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韓国政府の仮想通貨に対する立ち位置が揺れています。2018年1月10日に韓国の取引所を閉鎖する方針を取っていると司法長官が発言して以来韓国政府の対応に反応する投資家や韓国内の仮想通貨に対する見解が大きく割れてしまい混乱しています。
取引所全面閉鎖は見送り
1月10日の韓国司法長官による取引所閉鎖の方針発表の後韓国では投資家の反対が相次ぎ、閉鎖か一部規制かで大きく意見が分かれていました。韓国財務省はこの司法省の意見に対し「同意はしていない」と述べる等見解の統一が行われていない事が明るみに出ました。
政府関係者の間では禁止するべきではないという意見や禁止すべきだという意見が次々と出現し、最終的に「政府は仮想通貨取引を禁止する権限を持っていない」と語った韓国公正取引委員会の会長発言により即座に韓国取引所の閉鎖は行われないと考えられています。(参照:http://www.blockchainnews.co.kr/m/view.php?idx=553)
ただし、公正取引委員会の規則に従って違反性が仮想通貨取引にあるかどうかを調査し、違反すると判断したものについては規制を行うとしており全面的な閉鎖は行わないものの規制は行っていくとしています。基本的に仮想通貨などの投機熱によるバブル崩壊後の損失などは自己責任だとし注意を呼びかけました。
また韓国の金融監督院も「仮想通貨は通貨として認めないと人々に警告する事しかできない」と1月19日に語り規制強化は無いと考えられます。同院はさらに規制を行う事で通貨として認められたと国民が感じてしまう事で取引量が増大する事も懸念を示しました。(参照:https://jp.reuters.com/article/southkorea-bitcoin-idJPKBN1ED0NN)
韓国では仮想通貨取引所の閉鎖が一時見送られる事になりそうですがビットコインなどの仮想通貨を政府が認めた訳ではなく、政府はあくまで対立する姿勢を取っています。中国が取引所を停止した時もそうでしたがこの議論の後に閉鎖に進んでいく可能性もまだまだあるので注意して情報を追って行った方が良さそうです。
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割れる国民感情
韓国では仮想通貨に投資を行う若い世代と仮想通貨に懐疑的な政府の意見の対立が起きています。韓国司法省が仮想通貨取引所の閉鎖を示唆してから韓国大統領府のウェブサイトには12万人を超える反対署名が集められました。(参照:https://jp.reuters.com/article/cryptocurrencies-divides-sk-idJPKBN1F40CE)
韓国ではこのような反対もあり、司法長官の発言から火消しの為即座に財務省の「同意していない」という発言があった可能性があります。韓国の失業率は悪化しており仮想通貨で生活をしている若者もいて、若い世代の希望のような形に仮想通貨がなっています。
上記参照記事によれば韓国のホワイトカラーの30%が仮想通貨投資を行っており平均投資額は約570万ウォン(約60万円)となっているとしています。韓国では仮想通貨投資が年々盛んになっている事は明らか(参考:韓国、仮想通貨貯金額が昨年の約64倍に)で、今後も仮想通貨支持の国民と反対の政府の対立は過激になっていく可能性があります。
韓国で仮想通貨インサイダー取引
韓国の金融監督院によれば同院内の職員が仮想通貨にてインサイダー取引を行ったことも発表しています。(参照:http://www.koreatimes.co.kr/www/biz/2018/01/367_242704.html)
政府の仮想通貨市場規制の発表前に同院の役人が仮想通貨を売却したと述べました。また役人は仮想通貨取引を控えていくような方針も取る事を表明しています。
仮想通貨ではインサイダー取引の取り締まりが世界的に他の投資対象に比べて遅れている現状があります。仮想通貨の価格操作やインサイダー取引は日常的に行われている可能性が大いにあります。
このような発表や実際に今後逮捕者などが出てくる事により世界で仮想通貨の売買に対し監視が行われ、仮想通貨市場も健全化してくると考えます。
中央銀行の仮想通貨発行も検討
そんな中で韓国の中央銀行は独自の仮想通貨発行の検討もしている事を韓国中央銀行総裁は示唆しています。ビットコインなどの発行者の無い仮想通貨に対し中央銀行が独自に仮想通貨を発行する事や発行者の無い仮想通貨を研究していく事で今後の金融政策などに役立てる狙いがあります。
各国では発行者のいない仮想通貨に対し規制をかけると共に独自の仮想通貨を検討しています。2018年に入りその動きは各地で(参考:http://www.tottemoyasashiibitcoin.net/entry/2018/01/13/133001)見られており、今後は中央銀行の仮想通貨が実際に発行される事を目の当たりにする日が来るかもしれません。
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