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「仮想通貨」と言えば、最も有名なビットコインが頭に浮かぶと思います。少し詳しい方はもしかすると、 イーサリアムという仮想通貨の名前も知っているかもしれません。でも、これらの違いを明確に言える方は多くないでしょう。ここでは最も有名なビットコインと次に有名なイーサリアムの違いを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。2つの仮想通貨の将来性や今後、イーサリアムがビットコインを超えることがあるのか?なども合わせて解説していきます!
目次
そもそも仮想通貨とは?
そもそも仮想通貨とは何か、をまずは説明します。これを知っていることで、ビットコインとイーサリアムについてより深く理解することができます。(すでによくご存知の方は飛ばしてください)
仮想通貨とは、「ビットコインを始めとした、デジタル上の貨幣」のことを言います。日本の「円」やアメリカの「ドル」などとレートが存在し、ビットコインであれば1BTC(=ビットコインの単位)が400万円、などのレートで交換されます。
仮想通貨は全てインターネット上でやり取りされるため、インターネット環境さえあれば世界中のあらゆる場所から、世界どこへでも送ったり、受け取ったりすることができるのも特徴の一つです。
仮想通貨は日本では「暗号資産」とも呼ばれますが、どちらも同じ意味で使われます。(法律上の名称は「暗号資産」です。)
仮想通貨の歴史は、ビットコインが2009年に稼働開始したことでスタートしました。それまで、インターネット上にデジタル貨幣を作る試みは、世界中のエンジニアによって幾度も挑戦されていました。しかし、世界に広まるほどの成功はありませんでした。ビットコインはそんな中で成功し、「仮想通貨」として世界中に広がっていった最初のデジタル貨幣です。
そのビットコインで使われた、成功の要因とも言える技術が「ブロックチェーン」と呼ばれる技術です。そのため、仮想通貨と呼ばれるデジタル貨幣では、基本的にブロックチェーン技術が基盤となっています。2021年現在では、ビットコインから生まれたブロックチェーン技術が応用され、仮想通貨の中にはもはやビットコインのブロックチェーンとは異なる「応用ブロックチェーン」なるものがいくつも出てきていますが、「仮想通貨の基盤はブロックチェーン」と考えていいでしょう。
仮想通貨の分類
ビットコインから始まった仮想通貨ですが、現在は開発が進められ、様々なタイプの仮想通貨が世の中に存在します。まず知っておくといいのは以下の2つの分類です。
1 特定の運営者がいない仮想通貨…ビットコイン、イーサリアムなど
2 企業などの運営者がいる仮想通貨…リップル(XRP)、フィスココインなど
ビットコインは特定の運営する企業や団体は存在しません。特定の運営者がいないことで、誰でも保有することができ、誰でも使うことができる貨幣として流通しています。ビットコインをはじめとした特定の運営者がいない仮想通貨は、プログラムコード(ビットコインの仕組みが記載されたコンピュータープログラム)が公開されており、誰でもどのように動いているのかを確認することができます。(このようなコードが公開されているプロジェクトを、オープンソースプロジェクトと呼びます)
プログラムコードが公開されているので、コピーして「偽ビットコイン」のようなものを作成することができます。仮想通貨がこの世にたくさん存在する一つの理由が、この仕組みにあります。
企業などの運営者が存在している仮想通貨もあります。ビットコインが誕生した後で、ビットコインの仕組みを研究し、企業がビットコインの仕組みを応用して作った仮想通貨を開発することで、このような仮想通貨が誕生しました。
このような仮想通貨は企業が発行量や、不正取引の取り締まりなどを管理します。プログラムコードが公開されていないことも多く、先に挙げた特定の管理者がいない仮想通貨と比べると「クローズドな仮想通貨」と呼ぶことができるでしょう。(企業が開発しているが、特定の運営者がいない仮想通貨プロジェクトもあり、さらに細かく分類することもできます。)
まずはこの2つの分類があることを知っておくといいでしょう。仮想通貨やブロックチェーンの世界は日々進化しており、世界中の人々によって開発が行われています。今後も新たな仮想通貨、そして仮想通貨を発展させたサービスや技術が誕生することでしょう。
ビットコインとは
さて、仮想通貨についての概要を理解したところで、続いてビットコインとは何か?についてわかりやすく解説をしていきます。すでに述べたとおり、ビットコインは2009年から稼働が開始し、仮想通貨の歴史をスタートさせました。
つまり、ビットコインは「最も古い仮想通貨」と言うことができます。ビットコインは、サトシナカモト氏というペンネームの人物(数人なのか、正体は未だ不明)によって書かれた論文を元に作られました。
ビットコインは、スマホやパソコンの中でやり取りをすることができるお金です。スマホやパソコンに「ビットコインウォレット」と呼ばれるお財布をダウンロードし、その中にビットコインを入れておけば、いつでもビットコインで支払いをすることができます。(多くの場合、インターネットに接続されている必要があります)
もちろん、支払う相手やお店がビットコインで支払うことをOKしてくれた場合だけ、ビットコインをお金として使うことができるのですが、世界中にはビットコイン支払いOKのお店がたくさんあります。中央アメリカのエル・サルバドルという国では、ビットコインが国の通貨として認められており、お店はビットコイン払いを拒否することができません。(参考:ビットコインがエルサルバドルで法定通貨として採用する法案が可決。初心者向けにわかりやすく解説)
このように、ビットコインはデジタルなお金として世界に広く普及しているのです。
また、ビットコインはすでに述べた通り、特定の運営者が存在しません。特定の企業や団体によって稼働しているわけでなく、あらかじめ決められたプログラム(ルール)に従って動き、そして誰でも参加できる取引確認作業によって動いています。
そのため、日本が発行している「円」や、アメリカが発行している「ドル」などと異なり、特定の国の影響を受けないお金(資産)として保有したい、という人が増えています。日本ではあまり考えられないかもしれませんが、情勢が不安定な国の通貨は国民が信頼していないことも多く(事実、お金が紙くず同然になってしまう事態が起こっている国もあります)、そのような国に住む人たちからはビットコインが「安全資産」として考えられることもあるのです。
イーサリアムとは
イーサリアムは、ビットコインが生み出した「ブロックチェーン」という技術を基盤にして、2013年、ヴィタリック・ブテリン氏(Vitalik Buterin)というカナダ人プログラマーによって考えられた「色々なサービスを作成・開発できるプラットホーム」です。
日本人の多くが持っている「イーサリアム=仮想通貨・暗号資産」というイメージは正しくありません。「イーサリアム」は仮想通貨という機能だけではなく、サービスを作成・開発するプラットホームです。
イーサリアムというプラットホーム内で使える通貨「イーサ(ether、ETH)」が仮想通貨です。
わかりやすく例えるのであれば、イーサリアムは「日本」、イーサが「日本円」のようなイメージです。日本という国(プラットホーム)で様々なサービス(会社)があるように、イーサリアムというプラットホームで様々なサービスを開発することができます。
つまりイーサリアムとは?という答えは「イーサリアムは、ブロックチェーンを利用したプラットホーム。イーサが、仮想通貨。」となります。
イーサリアムというプラットホームでは、どのような機能を作成できるのでしょうか?イーサリアムでは例えば、以下のようなサービスを作成・開発することができます。
・独自トークン発行 例)自分の仮想通貨を作って配る
・証明書の発行 例)自分の権利を他人に証明する
・金融市場の形成 例)誰かにイーサを貸して、利息を受け取る
・予測市場の形成 例)賭けをして、負けたら相手にイーサを支払う
などです。これらのようなサービス(「Dapps」と呼ばれます)を、イーサリアムというプラットホーム内で誰でも作成できます。
※上記サービス(Dapps)については、イーサリアムで作成・開発できるDapps(分散型アプリ)とは?実例も合わせて紹介で詳しく解説をしています。興味のある方はご覧ください。
しかし、上に挙げたイーサリアムのサービス、ネット社会の今ではどれも既にありそうな事ばかり。というか、イーサリアム上で作成する意味が正直あまり分かりませんよね?だって、そんなサービス(アプリなど)を作って公開できる場所がアプリストアで、既に世界的に普及しているのですから。
確かに、どれも既に実在しそうなサービスです。しかし、イーサリアムには、他にはない革新的な特徴があります。それは、イーサリアムは特定の運営者が稼働させているわけでもなく、さらにイーサリアム上で作られたサービスも特定の運営者なしで稼働することができるというところにあります。
今、世の中に普及しているアプリとアプリストア。例えばアップルのアプリストアはアップルという会社が運営しています。そのアップルの許可が無ければ、アプリを公開することはできません。また、その作成されたアプリは、その作成した人(もしくはその権利を持つ人)が稼働をずっとチェックしていなければなりません。アプリ自体にも、アプリストアにも特定の運営者がいます。
それに対し、イーサリアムは特定の運営者がいないのに稼働し続けることができ、さらにイーサリアムプラットホームで作られたサービスも特定の運営者がいないのに稼働します。それによって、誰でもサービスを作成・開発できたり、運営者がいないため余計な仲介料が取られたりしない、というメリットが生まれます。
このような特徴を持ったサービス開発プラットホームがイーサリアムなのです。
〜イーサリアムについてもっと詳しく知りたい方はこちら〜
イーサリアム(Ethereum)とは?初心者にわかりやすく、歴史・今後・仕組みを解説した入門ページ
ビットコインとイーサリアムの違いは?
ビットコインとイーサリアムの大きな違いは、その目的にあります。ビットコインが特定の管理者がいない決済システムを構築しようと設計されたのに対し、イーサリアムは世界中の誰もが使えるサービス(アプリケーション)構築プラットホームを目指して設計されました。
つまりどちらもブロックチェーン技術を用いて作成されており、仮想通貨としての機能を持っていますが、ビットコインは決済システム、イーサリアムはアプリケーション構築プラットホーム、という違いがあるのです。
雑に例えるならば、クレジットカードとスマホくらい違います。決済に特化したクレジットカードは、広く世の中に普及し、カード一枚であらゆる支払いが可能です。それに対し、スマホは多くのアプリを内包することができ、色々な用途があります。スマホの中に決済アプリを入れることもできますが、決済が主なスマホの使い方ではありません。どちらが優れいているか、ということではなく、そもそもの目的が違うものなのです。
ビットコインとイーサリアムは、大まかに言えばこのような違いがあります。まずはここまで知っていれば、今後ビットコインやイーサリアムのニュースを見たときには混乱してしまうこともなくなるでしょう。
さて、ここまでは全体像としての違いを説明しました。ここからは一歩踏み込んで、それぞれの具体的な仕様の違いを解説していきます。
イーサリアムとビットコインの違い早見表
イーサリアムとビットコインの違いを表にまとめました。
ビットコイン | イーサリアム | |
---|---|---|
決済 | 主な用途 | アプリ構築プラットホーム |
BTC | 通貨単位 | ETH |
不明(サトシナカモト) | 考案者 | ヴィタリック・ブテリン氏 |
2009年 | 開始年月 | 2015年 |
約10分 | ブロック作成時間 | 約12秒 |
2100万BTC | 通貨発行上限 | 未定 |
以下では、これらについて詳しく解説していきます。
違い1 通貨単位
通貨単位はビットコインは「BTC」、イーサリアムは「ETH」と表されます。
ビットコインは基本単位が1BTC(ビットコイン)と表され、最小単位は1satoshiと言います。1satoshiは0.00000001BTCです。
一方のイーサリアムは基本単位が1ETH(イーサ)と表され、最小単位は1wei(ウェイ)と言います。1weiは0.0000000000000000001ETHです。
〜イーサリアムの通貨単位について詳しくはこちら〜
違い2 考案者
ビットコインの考案者は「サトシ ナカモト(satoshi nakamoto)」という匿名の人物(もしくは組織)で、未だにその正体は分かっておりません。日本人名のようですが、日本人とする根拠はないため、日本に由来する人物なのかどうかすら定かではありません。ビットコインが作られる元となった論文で、イギリス英語が使用されていることから、イギリスに由来した人物なのではないかと推測されています。
一方、イーサリアムの考案者はヴィタリック・ブリテン(Vitalik Buterin)氏で、現在もイーサリアムの開発に関わっています。ヴィタリック氏はロシア系カナダ人。イーサリアムの開発者会議などにも積極的に参加しており、Youtubeなどの動画でも話をしている姿を見ることができます。ヴィタリック氏は19歳のときにイーサリアムを考案しました。世界でも最も注目されるエンジニアの一人と言えるでしょう。
〜サトシナカモトについて詳しくはこちらから〜
違い3 開始年月
「ホワイトペーパー」と呼ばれるビットコインの設計書が作られたのが2008年のこと。そして、ビットコインが実際に稼働したのは2009年です。
対して、イーサリアムは2013年にホワイトペーパーが発表されました。稼働開始は2015年です。イーサリアムは2014年にイーサをプレセール(事前販売)し、開発資金を集めました。その際、イーサの購入に使われたのがビットコインです。プレセールの参加者は、ビットコインをイーサと交換し、イーサを手に入れました。ビットコインが、イーサリアムをはじめとする多くの仮想通貨に影響を与えていることがわかります。
違い4 ブロック作成・作成時間
ビットコインとイーサリアムは、どちらも「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を基盤にして作成されています。
ブロックチェーンとは、いわばルーズリーフをファイルで綴じたようなもの。記録をルーズリーフ1枚1枚に記載していき、ファイルに閉じていく=記録をブロックに記載していき、チェーン状につなげていく、という形で記録を残していきます。ビットコインとイーサリアムは、ブロックに記録を残し、それをチェーン状につなげていくことで、膨大なデータを蓄積・管理していきます。
例えば「ビットコインがAさんからBさんへ送られた」や「イーサがCさんからDさんへ送られた」などのデータがブロックへ記録されていきます。
そのブロックの作成時間は、ビットコインが約10分に対しイーサリアムは約15秒となっています。ブロック作成時間は、取引やシステムの処理スピードと同様の意味を持つので、イーサリアムの方が早い処理が可能となっています。
ビットコインはとイーサリアムはさらに取引処理をあげるための技術開発が行われているので、今後はさらにスピードのある処理が可能になるでしょう。
〜イーサリアムの今後について詳しくはこちら〜
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イーサリアムはビットコインを超える?
現在、最も有名で、最も時価総額の高い仮想通貨はビットコインです。しかし「イーサリアムが今後ビットコインを超える時価総額になる」と言う人もいます。
イーサリアムがビットコインを超える存在になるかどうか。その可能性はおおいにあると言えるでしょう。ビットコインはあくまでも決済システムなので、その決済システムとしての機能を持ちながら他のアプリケーションも開発できるイーサリアムは、非常に強力な存在です。イーサの価格や時価総額も、イーサリアムが多くの人に使われれば使われるほど高くなっていく可能性があり、イーサリアムの時価総額がビットコインを超える日が来るかもしれません。
ただ、ビットコインは発行枚数が2100万枚と明確に定められています。「デジタルゴールド」とも呼ばれ、安全資産という側面を持っています。どの国が潰れてもなくならないという、ゴールドのような性質がすでに世界的に認められ始めているのです。
一方のイーサリアムは、まだ発行枚数の上限が決まってないことや、最終的に目指しているのは決済システムではなく、アプリケーション構築が世界中どこからでもできる「ワールドコンピューター」としての地位です。そのため発行枚数など、イーサが今後どのような展開を見せていくのか未知数な部分があります。また、イーサリアムが実際に今後広く普及していくかは開発にかかっており、イーサリアム以外のアプリケーション構築プラットホームも多く開発されていることなどから、イーサリアムがビットコインを超えるのは「開発が上手くいき、世界中にイーサリアムが普及した時」と、条件つきであると言えるでしょう。
まとめ
以上がビットコインとイーサリアムの違いの解説です。仮想通貨の理解は初心者の方にはやや分かりにくいものですので、まず概要を掴むように心がけていただければと思います。
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