オフチェーン・セカンドレイヤー技術でビットコイン・仮想通貨は通貨として機能するか?

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ビットコインやイーサリアムではブロックチェーンで全てのデータをやり取りしていくのではなく「オフチェーン」「セカンドレイヤー」と呼ばれるブロックチェーンの外でデータをやり取りしていく事で処理能力を向上させようとする試みが行われています。オフチェーン技術が実際にユーザーも利用できるようになるとどのようにビットコイン・仮想通貨が変わっていくのかを初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。

 

 

 

オフチェーン技術とは

オフチェーンとは直訳すれば「ブロックチェーン(chain)の外(off)」で、仮想通貨の台帳であるブロックチェーンの外でデータをやり取りする技術の事を指します。

 

仮想通貨はブロックチェーンにデータが記載される事で存在証明や送金が完了します。簡単に言えばビットコインをAさんが保有しているという証明はブロックチェーン上に「Aさん1BTC(ビットコインの単位)所有」と記載されているからAさんは1BTC保有しているとされます。その為本来であればブロックチェーンに関係の無いところに「Aさんが1BTCをBさんに送った」というデータがあってもそれは何の証明にもなりません。

 

しかし、オフチェーンではその証明や送金をブロックチェーンの外でも行おうとする技術でブロックチェーンとオフチェーン技術を繋げる事でこれを可能にします。

 

<オフチェーン技術概念図>

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オフチェーン技術を導入する事で容量の決まっているブロックチェーンにおいてやり取りが増えすぎて容量オーバーでパンクしてしまう問題(スケーリング問題と呼びます)を解決する動きが見られています。

仮想通貨は基本的にブロックチェーンで取引や証明が行われているのでどのような仮想通貨でも大なり小なりスケーリング問題は存在します。ビットコインだけに限らず、多くの仮想通貨で開発が望まれる技術と言えるでしょう。仕組みなどの解説はこちらオフチェーンとは <初心者向け> ブロックチェーンの次なる技術をご参照ください。

 

オフチェーン技術でどう変わるか

仮想通貨を代表するビットコインもスケーリング問題を抱えています。ビットコインではブロックチェーンのブロックサイズを拡大してスケーリング問題を解決しようとする試みがあり、その一つの勢力がビットコインキャッシュという新通貨を2017年8月に誕生させ現在もビットコインキャッシュは継続してブロック拡大によるスケーリング問題解決を目指しています。

 

ビットコインはブロックサイズを大きくするのではなくまずオフチェーン技術を導入してスケーリング問題を解決しようとしています。そのビットコイン、オフチェーン技術の代表格と言えるのが「ライトニングネットワーク」と呼ばれる技術です。ライトニングネットワークではビットコインのブロックチェーンに繋がれたライトニングネットワークを張り巡らす事でライトニングネットワーク上で即時・安価な手数料でのビットコイン決済を可能にする事を目指しています。(ライトニングネットワークについてはこちらライトニングネットワーク(Lightning Network)とは? <初心者向け>

 

ライトニングネットワークは既に開発がかなり進められており2018年3月時点ではビットコインのメインネットでも利用できるようになっているので今後ユーザーが実際にライトニングネットワークでビットコイン決済をする事が可能になるのは目に見えてきています。

 

このライトニングネットワークでビットコインが便利になり、更に取引処理能力の限界であるスケーリング問題を解決する事ができればビットコインがより使い道のある決済ツールになる可能性がありますがどこまで普及していくかは分かりません。

ビットコインが現在通貨として、決済システムとして多くの人に利用されるシステムになっていない原因は決済のスピード・手数料の価格・ブロックチェーンサイズの問題もありますがそれだけではないからです。

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確かにオフチェーン技術によってこれらの問題が解決すれば今までよりは利用される可能性が見えてきますがビットコインや仮想通貨がなかなか普及しない背景には国の政策などの外的要因がかなり多く含まれています。例えばビットコインの決済によって利益がかかった場合に税金が発生してしまう事、仮想通貨での納税も認められていない事、法定通貨建てで見ると仮想通貨の価格変動率がかなり高い事などからビットコインや仮想通貨の決済がいくらスピードが上昇しても通貨・決済システムとして利用する人が爆発的に増える可能性はそう高くありません。

 

例えば遠くの人へ送金したい時に、スピードがあり・手数料が安く・法定通貨との価格が不安定なビットコインを利用するよりもブロックチェーン技術を用いた価格が安定している法定通貨の送金サービスを利用したくなる人の方が多いのではないかと考えます。

 

つまりオフチェーン技術が発達してもまだまだそれだけではビットコイン・仮想通貨を機能として利用する動きには繋がっていかないと考えます。

オフチェーンは今の仮想通貨の機能を強化する事に繋がっていますが法定通貨よりも通貨として利用しやすくするには価格の安定、決済サービスの中で生き残っていくには仮想通貨の(法定通貨ではない)経済圏(つまりトークンエコノミー)の発達が必要であると考えます。

 

仮想通貨と決済

今述べてきたのは通貨としての機能で考えた場合です。イーサリアムのようなアプリケーション構築機能を考えれたら話は変わります。オフチェーンでもデータのやり取りが行われるのはプラットホーム通貨であるイーサリアムには必要不可欠で、さらにアプリケーション開発を促進させる可能性があります。

つまり決済としての仮想通貨の機能はオフチェーン技術などの技術的側面と社会システム的側面の両者を解決しなければ普及・機能しないのと対照的にアプリケーションプラットホームの仮想通貨では技術的側面が大きく占めているのでオフチェーン技術の発展では仮想通貨の特性ごとに利用促進が変わってくるという事であると考えます。

 

通貨の仮想通貨は社会システムの根幹である金融システムを変革しなければならずかなりの時間がかかるでしょう。それは先に他分野でイーサリアムなどが変革をしてその次にビットコインなどによって行われる可能性もあります。仮想通貨の技術革新は多くの事を示していて、考察する事でどのような社会システムが訪れるのか予測する事ができて楽しいものであると思います。

 

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