本ページはプロモーションが含まれています
DeFi(分散型金融)が流行し、取引高を増やしている中、イーサリアムの手数料高騰などから、イーサリアム以外のプラットホームのDeFi取引高も増えています。
バイナンス・スマート・チェーン(BSC)やSolanaなど、選択肢が増える中でイーサリアムやDeFiが今後どのような展開を見せていくか、例を挙げながら考察していきます
イーサリアムとDeFi
イーサリアムは、色々なアプリ(サービス)をイーサリアム上に作ることができるプラットホームとして存在しています。そして、昨年からDeFiというサービスが流行りだしました。DeFiとは、簡単に言ってしまえば「管理者のいない金融市場」。例えば、仮想通貨をトレードする際に、仮想通貨取引所を介して誰かとトレードするのではなく、イーサリアム上に作られた「取引場」を介してトレードすることができます。
仮想通貨取引所を介さないため、手数料が安いなどの利点があったり、仮想通貨取引所を信頼せずとも(取引所に資金を預けることなく)仮想通貨同士を交換することができます。(このような取引所は「DEX」と呼ばれます)
管理者のいない取引場のようなサービスはDeFiの一例で、いくつものDeFiが日々イーサリアム上で作成されています。
しかし、イーサリアムでは処理できるデータ量(のようなもの)が決まってしまっているため、DeFiに人が集まりすぎるとイーサリアムシステム内が混雑してしまうことや、イーサリアムシステムの手数料が高騰してしまうことが問題となっています。(イーサリアムシステムは混雑してしまうと、手数料を高くしなければ利用することができなくなります)
結果として、「DeFiはやりたい!けど、イーサリアム上のDeFiは使い勝手が…」という人たちがイーサリアム以外のDeFiへ移行する動きが出ています。
以下、イーサリアム以外のDeFiプラットホームを紹介します。
例1 バイナンス・スマート・チェーン
バイナンス・スマート・チェーン(以下、BSC)はその名の通り中国発の世界一の取引高を誇る取引所、Binance(バイナンス)が運営するブロックチェーンです。
BSCでもDeFiは作成されており、その中のDEXもとても取引高が多くなっています。
画像で4位・6位に入っている「BurgerSwap」「PancakeSwap」がBSCのDEXです。(5/17執筆時点)
イーサリアムとBSCの違いは何かと言えば、決定的な違いはバイナンスという企業が運営している点です。バイナンスも、BSCを分散型のプラットホームにすることを目指しているとバイナンスのトップも発言しています。(https://twitter.com/cz_binance/status/1368790628629278720)
ただし、BSCはバイナンスの発行する仮想通貨「バイナンスコイン(BNB)」を保有している人が承認を行っていることなど、バイナンスとは切っても切り離すことができない関係です。イーサリアムと比べて、かなり処理能力が高いことや、既にバイナンスで取引している人が利用しやすいことなどから、人気を集めています。
例2 Solana
Solanaはイーサリアムと同様に、中央管理者がいない仮想通貨プラットホームです。2020年3月に稼働し始めました。
画像で13位の「Raydium」がSolanaのDEXです。(5/17執筆時点)
イーサリアムとの違いは、何と言っても処理能力の高さ。イーサリアムが毎秒15件程度の処理能力に対し、Solanaは毎秒50,000件(https://solana.com/ja)の処理能力があるとされています。
採用する処理システムがイーサリアムとは異なるもの、しかも革新的なものにすることでSolanaはそれを実現しようとしており、多くの人から注目を集めています。
イーサリアムからDeFi主戦場は変わる?
このように、元々イーサリアムから生まれたDeFiサービスが、流行とイーサリアムの問題で他へ流れています。イーサリアムの処理システムによって、DeFiの主戦場は他へ移っていくのでしょうか?
短期的には、イーサリアムから他へ移っていくことは十分あるでしょう。やはりイーサリアムの問題は長年イーサリアムが(ビットコインも)抱えてきた問題で、すぐに解決することはできないでしょう。
ただ、それなら他のプラットホームで今のDeFiブームがずっと続き、さらに今後、他のユースケースとなるサービス(アプリ)が誕生していくか、と言えばそれも可能性としては低いでしょう。
なぜなら、他のプラットホームには他の問題があるからです。簡単に理解できるものだけでも、BSCは管理主体がいること、Solanaは開発が今後順調にいくかどうかわからない、という問題があります。
BSCのような管理主体があるプラットホームは、規制を管理主体へかけることが可能です。バイナンスへ国際的な規制(中国が守ったとしても)が入った場合に、プラットホームとして、今と同じ機能をずっと保つことができるのか?という疑問はずっと残ります。また、BSC上でバイナンスと利益相反するサービスの開発は、おそらくバイナンスがさせることは無いため、自由な開発がBSC上では行われず、開発競争は常に不利な立場に置かれるでしょう。
Solanaのような、イーサリアムの弱点を克服することを目指したプラットホームはたくさん存在します。つまり、非常に難しいのです。ビットコインの弱点を克服し、ビットコインよりも使われている仮想通貨が未だ無いように、イーサリアムの弱点を克服し、イーサリアムよりも開発者を惹きつけるプラットホームはそうそう出てきません。
このように、イーサリアムを含めどのプラットホームもまだ完全にはユーザーへ答えを出せていない、と言えるでしょう。
逆に言えば、DeFiもまだ発展途上でしかないと言えます。ブームはいつか終わります。ただ、ビットコインが誕生した時には空想の世界でしかなかった管理者のいない金融市場が形を見せ始めていることは確かです。DeFiのブームが去った後も、分散型のサービス、金融市場は開発され続けるでしょう。
ユーザーとしてできることは今後の開発を注視し、ブームに踊らされすぎない冷静な目を持ち続けることだと考えます。
スポンサー