FOMC議事録に引き締め懸念強まる。ビットコインは続落でも長期的には…

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本日明け方に発表されたFOMC議事録に、市場は引き締め懸念を強める結果となりました。2月に入ってから金利低下期待から金利上昇懸念へ転換しており、今後のFRBの動向に注目が集まっています。

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FOMC議事録は「さらなる利上げ」

前回、2月1〜2日に行われたFOMCの議事録が公開されました。公開されたFOMCによれば、25bpsの利上げに多くの参加者が同意したものの、一部50bpsの利上げを支持したことや、さらなる利上げの必要性を強調する内容となっており、市場は思っていたよりもタカ派という受け止め方をしたようです。

本日にかけてアメリカ株式市場・ゴールド・原油・ビットコインは下落しました。

ビットコインチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

1月に市場に広がっていた金利低下期待は2月に入り、ほぼなくなってきたと言えるでしょう。強い労働市場と、インフレ率低下の鈍化により、金利の上昇懸念が広がっており、FRBによるさらなる利上げに警戒感を強めています。

3月のFOMCまでに、雇用統計が1回、そしてCPI発表が1回あるため、その結果次第ではさらに市場は大きな下落をしていく可能性があります。

 

このままデフレ方向へ進むのか

しかし、筆者は、この金利上昇懸念もどこまで続くかはまだわからないと考えます。すでに政策金利は5%を目前にしており、FRBが以前から言っている5%への金利誘導は完了間近です。

つまり、5%にまで政策金利が上がってからは、容易に金利を上昇させることはあまりないのではないかと考えています。2022年の利上げ時のように、5%からさらに6%、7%へ短期間で金利を上げるほどインフレ率はまだ高まっておりません。

確かにCPIのサービス部門は加速しているものの、住宅部門は横ばい、エネルギー部門は下落しています。原油価格は、2022年末から下落こそしていないものの上昇も見せておらず、景気後退懸念と金利上昇懸念が重しとなってあまり動きを見せてきていません。

原油価格チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AUSOIL)

つまり、次回以降の雇用統計で労働市場の加熱がおさまっているような結果、またCPIでインフレ率がさらに低下するような結果が出れば、次は金利低下期待が頭をもたげる可能性が十分あるということです。

現在、FRBも含めて市場はインフレ率の動向、それも一挙手一投足に左右されています。単月単位で雰囲気が変わるのは、短期的に情勢が非常に判断の難しい局面に立っていると言えるでしょう。

 

確かなことは何か

そのような判断の難しい市場の中で、少なくとも可能性が高いと思えることはあります。それは、まずインフレ率が下がる時は景気後退が起きる時、ということです。

サービス部門のCPIが加速していることからもわかるように、インフレ率がFRB目標の2%を達成する時は、しっかりと労働市場が崩れており、市場全体が崩壊する時です。労働市場が崩れなければ、サービス部門のCPI低下はまず考えにくいため、しっかりと金融引き締めを行い、その効果が労働市場にまで届かなければなりません。

歴史を見てもインフレ撃退は、実体経済崩壊とセットです。そのため、長期的にここからインフレ率が下がるとすれば、その時は実体経済も大きなダメージを受けているでしょう。

次に、FRBが金利を思い切り上昇させる場合は、インフレが相当加速している時であると言えます。インフレが加速していない中でFRBが金利を短期間で思い切り上昇させることはほぼありません。

それは、2022年から始まった金利上昇と、それまでのFRBの対応を見ることで可能性が高いと思えます。2022年前からインフレは予兆を見せていましたが、FRB はギリギリまで金利を上昇させず、そして金利上昇を始めた時にはインフレは非常に強くなっており、急激に金利を上げざると得ませんでした。

そのため、今回も多方面から嫌われる金利の急激な上昇は、インフレが加速していなければ行う可能性は低いと言えるでしょう。

つまり、今後の短期的なブレを考えない、長期的なシナリオとしては、

  • このままインフレの撃退とともに労働市場が崩壊(実体経済が崩壊)
  • インフレ低下が反転し、インフレ加速して金利が急激に上昇してから、インフレの撃退とともに労働市場が崩壊(実体経済が崩壊)

というものと考えることができます。

どちらの場合も、その後に待っているのは金融緩和です。そして、その時にビットコインとゴールドは非常に強くなるでしょう。

短期的に様々な指標や情報で左右される市場となっていますが、長期的なシナリオを整理することで、ブレない投資方針を作ることができると考えます。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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