クレディ・スイス問題でわかった、行くも引くも危機のワケ

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シルバーゲート銀行の清算、そしてシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の破綻で金融不安が襲っている中、今度はスイスの大手金融機関クレディ・スイスに危機が訪れました。スイスの中央銀行から最大で約7兆円調達する、という形でこの問題は解決へ向かっているように思われていますが、まだまだ世界的な金融不安は終わらない可能性が高いと筆者は踏んでいます。

現在の金融不安について、そして今後の展開について初心者の方にもわかりやすく解説します。

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クレディ・スイスの危機

スイスの大手金融機関クレディ・スイスに危機が訪れています。

「財務報告の内部統制において“重大な弱点”を特定した」との発表を行なってから、流動性危機が生じました。

クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が、追加出資をしないことを発表したことなどで同社の株価は暴落。クレディ・スイスが日本時間の本日午前中に、スイス国立銀行(スイス中央銀行)から最大で500億スイスフラン(約7兆円)を調達する用意ができているという発表を行なったことで、市場の混乱は一時静まっているものの、今後の動向には注意が必要です。

また、日本時間の本日22時15分ごろにはECB(欧州中央銀行)の政策金利決定が待っています。ECBは当初インフレを受けて金利上昇幅を50bpsとすると見られてたものの、クレディ・スイスの件が生じたため、本当に50bpsとするのかに市場の注目が集まっています。

 

クレディ・スイスの危機からわかる世界情勢

このような流れで、現在世界は進んでいますが、クレディ・スイスの危機がもしもスイス中央銀行からの資金調達で無事に済んだとしても、金融不安が終わることは無いように思えます。

そもそも、現在の危機は経済成長が鈍化する中で行なってきた、金融緩和政策に端を発していると筆者は考えています。結局、世界は経済成長がなければ豊かになることはありません。

経済成長を促すことを理由に、世界は金融緩和を行なってきましたが、その結果もたらされたものは紙幣の価値が下がるインフレでした。そして、世界は今インフレに苦しんでおり、今度はインフレを撃退しようとしています。自分達が生んだ魔物を必死に退治しようとしているのです。

その魔物は、金融引き締めという形でしか倒せないことは、歴史が証明しています。もしくは魔物がハイパーインフレとなり、逆に現在の金融制度が壊されるかの2択しかありません。

そして、世界は金融引き締めを選択しました。一旦、インフレが弱まったように見えましたが、その副作用として金融不安が押し寄せているのです。今度は金融引き締めをやめるのか、それとも金融システムの崩壊へ向かうのかの2択に悩まされています。

それが今のECBであり、FRBです。もちろん、この流れは日本へもやってくることになるでしょう。

つまり、クレディ・スイスの危機を中央銀行がパッチを当てて修理したとしても、すぐに別の部分で不具合が起きると思われます。それが数日後になるか、数週間後になるか、数ヶ月後になるかはわかりませんが、根本的な問題を解決しない限り、危機は続くことになるでしょう。

 

ビットコインとゴールドが有望な理由

このように考えていくと、やはり長期ではビットコインとゴールドは有望だと筆者は考えます。金融資産は、金融システム崩壊でダメージを受けるため、ビットコインやゴールドも危険ではあります。

しかし、崩壊後や崩壊の最中には一国に左右されない世界共通資産は重宝されます。

また、もしも崩壊を避けようと金融引き締めを停止すれば今度はインフレが再燃することになります。インフレとは現金価値の下落なので、ビットコインとゴールドへは資金が逃されることになるでしょう。

筆者は崩壊する、しないに関わらず金融引き締め停止をメインシナリオとしていますが、どちらにしろ現在の世界情勢はビットコインとゴールドが重宝される世界へと向かっているように思えます。

中央銀行がいくら様々なところで救済・緩和政策を行なっても、結局経済というものは自分達が生産をするしか豊かになることはできないと考えます。その方向へ人類が向かわない限り、ビットコインとゴールドは有望であると筆者は考えています。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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