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イーサリアムはDapps(分散型アプリ)を開発することができるプラットホームです。
ただ、Dappsと言われてもどのようなものが実際に開発することができるのか、よく分からない方も多いことでしょう。ここでは、イーサリアムでどのようなDappsが作成・開発することができるのか、初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
そもそもDapps(分散型アプリ)とは?
DappsとはDecentralized Applicationsの略で、日本語では分散型アプリなどと訳されます。
分散型アプリ、と聞くと少しわかりづらいですが、とても簡単に言ってしまえば、「特定の運営者がいなくても稼働し続けるアプリ」です。
私たちが使うアプリ(例えばスマホにダウンロードして使っているアプリ)は、特定の運営者がいます。例えば企業などがアプリを開発し、それをアプリストアで配信し、バグが見つかれば一度アプリを止めて修正、などを行いながら稼働させます。
しかし、Dappsではそのような特定の運営者がいなくても、アプリが作られると常に稼働し続けます。また、どのような仕組みになっているのかを他の人が見たり、それらが動いている様子(誰かが使った履歴など)を確認することができます。
Dappsはこのような特徴を持っていて、今までのアプリでできなかったことが実現できる、と期待されているのです。
今までのアプリ | Dapps(分散型アプリ) | |
---|---|---|
特定の運営者(企業など) | 運営 | 特定の運営者なし |
運営者が修正するなどの間 | ダウンタイム (稼働していない時間) |
なし |
ほとんどのアプリができない | ソースコード (仕組み) |
見ることができる |
運営者のみ確認可 | 稼働状況 | 誰でも確認可 |
Dappsが作成・開発されているのは現状、イーサリアムがほとんどです。イーサリアムはDappsを開発するプラットホームとしての地位を確立しており、開発者はイーサリアム上で様々なDappsを開発しているのです。
イーサリアムで作成・開発できるDapps
イーサリアムでは以下のようなDappsを作成・開発することができます。
これらの中には、まだ実際にユーザーが満足して使えるDappsが無い場合もありますが、多くがすでに開発されています。興味のある方は実例も合わせて紹介しますので、実際にDappsに触れてみて、新たな体験をしてみてもらえればと思います。
(海外で作成されているため、英語版になります。また、実際に動かすには資金を使う必要があるものもありますのでご注意ください)
1 分散型金融市場(DeFi)のDapps
イーサリアム上では、分散型(特定の運営者なしで稼働し続ける)金融アプリを作成・開発する事ができます。これはすでに2020年からブームとなっており、DeFi(ディファイ:分散型金融)と呼ばれています。
DeFiとは分散型金融、つまり「特定の運営者なしで稼働し続ける金融システム(金融市場)」です。「特定の運営者なしで稼働し続ける仮想通貨取引所」「特定の運営者なしで稼働し続ける質屋」など、分散型金融システムのDappsの総称です。
例えば、今までは仮想通貨取引所を運営するのは、どこかの企業でした。取引所を運営する企業が、みんなが安心安全に取引できる環境を整え、取引のシステムを作成し、不正が起こらないように監視して…と取引所を稼働させます。しかし、DeFiの「特定の運営者がいないのに稼働する取引所」のDappsでは運営者がいなくとも、みんなが安心安全に、不正が起こらないで取引ができる、という環境が実現します。
そのような取引所をDEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)と呼びます。
まだDEXが誕生して、多くの人が利用するようになって間もないので、利用者はDappsのバグなどの可能性も考慮して利用しなければならないのが現状です。しかし、今のところ問題なく稼働しており、「問題ないかも…」という認識が広がりつつあります。
また、DEXでは流動性の提供、簡単に言えばDEXに仮想通貨を預けることで利息を得ることもできます。その点もDEXやDeFiが人気になっている理由の一つです。
<イーサリアム上のDeFiのDapps例>
Uniswap(分散型取引所)
Compaund(レンディングプラットホーム)
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2 名前を登録するDapps
イーサリアムではDappsで名前を登録することができます。
例えばインターネットのサイトではドメイン名、当サイトであれば「tottemoyasashiibitcoin.net」というドメイン名が付与されています。それと同じように、イーサリアム上で使用するアドレスに「tottemoyasashiibitcoin.eth」という名前をつけて、識別しやすくすることができます。
イーサリアム上のサービスを多くの人が使う時には、このようにわかりやすい名前をつけるとサービスを識別しやすくなることから、今後イーサリアムで使われるアドレスもわかりやすいものになる可能性があります。
<イーサリアム上の名前登録Dappsの例>
ENS(イーサリアム・ネーム・サーバ)
3 ストレージ管理Dapps
イーサリアムでは、ストレージ管理機能を持ったDappsも作成することができます。Dropboxなどのストレージ管理を、特定の運営者なしに稼働させます。
今までのストレージ管理サービスはサーバーに管理してもらうものでしたが、Dappsのストレージ管理は特定の運営者によるサーバー管理ではなく、分散された端末によって管理します。そのため、例えば特定のストレージ管理企業がサービスを終了することで、保存したファイルが無くなってしまう、といったことは起こらず、安心安全にファイル管理ができるのでは、と期待されています。
<イーサリアム上のストレージ管理Dappsの例>
Storj(ストージ)
4 ギャンブルと予測市場のDapps
イーサリアム上では予測市場のDappsを作成・開発することができます。
今までの予測市場(例えばギャンブル)では、「胴元」と呼ばれる特定の運営者が必要不可欠でした。例えば、競馬ではJRAなどが取り仕切り、競馬場を作成したり、観客に周知したり、掛け金を管理することで市場が成り立っています。
しかし、Dappsを用いればそのような特定の運営者が必要なく(またはほぼ必要なく)予測市場を作ることができます。
例えば明日の天気をAさんとBさんで賭けるとします。Aさんは25℃未満、Bさんは25℃以上を予測し、1ETHをベットしました。Dapps内に二人とも1ETHをロックし、次の日を待ちます。「”◯℃”のときAorBは1ETHを支払う」という条件をDappsであらかじめ作成しておけば、あとは気温を確かめて、そのDappsへ入力するだけで支払いが行われます。
このように「Aの時B」という条件をつけたり、「◯ETHをロックしておく」などが特定の運営者なしで行うことができるため、Dappsでは予測市場(ギャンブル)をほぼ胴元を必要とせず行うことができるのです。
<イーサリアム上の予測市場Dappsの例>
Augur(オーガー)
5 ゲーム
イーサリアム上のDappsでは、ゲームも作ることができます。これまた特定の運営者なしで動きます。Dappsのゲームでは、そのゲーム内で使われるアイテムやキャラクターを売買することができます。
ゲーム内の仮想通貨を作り、その仮想通貨を販売。ユーザーはその仮想通貨を購入し、その仮想通貨でゲーム内アイテムを購入してゲームを進めます。ゲームを進めていくと、キャラクターがとても強くなります。その強くなったキャラクターを他のユーザーへ売ります。買ってくれたユーザーから代金をゲーム内仮想通貨で受け取り、その仮想通貨を売却。
そんなゲームを作ることができるのです。しかもそのゲームは特定の運営者がおらず、サーバーメンテナンスの時間でゲームができない、なんてこともありません。
<イーサリアム上のゲームDappsの例>
Axie Infinity
イーサリアムでは仮想通貨も発行できる
トークン(サブ通貨)の作成
イーサリアムでは「トークン」「サブ通貨」と呼ばれる仮想通貨を発行する事ができます。この「トークン」「サブ通貨」とは、例えばその地域でしか使えない仮想通貨であったり、ドルや日本円とレートが固定された仮想通貨などです。
ちなみに、このトークン作成、というのは厳密に言えばDappsというよりはイーサリアム自体の機能になりますが、イーサリアムでできることの一つとして記載しました。トークンやサブ通貨はDapps内で利用されることが多く、Dappsをとても使いやすくしています。
2017年〜2018年に流行したICOという資金調達はイーサリアム上でトークンを発行し、そのトークンを投資家に売る、という資金調達方法が多く取られました。
また、ドルとレートが固定されたトークンが存在し、そのトークンで仮想通貨を購入することができます。
MakerDAOというプロジェクトは、ドルとレートを固定したトークン「Dai」を発行しています。
MakerDAO | An Unbiased Global Financial System
まとめ
以上がイーサリアムで作成・開発できるDappsです。
まだまだ発展途中のDappsが多いですが、ここ最近DeFiを始めとして、非常に多くのユーザーを集めるDappsが誕生しています。イーサリアム自体がまだ開発途中なので、今後どのように進化していくかはわかりませんが、イーサリアムの開発が進み、多くのDappsが作られていけば、バーチャルの世界はまた一段と変化を遂げることは間違いないでしょう。
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