重要インフレ指標の上昇でビットコイン大幅下落。インフレ再燃か

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CPI(消費者物価指数)と並んで注目される、アメリカのインフレ指標PCEデフレーターが2月24日に発表されました。5.4%と、市場の予想を上回る結果となり、インフレの再燃懸念が広がっています。

今回のPCEについてと、今後のビットコインの動向について考察していきます。

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PCEは5.4%に

2月24日夜に発表された、アメリカのインフレ指標PCEの結果は5.4%となりました。前回は5.3%、予想は4.9%となっていたため、前回・予想ともに上回る結果となりました。コアPCEも4.7%で、こちらも前回の4.6%、予想の4.3%を上回る結果となっています。

市場はこれに反応し、金利上昇、株式市場下落、ゴールド下落、ビットコイン下落、という結果となっています。

ダウ平均チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=DJ%3ADJI)

PCEはFRBが重要視するインフレ指標でもあるため、PCEが上昇したことで今後の政策金利への影響を市場は大きく受け止めた可能性があります。

今までアメリカ国債の3ヶ月物は2年物よりも金利が上回っていましたが、今回の結果を受けて2年物が3ヶ月物を上回っています。つまり、金利上昇の長期化、そして現在市場が予想している金利よりもさらに高い金利の可能性が出てきた、という受け止め方をしているということです。

BEI:期待インフレ率5年物(https://fred.stlouisfed.org/series/T5YIE#)

さらに、ここのところ期待インフレ率も上昇してきているため、インフレがこのまま加速していく可能性があります。インフレは基本的にインフレを呼んでしまうため、加速度的にインフレが進行していく可能性が高まってきたと言えるでしょう。

 

ビットコイン大幅下落で今後は?

ビットコインも他の市場と同様に下落しました。2023年に入り、底をうったかのように見えていましたが、金利上昇懸念がさらに強まることで、さすがに持ち堪えられなくなっています。

最近のビットコインの値動きはアメリカ株式市場と相関性が低くなっていたものの、今回の金利上昇にはやはり耐えられず、株式市場と同様に価格を下げました。

2月1日の始値付近を現在推移していますが、ここを割ってくると更なる下落がある可能性が出てきます。

ビットコインチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

実際、インフレ率は少し反発をしており、これがどこまで続くのかに注目が集まっています。FRBは金利上昇の姿勢を崩していないものの、インフレ率が下がれば金利上昇の姿勢を緩めると思われます。しかし、インフレ率が下がらない場合には金利は上昇していくため、ビットコインにとっても辛い展開が待っていることでしょう。

今回のPCEの数値はすでに発表されているCPIと同様に、1月分の数値となっています。インフレのピークは2022年6月ごろだったため、6月ごろまではインフレ率が下がっていくと思われた中でのインフレ率低下の鈍化であり、PCEにいたっては上昇となってしまったため、これがどこまで続くかorインフレ再燃となるかを考察することが今後のビットコイン価格を考察する上で重要となります。

筆者は4月ごろにはインフレ率が上昇傾向になっていくと予想していましたが、少し時期にズレがありました。しかし、シナリオとしてはインフレ率が再度上昇していく、というものなので基本方針には変わりはありません。

これまでのインフレ率低下は、エネルギー価格の下落に大きく寄与していました。住宅はほぼ横ばいで、サービスは上昇を続けています。エネルギー価格は金融政策の影響を最も受けやすいため下落しましたが、次に住宅>サービスという順番で金融政策の影響を受けます。そして、その影響が出るのに時間もかかります。

サービスはおそらく金融政策では下落しませんので、現在重要なのは住宅価格です。PCEはCPIに比べて住宅価格の寄与度は少ないので、今回のPCEは参考になるとは言え、前回発表されたCPIの時と状況はそこまで大きく変わらないと考えることができます。

つまり、ここで一時的にインフレ率低下が鈍化しているにしろ、インフレ率低下が終了するにしろ、インフレ再燃はもうすぐそこまで迫ってきているということです。

インフレ再燃が視野に入ってくると金利上昇懸念が高まるため、ビットコイン価格は下がります。そのため、予想の4月よりも早かったですが、1月から始まった上昇トレンドはなかなか厳しい段階に入ったと言えるでしょう。

しかし、インフレ再燃の本当の意味は紙幣価値下落であるため、その後に待っているのはビットコイン価格の上昇と言えます。つまり、月単位のインフレ率の結果には市場が左右されるものの、今年の後半に入る頃には紙幣への不信感がかなり高まっていると予想します。

このシナリオ通りになれば、ビットコインとゴールドは天井を突き抜ける可能性があります。ポイントは「FRBがインフレをコントロールできない」と市場参加者が判断するタイミングです。

1970年代のインフレ時には、上記のように市場が判断し、ゴールドの価格は天井を突き抜けました。そのため、ゴールドは有望ですが、ビットコインの方が決済に向いているため、紙幣の不信感によるプラスがさらに大きくなるのではないかと考えています。

1970年代ゴールドチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AXAUUSD)

ただし、ドル(紙幣)の凋落はアメリカの凋落を意味します。ビットコインはアメリカに依存している部分もあるため、そのあたりの考慮は必要になってくるでしょう。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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