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歩いて稼げるアプリ「Sweatcoin(スウェットコイン)」が海外大手取引所FTXに上場しました。多くの場所で話題を呼んでいます。
Web3.0のサービスやアプリケーション。今は”Web2.5のサービス”とも言えるものがほとんどです。と言うのも、Web3.0とは本来の定義では分散型のサービスであり、中央管理者がいないアプリケーションを指すためです。
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しかし、今は技術的な問題・法律的な問題があることからも完全に分散型と言えるサービスは存在しません。そのため、ここではWeb2.5であっても、オンチェーン(つまり、ブロックチェーン上のスマートコントラクトなど)を使っているサービスは総じてWeb3.0のサービスとします。
今回はWeb3.0のサービスが一般的に広く使われるようになる時は来るのか。そしてそれが来るとすればいつなのかについて、Sweatcoinの事例を交えて考察していきたいと思います。
Web3.0サービスが使われる時は来る?
Web3.0のサービスは、使われるものがポツポツと出始めています。代表的なものでは、X to Earnと呼ばれるジャンルの「〇〇して稼ぐ」というサービスです。
有名なものでは「STEPN(ステップン)」があります。これは簡単に言えばNFTをあらかじめ購入しておき、徒歩などで移動すると、移動した分のトークン(仮想通貨)がもらえる、と言う仕組みです。
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基本的には、ユーザーが歩いたところで誰にも恩恵はありませんし、何も生産はしていませんので、稼ぐことができる訳はあり得ません。しかし、STEPNでは一時は一日何万円も稼ぐことができるようになりました。STEPNの新規参入者がNFTを購入すること、そしてSTEPNで稼ぐことができるトークン価格の高騰で投機的な資金が流入したためです。今ではSTEPNも稼ぐことができる金額は落ち着いてきています。
基本的には、今のWeb3.0のサービスは「楽して稼げる」と言うメリットがあるものばかりです。ブラウザを使っているだけで稼げる「Brave(ブレイブ)ブラウザ」など、使うメリットは基本的に「楽して稼げる」です。
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しかし、もちろん「楽して稼ぐ」には裏があります。生産をしていない場合には、新規参入者が増えなくなれば資金の流入はどこかで途絶え、サービスを継続することは難しくなります。
Web2.0のサービスでは広告モデルが使われているため、広告主がユーザーに無料で使える資金を提供している、という仕組みになっていましたが、Web3.0ではあまりそのようなモデルは採用されておらず、新規参入者の資金と投機資金の流入によって成立させるモデルが主流となっています。
しかし、そのようなモデルの継続は難しく、一般に浸透するほどのサービスになっているものはまだありません。
広告との合わせ技でユーザーを呼び込む
そこで、今少し注目を集めているのが、FTXに上場したことでも話題となっているSweatcoin(スウェットコイン)です。Sweatcoinも移動してトークンを稼ぐ、というサービスですが、中身は少しSTEPNとは異なります。最も大きな違いは、無料で始められるという点です。
Sweatcoinでは、広告を閲覧することでもトークンを稼ぐことができます。つまりWeb2.0とWeb3.0の良いとこどりをしようとしているサービスです。このようなサービスの方が確かに広く普及する可能性は高く感じられます。
先に述べたBraveブラウザもこちらの部類に入ります。(Braveブラウザは、ipfsファイルに対応していくと発表しており、新境地への開拓が進んでいるため、必ずしも今回の文脈で使うのが正しいわけではありません)
始めるために無料ということ、広告モデル採用で広告主からの資金を得ることができること、トークンの投機資金流入による資金調達も見込めること、という要素があるため、これまでのWeb3.0サービスよりも長く続き、一般層にまで広がっていく可能性はあるのではないかと考える事ができます。
しかし、やはりこれも一過性のものになる可能性があるでしょう。というのも、ブロックチェーンに記載するスマートコントラクトは、一定のガス代を支払わなければなりません。もちろん、それ以外にも一定の運営費がかかります。そうなれば、それを超える資金をユーザーもしくは広告主から受け取る必要があるのです。
Sweatcoinでは、NHS(英国国民健康保険)と協力してデータを収集しているのでそちらからの収益も見込めるかもしれません。しかし、そのようにして収益化するのであればWeb2.0とビジネスモデルは大差が無くなります。実態はブロックチェーン上に、トークンのデータが記載されているだけのWeb2.0サービスとなります。
実態はどのようなものでも問題ない?
ここまで来れば、最初の問いである「Web3.0サービスが使われる時は来る?」の答えがぼんやりと見えて来ます。「Web3.0サービスが使われる時は来る?」の問いは、「Web3.0サービス」の定義が一番の問題です。実は完全な「Web3.0サービス」である必要は無いのです。つまり、全てが分散型でなくても良い。広告モデルが採用されていてもいいし、収益モデルはどのようなものであっても良いのです。
ユーザーにとって一番大切なのは、楽して稼げること、楽しめること、そしてサービスが長く続いてくれることです。分散性は二の次です。
もはやWeb3.0とは言われないサービスかもしれませんが、Web3.0という言葉が一人歩きをしている今は、「多少の分散性と収益モデルを組み合わせたサービス」が短期的には成功を収める可能性が高いと考えます。それが現状では「楽して稼げること、楽しめること、そしてサービスが長く続いてくれること」を最も叶えやすいからです。
収益モデルとしては持続性があるが、従来ほど中央管理されていないサービス。それが次に求められるブロックチェーンのアプリケーションであると言えるでしょう。
しかし、流れとしてはそれすらも短期的に廃れていく可能性があると私は見ています。どちらも掛け合わせる場合、それはもはやWeb2.0+ブロックチェーンです。つまりWeb2.0の強大な既存企業には、新興企業はなかなか敵わないことを意味します。
すると、やはりWeb2.0を倒すほどの分散性が求められていくでしょう。つまり、真のWeb3.0サービスの要望が高まると考えます。しかし、真のWeb3.0サービスは実利用に耐えられる技術をまだ持っていません。それらはスケーリングの問題、分散型クラウドが未開発の問題、スマートフォンなど端末の問題、個人情報管理の問題など、未解決の問題が山積みとなっています。
技術が発展していった先にあるのは、規制との戦いです。それらを乗り越えた後に待つのが、真のWeb3.0サービスの隆盛では無いでしょうか。
まだまだ先が長いWeb3.0サービスの道のり。逆に言えば、まだはじまったばかりと言えるでしょう。
TOP画像:https://sweatco.in/
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