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2022年に破綻した、大手仮想通貨(暗号資産)取引所FTXの日本法人子会社FTX Japanの出金が2月21日正午より開始される予定です。これで日本でのFTX騒動はひとまず概ね終了となります。今回示された日本の仮想通貨交換業者の対応について、そして、仮想通貨の保管はいかに行うべきかについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
FTX Japanの出金までの対応
FTXの破綻が発表されたのは2022年11月11日のことでした。FTXが発行する独自トークンFTTが暴落したことなどをきっかけに、経営難に陥り破綻。その後も、創設者のサム・バンクマン・フリード氏が逮捕されるなど、騒動は続いています。
FTXの日本法人子会社であるFTX Japan(以下、FTX JP)も、破綻をきっかけに顧客預かり資産の出金をストップ。資産は保全されており、さらにコールドウォレット(オフライン管理のウォレット)で仮想通貨を保管してあると発表されてはいたものの、引き出すことができるのはいつなのか、顧客からは「不安」という声が多く上がっていました。
そんな中、FTX JPは顧客資産を出金する計画を発表。その後順調に進められ、昨日2月20日に、正式に出金再開が発表されました。
無事に2月21日に出金が再開されれば、出金停止から再開まで3ヶ月以内で体制が整ったこととなります。いまだにFTX本体の裁判が終わっていないことを考えると、非常に素早い対応で、素晴らしい対応だと言えるでしょう。
今回のFTX JPの対応の背景には、金融庁の指導も大きく関わっています。仮想通貨の交換業(取引所)を営む場合は、登録を行わなければなりません。そして、規制を遵守することが求められます。その規制の中には、顧客からの預かり資産を分別管理することや、保全することなどがあります。
今回、FTX JPはしっかりと規制を守って運営されていたこと、そして破綻が起きる前の11月10日に金融庁がFTX JPに対し行政処分を下し、出金停止などの命令を行うことで顧客資産流出が防がれたことは、「それらのおかげで日本国民の資産を守ることができた」と言えるでしょう。
日本の規制の是非
今回の一件で、今まで批判されてきた日本の規制に対する声が少し変わる可能性があります。日本は世界的に見て、仮想通貨やWeb3.0に対しては厳しい規制をかけています。
そのため、それらに関わる事業者や投資家やユーザーからは日本の規制のあり方が問われてきました。実際問題として、規制が厳しいためやりたい事業ができないことや、海外の流れに乗ることができないといったことは頻繁に起きていたと考えられます。
しかし、一方で今回の事例では日本の規制が資産を守ったとも言うことができます。海外のFTXユーザーは資産が返還されていないことがほとんどなので、日本の資産保全の仕組み、そして早急な対応は、日本の規制の良い面を確実に浮き彫りにしたと言えるでしょう。
もちろん、悪い面を見過ごすことはしてはならないと考えていますが、日本人は基本的に金融に関してはリテラシーが低いとされています。さらに仮想通貨ともなれば、自身で管理することができるほどの知識を持ち合わせている人は少数です。
それが良いこと、とは言えませんが、そのような人にとっては日本の規制はありがたく、資産を実際に守ってくれる砦として優れているとは言えそうです。
仮想通貨はカストディ?ノンカストディ?
仮想通貨はコールドウォレットで自己管理すべき、との声が業界では大勢を占めています。ただ、自己紛失リスクはありますし、何かあった場合にノンカストディ、つまり自己管理では補償はありません。
一方で取引所などの運営主体があり、その主体が国の法律などに則り資産保全をしている場合には、何かあった際も頼るところはあります。
どちらも、メリットとデメリットはあると言えるでしょう。特に日本のようなリスクをあまり好まない国民性、国の方針がある地域に住む場合には、それによって資産が守られることはあります。
そのため、無理をして自己管理をするべきとは言い切れません。日本の規制下であっても資産がなくなってしまうことはありますが、知識がまだ少ない方はどの程度自己管理をするかは考えていった方がいいでしょう。
仮想通貨は他の資産に比べて、誰のことも頼らずに管理することができる資産です。せっかくそのような資産を保有しているのであれば、知識をつけながら、自分がどの程度自己管理ができるのか、そしてなるべく自己管理をするようにしながら、バランスをとっていくと良いのかもしれません。
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