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現在、世界はインフレによる物価高騰、そしてそれに対応するための政策金利上昇、さらにそれによる景気後退の懸念で揺れています。一足先に下落している仮想通貨市場は今後、どのような動きを見せていくのでしょうか。
米株との連動が切れたビットコイン
まず、仮想通貨の市場動向をおさらいしておくと、ビットコインは2021年11月に最高値をつけて下落を始めました。
当時、ダウ平均はまだ下落を始めておらず、仮想通貨市場だけが弱気相場をスタートさせました。それまではFBRの金融政策(テーパリングがいつ始まるか)にダウ平均もビットコインも左右されていましたが、2021年11月を境に連動が外れました。
しかし、ダウ平均も金融引き締めが始まると2022年1月をピークに下落。現在は弱気相場に入っていると言って良いでしょう。
インフレ懸念からの景気後退懸念
現在の株式市場は、景気後退を懸念して下落し続けています。FRBの金融引き締めにも関わらず市場が思っているほどインフレは抑制されず、金利は上昇し続けたことで金融緩和の期待は消え、さらに金融引き締めによる景気後退を懸念し始めています。
ビットコインをはじめとした仮想通貨市場は2021年11月から、すでに下落していたため、直近の株式市場下落の影響はあまり受けておらず下落幅は限定的なものとなっています。
イーサリアムのマージにより、イーサリアムが多少は盛り上げた時期もありましたが、現在ではイーサリアムも同様に低迷している状態です。
景気後退はいつからか、そして金融緩和は?
世界の市場には、失望が漂い始めています。仮想通貨はすでに失望が見えていましたが、株式市場にも失望感が広がっており、そろそろ買い時が近づいている可能性が出てきています。
買い時は「FRBが明確に金融緩和を始めた時」と言うことができますが、それがいつになるのかが重要です。
金融緩和を始める時は、景気が後退する時、とも言えます。インフレが抑制されて、景気が後退しないのであれば金融緩和をする必要はありません。インフレ目標は2%なので、インフレ率が2%になるまでは金融緩和をする必要がないからです。つまりインフレ率が高い今、金融緩和は景気後退と同じ時期になる可能性が高いと言えるでしょう。
となると景気後退はいつか、です。アメリカの政策金利が上昇し始めたのが2022年3月で、2022年9月までにすでに3%上昇しています。景気後退は歴史的に見ても金融引き締めに対し遅れてくるため、2022年末から2023年第一四半期〜第二四半期にはやってくる可能性があります。もちろん、過去にFRB議長のポール・ボルカー氏が景気後退が来ていても断固としてインフレ抑制政策を行ったように、景気後退時にもインフレ抑制政策をFRBが優先させる場合もありますが、今の議長が景気後退が来てもどこまでインフレ抑制政策を続けられるかは不透明な部分があります。
2022年11月にはアメリカの中間選挙があります。FRBは政治との独立が謳われていますが、実際問題として景気後退が来ていても断固として金融引き締めを行うことを政治家が許してくれるか、と言えば微妙なところです。
金融緩和が来れば、インフレ抑制ができない政府や通貨大量発行を行なってしまう中央銀行に嫌気した投資家が仮想通貨市場に流れる可能性はあります。また、マージが無事完了したイーサリアムもその次に候補となるパブリックブロックチェーンの仮想通貨でしょう。
結論としては、早ければ年末にかけて仮想通貨は底を見せてくる可能性が考えられます。インフレと金利、そして景気後退との兼ね合いの中で仮想通貨がどの時点で反発してくるのか、注視していきたいと思います。
※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。
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