SVB破綻と雇用統計の結果でビットコインは今後どう動くか

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ビットコインや仮想通貨だけでなく、多くの市場を動かす出来事が複数起こっており、少し複雑な状況になっています。昨日の夜に発表された雇用統計、そしてアメリカの地銀SVBの破綻でビットコインは今後どのように動いていく可能性があるのか、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

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雇用統計結果

まずは、昨日の雇用統計の結果から分析していきましょう。昨日の雇用統計は、失業率予想3.4%に対し結果3.6%、平均時給は前年比予想4.8%に対し4.6%という結果になりました。予想よりも労働市場の逼迫は加速せず、鈍化したと言えるでしょう。

これは、インフレ加速というよりも加速度が鈍化したと市場はとらえたようで、金利は下落しました。金利下落はビットコインにとってプラスではあるものの、ビットコインは昨日の記事に記載した通り混乱の最中にあるため、プラス要因をそこまで受け取らず、横で推移しました。

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アメリカ国債2年物金利1時間足(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=TVC%3AUS02Y)

2022年からの金利上昇にもかかわらず、労働市場が強い、という流れでしたが、一旦その流れもピーク付近に来ている可能性があります。今回の雇用統計の結果ではまだそれが確実とは言えませんが、別のデータではいくつか労働市場の行く末に不安感が漂っています。

例えば、昨日発表されたアメリカの1-2月の雇用削減は18万人超となっており、2009年以降で最多になったとされています。(参考:https://jp.reuters.com/article/usa-layoffs-idJPKBN2VB1Q9?taid=640a41cd27e6b0000148f3a9&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter)

このように、強い労働市場→インフレ加速懸念→金利上昇懸念、という単純な話は終わりに向かっている可能性があるでしょう。というのも、SVBの破綻などで実体経済に金利上昇の影響が出始めているからです。

 

SVBの破綻

アメリカのシリコンバレー銀行(SVB)が破綻したとの発表がされ、こちらも市場の話題となっています。SVBは昨日から株価が急落しており、取り付け騒ぎが起きていましたが、そこから話は急展開しSVBが破綻するという事態に陥りました。

SVBは、スタートアップ企業が顧客に多くいる銀行で、SVBの財政難が明るみに出たことで株価が急落していました。このSVBの破綻に加え、アメリカでは仮想通貨(暗号資産)業界に顧客が多かったシルバーゲート銀行も先日清算されており、この影響がどこまで波及していくかに注目が集まっています。

これらを受け、金利はさらに下落しました。

アメリカ国債2年物金利1時間足(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=TVC%3AUS02Y)

つまり、今の状況はインフレによる金利上昇懸念から、実体経済への影響懸念による金利低下へと変わりつつあるということです。実体経済へ影響が広がっていけば、インフレはデフレへと変わるため、一旦市場はインフレを心配する時間が減少する可能性が高いでしょう。

つまり、今後の金利は下落傾向が強まるため、3月のFOMCでの利上げが0.5%ではなく、0.25%の可能性が少し高まったと言えます。そこでインフレ加速にしても、実体経済ダメージにしても多くの市場は困難な環境になりますが、唯一安全なのは短期的に見ればゴールドです。経済ダメージの影響は受けず、金利低下の恩恵を受けられるゴールドは一旦強気に転じそうです。

ビットコインはSVBの影響が広がっていき、実体経済にショックがあると、おそらく株式市場などと同じようにショックを受ける可能性があると思いますので、市場に参加する場合は注意が必要だと思います。短期的にはこのような流れになるでしょう。

 

ビットコインの今後

ただし、ビットコインの本質はゴールドと同様にインフレヘッジとなる資産なので、長期的には問題はないように思えます。

というのも、インフレ率下落+経済ダメージの場合、次に待っているのは政策金利の低下です。そうなればコモディティの上昇は避けられず、今度はインフレが湧き上がる可能性があります。

するとインフレ+経済ダメージ、という中では金利を上げることも下げることもできないという状況が生まれ、そしてそうこうしているうちにインフレがとんでもなくなる、というシナリオが考えられます。

これは1970年代のインフレ環境の変化と同じパターンです。このようになるかどうかはわかりませんが、これが長期的なメインシナリオだと考えています。インフレが2021-2022に起きた時よりも深刻化すれば、インフレを抑えるために政策金利を上昇したとしても、現金価値の下落懸念からビットコインとゴールドには資金が集まる可能性があります。

短期的にはSVBの影響がどこまで波及するか、そして長期的にはインフレ率がどのように推移するかに注目していくと良いように思えます。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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