコア」という公式ルールを定めるソフトウェアがありますが、このビットコインコアの定める仕様を支持しない人が増えると本物のビットコインはどちらなんだ?という混乱が広がっていきます。
騒動になるハードフォークにはこのような問題があります。
2017年8月ビットコインキャッシュ、2017年11月のSegwit2xのハードフォーク騒動では大きな混乱が訪れました。(参考:<特集>ビットコイン、仮想通貨の分裂(ハードフォーク)とは?)
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多発するハードフォーク
2017年末からビットコインでは多くのハードフォーク計画があります。
・ビットコインダイヤモンド
・ビットコインキャッシュプラス など
の多くのハードフォークが計画されています。
これらのハードフォークは先に述べた仕様変更で皆が同意するものではないハードフォークです。
ハードフォークを計画する意図としてはより良い決済システムを持つ第二のビットコインを作ろう、というものや儲けを考えて行おうとするものまであります。
分類では「騒動」になるハードフォークと言えます。しかし、先に述べた意見の対立が起きている場合にのみ騒動に発展していきます。これら多数のハードフォークに支持者がほとんどいなければ開発者やマイナー・事業者は元のビットコイン支持から移動する事が無いので混乱は大きくなりません。
ですので「支持者のいない騒動型ハードフォーク」では特にビットコインにとって痛手は大きくありません。
ただ、一時的でもハードフォークが行われる事でブロックチェーンが分かれてしまう為取引所などで対応する事や送金の際の危険性は生じますし、多少の混乱は起こります。ですので全く問題が無い訳ではありません。ですが、頻繁にビットコインの送金を行っている方以外は特に気にしなくてもいいでしょう。
実際、仮想通貨ではハードフォークによって新たな仮想通貨を生み出す事はよくあります。元の仕様を真似て誕生させる事ができるので一から仕様を考えて作り出すよりも楽に仮想通貨を生み出す事ができるからです。つまり今騒がれているハードフォークは以前からあり、このような問題はブームによって生じたものでいつかハードフォークで儲ける事が出来なくなれば自然と淘汰されていくものであると言えるでしょう。
儲けられる=行動する、は人間では普通の心理でハードフォークが起きてしまうのはビットコインシステムでは仕方のない事です。大切なのはこのようなハードフォークが起きる事による問題点がそこまで大きくない事、そのような事象で取引所などの事業者がどのような対応をしていくかをよく見ておく事です。現状、ハードフォークが起きる毎に取引所の対応はより洗練されていっているようですのでユーザーは長期的に見てそこまで心配する必要は無いでしょう。
ビットコインの課題は他にも沢山あるのでむしろそちらに目を向ける事の方が大切なように思えます。
なぜ儲かるか
最後にハードフォークでなぜ儲かるかを簡単に解説させていただきます。
仮想通貨では多くのステークホルダーがいなければ価格(価値)は形成されていきません。開発者・マイナー・ユーザー・事業者などの参加者がその仮想通貨を使う事、欲しいと思う事で価格が形成されていきます。それらのどれかが欠けても価格は形成されません。
ビットコインが誕生して以来、多くの仮想通貨が誕生してきました。その多くの仮想通貨の考案者はこれらのコミュニティをどのように形成していくのかを考え、試行錯誤してきました。コミュニティを形成していく事は容易な事ではない事はこれまで無価値になっていった多くの仮想通貨が示しています。ビットコインが最大の仮想通貨になっているのはコミュニティ形成が上手くいった結果でもあります。(参考:ビットコインが成功した理由 ~コミュニティ編~)
その巨大なコミュニティを持つビットコインからハードフォークを行う事でコミュニティ形成を容易にしてくれる側面が現在あります。ハードフォークで誕生した通貨は元々のビットコイン保有者にも自動的に付与されます。それをユーザーは知っているので取引所ではユーザーの要望に応える為、取り扱いを行う事があります。
つまり世界に数多く存在するビットコインコミュニティの一因に無料で配布する事で認知してもらい、取引を行ってもらう事で多くの人へアプローチし新仮想通貨の成功へ導くのです。
仮に一時的な成功になったとしても、市場での価格が上昇をしたタイミングで新仮想通貨の考案者は保有新仮想通貨を売却してしまえば富を得る事ができます。
大変難しいコミュニティ形成を容易にしてくれる事がハードフォークで儲けられる、ハードフォークが多発する原因になっているのです。
もちろん、先に述べた通りこれは一時的なブームに過ぎず技術的に未熟で利用用途のない仮想通貨は今後ハードフォークを行ってもユーザー・事業者は見向きもしなくなりこのようなハードフォークを行う人もいなくなっていくでしょう。
ビットコインの問題点と言われるハードフォークはこのような状況がある為、多発している事を理解していただければ幸いです。
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