本ページはプロモーションが含まれています
香港の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)に対し金融庁が無登録営業をしているとして警告を出す方針があると日経新聞が伝えました。今後海外取引所は日本に向けたサービスは日本の仮想通貨交換事業者登録を行わなければならなくなるのか、今回の件について初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
※追記
3月23日に金融庁からバイナンスに対し警告が発表され、バイナンスは「解決策を探す」と発表しています。(参考:https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/Binance_keikokushilyo.pdf)
バイナンスに警告か
日本経済新聞は2018年3月23日に香港の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)に対し金融庁が無登録営業をしているとして警告を出す方針があると報道しました。これについてバイナンスCEOは全くの事実無根であると否定はしているものの、既に金融庁はマカオの取引所に対して警告を出した過去があり海外取引所の営業を巡って金融庁の動向が注目されています。(参照:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28441290S8A320C1MM8000/)
日本では2017年9月より仮想通貨取引所などの仮想通貨と法定通貨(日本円など)を交換するサービス、また仮想通貨同士を交換するサービスを営業する場合は「仮想通貨交換事業者登録」という金融庁の定める登録を行わなくてはなりません。
仮想通貨交換事業者登録には資本金の額や運営体制・セキュリティ体制が要件に当てはまっているか、また取り扱う仮想通貨が投資家保護の観点から適切なものであるかの審査を通らなければなりません。
現在仮想通貨交換事業者は16社が登録されており、登録仮想通貨は19種類となっています。日本で人気のバイナンスなど海外取引所は取り扱う仮想通貨数が多い事などから日本で仮想通貨交換事業者登録を受けるのは容易ではなく警告があってからすぐに登録できるとは考えにくいのが現状です。
また、日本では仮想通貨交換事業者に登録されてはいないものの事業を継続してもよいという準登録のような「みなし業者」と呼ばれる制度がありましたがそのみなし業者であったcoincheck(コインチェック)が仮想通貨NEM流出事件を起こしてしまった事もあり制度の見直しが議論されたり、監視が強まっている事もありさらに海外事業者の登録は難しいものとなっているのが現状です。
スポンサー
海外取引所は利用不可になるか
現状では警告が出されても出されていなくても日本から取引所のサービスを利用する事は可能です。ただし「営業をやめなければ、警察当局などと連携して刑事告発する」とも報道されているので海外取引所が日本からのアクセスを制限する等の自主規制を行う可能性があり、そうなれば日本からは取引所を利用する事ができなくなります。
現在海外取引所を利用している方はアナウンスを注視する事や日本のユーザーがその取引所でしか売却できないマイナー仮想通貨を売り始める可能性もあるので注意するのが良いでしょう。
また警告が出されていない海外取引所でも何か問題が発生した時には先のcoincheck事件の時のように補償が期待できないなどの事があるので初心者の方はなるべく海外取引所は利用しない方がいいと言えるでしょう。
業界の健全化
仮想通貨業界は詐欺・ハッキング・不正取引などが横行しているイメージがあり初心者の方にはあまり参入しづらい状況です。海外取引所でも取引に本人確認が不要の場合があり(日本の取引所では必須)資金洗浄など利用されてしまう事が懸念されています。
先日のG20で仮想通貨の国際的なルールが作成されるという話もありましたが結局具体的なルールは作成されず、現状では国ごとの規制に任されている状況です。海外の仮想通貨サービスは多くありますがその中には不正なものもあり日本からの利用者が被害にあってしまう事でさらに仮想通貨は危険なものとのイメージがつく事になってしまいます。
日本が独自に海外取引所を規制するのは仮想通貨のグローバルな性質を無視するようなものですが、国際的なルールが存在しない以上そのような動きは業界の健全化のためには避けられず、今後基本的に登録されていない海外取引所を利用する事は自己責任又は違法な行為となっていくかもしれません。
関連記事
「仮想通貨交換業者」登録取引所一覧・ホワイトリストとその解説
2018年3月G20での仮想通貨規制無しで仮想通貨の未来を悲観する
スポンサー