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2018年2月6日(アメリカ)に行われた米上院銀行委員会が仮想通貨の監督役割についての聴聞会を開きました。聴聞会にはSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)が招聘され仮想通貨についての認識を問われました。ここでのSECのICOや仮想通貨の認識について初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
SEC委員長「ICOは有価証券の提供」
2018年2月6日(アメリカ)に行われた米上院銀行委員会で仮想通貨の監督役割についてSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)が招聘され、聴聞会が行われました。
いくつかのトピックについて議論が交わされましたがここではSECのICOに対する見解を主に解説していきます。(ICOとは)
SEC委員長のJay Clayton(ジェイ・クライトン)氏は「今まで私が見てきたICOは有価証券であると考える」と発言しました。同聴聞会ではこのICOに関する認識について長く議論される事となりました。
マサチューセッツ州上院議員のエリザベスウォーレン氏からクライトン氏は「過去から今後行われるICOはSECに登録されているものか」と問われ、その問いに対し「登録されていない」と答えました。
またウォーレン氏はICOについて「法律違反である」との認識を示しましたがそれに対してもクライトン氏は「はい」と同感である事をはっきりと述べました。
また、ICOで調達された資金は規制されたものではない為クライトン氏は明確には分からないとしながらも「上院議員はその額に注目すべきである」とも述べました。
クライトン氏は「ICOは有価証券の提供である為、SECは有価証券として規制するべきである」との認識を語りました。(参照:https://www.coindesk.com/sec-chief-clayton-every-ico-ive-seen-security/?utm_content=bufferd9727&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer)
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ICOの規制
ICOは既にアメリカではいくつかの州で詐欺と思わしきものを停止命令を出すなどをして規制し始めています。(参考:アメリカ、テキサス州でトークンセール(ICO)を取り消す命令)
SECは今までICOに対し否定的な見解を出してきましたが今回の聴聞会で委員長の発言から見れば明確に「ICOは法律違反である」との見解が明らかになりました。
全面的な禁止にはならない可能性は高いですが、規制は今後避けられないと見られます。ICOは世界的に行われる為、一国の規制では全てを取り締まる事はできない且つ海外サイトからの参加が可能なので限度がありますがアメリカが姿勢をはっきりとさせた事で2018年3月に予定されているG20で新たな仮想通貨の国際的規制が誕生する可能性があります。
G20ではドイツとフランスが共同で仮想通貨に国際的なルールを作成したいとの発表を既に行っておりこの会議が仮想通貨の国際ルール作りの第一歩になる可能性があります。(参考:ドイツ中央銀行「仮想通貨の国際的なルール作りへ」 フランスでは規制ワーキンググループも)
SEC委員長はICOと仮想通貨を分けて考えたいとの意向も見せていますがICOで発行される仮想通貨はビットコインなどの仮想通貨と密接に関係しているものなので仮想通貨自体の在り方も今後問われていく事になると予想します。
ICOは何の為のものか
ここで考えておかなければならないのは「ICOの意義」です。ICOは2017年に日本でも話題になり「誰でも通貨発行・株式発行ができる、次世代の資金調達」のようにもてはやされていました。私も含め多くの人が少しは未来の社会の変化に期待をしました。
しかし実態は詐欺が横行する事や、発行後に価格操作・インサイダー取引が横行してしまい正常な市場は形成されていきませんでした。もちろんまだまだこれからの技術なのでこれで終了とはなりませんが、今回のSECの発言を見る限りではICOは株式のように規制の中で利用されていくものになっていくと考えられます。
そうなれば規制委員会や上場審査が行われる事になり「株式を発行するよりもコストが安い資金調達」のような位置づけになりそこまで社会は変わらないと考えられます。このようになってしまったのも「お金を儲ければいい」という考えが先行してしまった為でテクノロジーの進化は中々社会問題の解決に有効利用するのが難しいと考えさせられます。コストダウンで得をするのは既存のシェアを持っている企業である事や、結局は会社という「信頼できる」形態が有利になる為、貧富の差が無くなるよりもむしろ加速してしまう可能性まで見えてきます。
人間がお金を儲けたいと考える事は仕方のない事なのである程度予測できた事態ですが、ICOの革新性はそこまでのものであったかと考えてしまいました。
しかし、このような事態でもテクノロジーが無くなる訳ではないという事も考える事ができます。テクノロジーが今後ICOではない形、もしくは新たなICOの有効利用が発見されて社会問題がなくなる利用方法が見つかるかもしれません。
上院銀行委員会などの聴聞会を開かせるほど社会を動かす力を持った仮想通貨は時間はかかるかもしれませんが、今後どこかでユースケースを見つけられて人々が恩恵を受ける可能性が大いにあります。そのような事を考える事も仮想通貨と触れ合う楽しさであると考えています。
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