FOMCで25bps利上げ。まもなく緩和転換の合図か

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今回のFOMCで、日本時間の本日明け方に発表された政策金利は25bpsの利上げとなりました。これを受けて株式市場やビットコインは大きく下落しました。

今回の結果、そして今後の展開について考察していきます。

25bpsの利上げ

今回のFOMCでは、25bpsの利上げが決定されました。この結果は特段驚くべきものではなく、市場予想と同様だったため、理由などは昨日の記事に詳しく書いてありますので参考にしていただければと思います。

今夜のFOMCでビットコインの行方は?金利上昇はすでに織り込み済みか

25bpsだったということで、この結果自体はそこまで市場に影響を与えなかったと思われますが、今回重要なのは声明文などから読み取れる次回以降の政策金利の動向です。

声明文は、利上げを継続したものの、ハト派の内容に寄る形となりました。前回まで強い労働市場を背景に金融引き締めを継続して行う、との強気発言が主軸となっていましたが、今回は若干弱まっています。

さらなる金融引き締めを示唆しているものの、語気は弱まっており、今後さらなる金融不安が襲ってきた場合に、インフレ打倒を掲げて金融引き締め政策を追加していくことができるかは、非常に懐疑的となったと言えるでしょう。

今回の発表を受けてアメリカ株式市場、ビットコインは下落、ゴールド、原油は上昇、ドル円は円高へ進みました。結局のところ今回の結果ではこれまでの4.5-4.75%の金利から、さらに4.75-5.0%の金利上昇をさせただけなので、金融不安の流れは取り除かれることはなく、どこかしらで歪みが生じる可能性が高い状況が継続されるだけでしょう。

そのため、本日の価格上下はあまり参考にはならず、今後起こり得るショックに備える、ということになりそうです。

 

インフレ打倒をやり切れるのか

FRBは金利上昇を決定したものの、銀行破綻の際に救済を即決するなどしており、すでに金融引き締めの手を緩めつつあります。今後もさらなる金融引き締めを行うとしていますが、本当に今後も継続して金利上昇を行なっていけるのかには疑問の余地が大きく残ります。

今回の会合では、今後の政策金利(未来の予想)について変動はほぼなかったものの、すでにFRBのバランスシートは拡大しており、政策に矛盾が生じてしまっています。これについてパウエル氏は「バランスシート拡大は、実際には銀行への一時的な貸し出しであり、金融政策のスタンスを直接変更することは意図していない」(参照:https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-balancesheet-idJPL6N35U0F4)と述べていますが、では、今後も金融不安が続く場合にはバランスシートの「一時的な拡大」が続くのでは?と思わされてしまいます。

現在の金融不安の根っこは、インフレ打倒のための金融引き締めにあります。その金融引き締めの結果として金融不安が襲ってきて、その金融不安はインフレ撃退につながっていくはずですが、その前に救済を行い、インフレ撃退へはブレーキをかける結果となってしまっています。

つまり、右手ではインフレを叩きつつも、左手ではインフレに餌をやっているのです。しかもSVBの破綻が起きてすぐに救済を決定しましたので、その意思は固そうに思えます。SVB破綻以上のものが起きたら、どのような行動に出るか、想像は簡単にできてしまいます。

 

今後の展開は

つまり、今後の展開が今回のFOMCではより明確になったと思われます。やはりインフレ打倒は非常に難しい、というシナリオです。現在金利上昇で抑えられているコモディティは、金融引き締めの終了とともに火を吹く可能性があるでしょう。

ビットコインやゴールドは金融不安を嫌気した資金が集まって上昇していますが、インフレ再燃ともなればそれ以外のコモディティも上昇していく可能性があります。

次にいつ金融不安が生じるかはわかりませんが、金利は上昇し続けているため、その火種はすでにいくつか撒かれていることでしょう。そして、それは金利上昇を続ける限りなくなることはなく、いつか芽を出すことになるでしょう。

ビットコインやゴールド、そしてその他のコモディティがインフレ再燃に先駆けて上昇していく可能性が非常に高いのではないかと筆者は推測しています。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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