続く金利上昇。インフレ再燃不可避でビットコインにはプラス?

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アメリカの金利が急激に上昇しています。それと共にドル円も円安方向へ再度進み出しています。今回は、アメリカの金利動向と今後のシナリオについて、考察していきます。

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金利上昇と円安

2月から続く金利上昇局面が止まりません。アメリカ国債は2年物が約4.9%、10年物が約4%となっており、一方的な上昇展開を迎えています。

アメリカ国債2年物金利チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=TVC%3AUS02Y)

ドル円はこの流れを受けて約136.5円となっており、こちらも2月からの流れを受け継いでいます。

強い労働市場からのインフレ懸念、そして金利上昇が懸念されており、この流れがどこまで続くのか、市場は警戒感が強まっています。期待インフレ率も5年のものでは直近の底である2.09から2.59へと高まっており、インフレ再燃の機運が高まりつつあることがわかります。

ビットコインはなんとか2023年1月に上昇した後の高値圏を保っているものの、なかなか上に進むきっかけをつかめずに推移しています。

ビットコインチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

この金利上昇は、株価の下落を生む可能性があり、大変危険な状況となっています。

 

金利上昇で企業はダメージを受ける

金利上昇は、景気を冷やす効果があります。2022年は金利が急上昇したために、株価は大きく下落しました。2023年もそれと同様か、それ以上のショックが起きる可能性があります。

そもそも、今の金利上昇の背景には、インフレを抑えるという目的があります。インフレ率2%を目標とするFRBがいて、現在のインフレ率は6%程度。すでに1年利上げをおこなってきましたが労働市場の加熱を抑える事ができていないため、労働市場の加熱がおさまるように金利を上昇させる必要があります。

労働市場を冷やす、ということは経済全体にダメージを与えることとなります。経済にダメージを与えるための金利上昇ということは、株価もそれなりにショックを受けることになるため、それが起きるまで続く可能性がある、ということです。

2022年末から2023年1月ごろに湧き上がったソフトランディング期待ですが、それは今はほぼ市場では考えられなくなっています。経済にダメージ無くしてインフレ率の減速はなく、そしてインフレ率の減速がなければ金利上昇のストップもない、というのが市場の見方だと考えられます。

 

インフレは不可避か

いずれにせよ、インフレの脅威は確実に迫ってきています。2月の経済指標はインフレ再燃を示すものが多かったですが、一進一退の状況は4~6月まで続く可能性があります。というのも、2022年6月まではインフレ率が上昇していたため、前年比で考えるインフレ率は、6月までは下落圧力が残っているからです。

本番は7月からです。2022年7月以降インフレ率は横または下落しているので、2023年7月までに労働市場の加熱がおさまっていなければインフレ再燃はほぼ免れないと言っていいでしょう。

ただし、6月までに労働市場の加熱がおさまっていたとしてもFRBの対応によってはその後の展開はインフレに進む可能性があります。労働市場の加熱が収まる、ということは経済にダメージが少なからず与えられている状況です。となれば株価をはじめとして金融市場はショックを受けている事が想定されるため、金融市場も実体経済もかなり混乱に陥っているはずです。

そうなればFRBはこのまま金融引き締めを続けるのか、金融緩和に転じるかの選択を迫られることになります。

昨年からのFRBのインフレ対策を見ている限りでは、そこまで長く金融引き締めを続けないのではないかとも思われます。すでに「ディスインフレ」という言葉が出てきてしまっていることからも、インフレ退治のために多大なる犠牲が必要だということはあまり頭にないのではないかと思われます。

そのため、労働市場の加熱を抑えることができたとしても、その後早期に金融緩和に転じる可能性は高いと考えるため、そうなればインフレが再燃すると思われます。どちらのシナリオにしても、インフレ再燃はビットコインやゴールドにはプラスです。長期で見ればどちらにしても、インフレヘッジとなる資産は強い、と言えると考えます。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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