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昨夜発表されたCPIは、市場の予想通りという結果になりました。執筆時点ではアメリカ国債の金利は上昇しているものの、ビットコインは続伸となっており、更なる上昇があるか、市場は本日の値動きに注目しています。
今回は発表されたCPIについて、そしてビットコインの今後の値動きについて初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
CPIは市場の予想通り
日本時間の昨夜発表されたCPIは、前年比6.0%となり、市場の予想通りの結果となりました。前回は前年比6.4%だったため、インフレ率は前回よりも下落した形となります。現在、金利は上昇しているものの、米国株式市場・ビットコインは上昇となっています。
CPIは、今回もエネルギーCPIの下落が、全体のCPI下落に大きく寄与しました。
エネルギー部門は、前回よりもさらに上昇率を低下させており、ピーク時の2022年6月から大幅にインフレ率を落としています。市場での原油価格が下がり続けていますので、この結果はあまり驚きはないでしょう。ただし、2022年6月がピークなので、エネルギー部門の正念場は2023年6~7月に訪れそうです。
そこからのエネルギー部門の下落幅が少し弱まる可能性があるため、全体のCPIの下落はなかなか難しくなる可能性があります。(後述するサービス部門との兼ね合いもあるので、あと3ヶ月不透明な時期は続きます)
住宅部門はここ数ヶ月同様に横ばいとなっていますが、やはりサービス部門はインフレ率を上昇させました。
強い労働市場がしきりに騒がれていた2月の結果であるため、この結果もあまり驚きはなく、総じてやはりサプライズの少ないCPIとなりました。
しかし、2月とは状況は変わっています。SVB(シリコンバレー銀行)の破綻を皮切りに金利上昇による経済不安が、市場参加者の頭に浮かぶようになっています。つまり、3月からはイケイケの労働市場ではなくなる可能性があります。そうなればインフレ方向ではなくデフレ方向に進む可能性があるため、サービス部門のCPIも横ばい→低下方向へと流れていく可能性があるでしょう。
先述した原油価格も、それと共にさらに下落していく可能性があります。不況になれば原油の需要は減少していきますので、それを受けて原油価格も下落し、インフレ率は大幅に低下する可能性が出てきました。
執筆時点ですが、数ヶ月横ばいになっていた原油価格は直近の最安値をつけています。ここを割れば、さらに下落する可能性もありますので、経済がどちらに進むかの雰囲気が固まってくる頃には原油価格もどちらかに振れており、インフレ率の動向も定まってくるでしょう。
6月までにどちらに進んでいくのか、注目すべきポイントの一つであると考えます。
ビットコインの上昇はどこまで
ビットコインの上昇は続伸しており、SVBの破綻で下落した分以上の盛り上がりを見せています。
短期的なビットコインの値動きは、政策金利の上昇が止まる「利上げ停止」の期待や、SVBの預金保護の安堵感などからリバウンドが起きていると考えられていますが、ここまで強い値動きをする理由は、多くの市場参加者が「よくわからない」と思われます。
ビットコインには株式のような企業利益、という誰もが同じように分析するファンダメンタルが存在せず、ファンダメンタルが曖昧なため「皆が上昇すると思えば上昇する」という側面が強くあります。
筆者は今回そのような“感情”での上昇面が強いのではないかと思っています。
そのため、逆の感情が生じた場合には、一気に下落する可能性があるため、市場に参加する際は注意が必要です。金利は下落しているものの、まだFRBは明確に利上げの停止を述べていませんし、債権市場は上方向にも下方向にも大きく動いている危険な時期でもあります。
ビットコインは節目であり、レジスタンスラインになっている25000ドルを突破すれば、少し安心区域に入るものの、なかなかそこを日足で抜けることができていません。
ビットコインが確実に強気相場に入ったとは、まだ言えなさそうです。
長期的には利上げ停止が予想され、実際利上げ停止が行われればビットコインも力強く動くと思われますので、初心者の方は焦らず様子を見ながら市場と付き合っていくのが良いでしょう。
※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。
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