IPFSとは?ブロックチェーンや仮想通貨・Web3.0との関連性、事例、今後について初心者にもわかりやすく解説!

 

仮想通貨やブロックチェーンを調べているとよく出てくる「IPFS」という言葉。IPFSについての知識は、今後の仮想通貨やWeb3.0について深く学ぶために役立ちます。IPFSとはどのようなものなのか、またその仕組みなど、初心者の方にも理解できるよう、わかりやすく解説していきます。

GMOコイン

 

IPFSとは

IPFSとは、「Inter Planetary File System」の略で、端的に言うとファイルやサイトなどのデジタルデータを保存したり、アクセスしたりするための分散型プロトコルです。これでは、何のことだか初心者の方にはわからないと思いますので、イメージを述べます。

要するに、色々な人が接続しあったネットワークを形成し、サーバーのような“保管BOX”がなくても情報にアクセスしたりすることを可能にしたシステムです。

IPFSでは、「ノード」と呼ばれる、拠点となる端末同士が繋がり、ネットワークを形成していることでデータを保存したり、アクセスできるようにしたりします。

IPFSとは何か

IPFSの正式名称である「Inter Planetary File System」を直訳すると「惑星間のファイルシステム」となりますが、もちろん惑星間でファイルが実際にやりとりされる仕組みというわけではなく、「ノード」が惑星のようなイメージで、お互いに繋がってファイルをやりとりするシステム、ということや、惑星間という非常に離れた距離であってもファイルをやり取りできることを目指している、などからその名が付けられていると言われています。

まだ、イマイチIPFSを理解できないかと思いますので、さらに理解するため、現在一般的に利用されているシステム「HTTP」と比較して解説をしていきます。

 

IPFSとHTTPの違い

現在、一般的に利用されているのはIPFSではなく、HTTPと呼ばれるシステムです。HTTPは「Hypertext Transfer Protocol(ハイパー・トランスファー・プロトコル)」の略で、私たちが利用しているインターネットで、情報へアクセスするときに使われています。

例えば、あなたがネットサーフィンをしようと思い、Webページにアクセスしようとします。現在、Google検索などで表示されるWebページの情報というのは、運営している人(企業)のサーバーに保管されています。それを閲覧するためにはサーバーにアクセスしなければなりません。

このようにWebページのデータをサーバーに保管し、そこにアクセスしに来たあなたへページの情報を送ります。その結果、あなたはWebページを次から次へと閲覧することができるようになり、ネットサーフィンが可能になるのです。

それに対してIPFSは「サーバーにアクセスする」という概念がありません。お互いに繋がれた「ノード」と呼ばれるネットワーク参加者がデータを管理しており、情報(コンテンツと呼ばれます)へアクセスし取得することで、Webページなどの情報を閲覧することになります。

HTTPとIPFSの違い

IPFSでは、サーバーのような情報の集中した場所はなく、ネットワークに情報がそれぞれ分散されています。このネットワークは「P2Pネットワーク」と呼ばれており、そのP2Pネットワークに参加している端末・拠点を「ノード」と呼ぶのです。

上記のことから、HTTPはサーバーという絶対的な存在がいるため「中央集権的」。IPFSは絶対的な存在がおらず、ノードによってみんなで支えているネットワークのため「非中央集権的」と言われることが多くあります。

IPFSはHTTPを補完したり、置換されるプロトコルと言われています。

 

IPFSはHTTPの具体的な違い

また、少し細かい話をするとHTTPはサーバーという「場所」を指定してアクセスするのに対し、IPFSは「コンテンツ」というデータそのものを指定してアクセスする、という違いがあります。

そのため、HTTPは「ロケーション指向」、IPFSは「コンテンツ指向」と呼ばれたりします。

HTTPではURLでドメイン、このサイトなら「tottemoyasashiibitcoin.net」の「/entry」の「/×××」というファイルの場所を指定することで、そのページ情報を取得します。

それに対し、IPFSではコンテンツを指定してアクセスします。コンテンツの「ハッシュ値」と呼ばれる識別子のようなものを取得し、それを指定するのです。ハッシュ値は「A」なら「×××」と返され、「B」になると「×××」以外の値が返されます。そうすることで、コンテンツを改ざんすると別のハッシュ値になるため、修正が加えられたのかどうかがわかる、などのメリットが生まれるのです。

 

スポンサー

IPFSは誰が作っている?

Protocol LabsのHP(出典:https://protocol.ai/)

IPFSは2014年に設立された企業「Protocol Labs(プロトコル ラボ)」が開発している、オープンソースプロジェクトです。オープンソースプロジェクトとは、その製品のソース(設計書のようなもの)が公開されており、誰でも自由に使い、自由に修正を加えられるようなシステムになっているプロジェクト、そしてその製品です。

Protocol Labsは後にも少し触れますが、仮想通貨File Coin(ファイルコイン:FIL)のプロジェクトも同時に開発しています。

 

IPFSのメリット

IPFSのメリットは以下のものが挙げられます。

・耐障害性
・耐改ざん性
・耐検閲性

・負荷低減&速度向上

それぞれを一つずつ見ていきましょう。

 

耐障害性

IPFSはHTTPよりも、障害に強いとされています。HTTPではサーバーがダウンしてしまうと、そのサーバーに保管されているデータ、コンテンツにアクセスすることが困難になります。

しかし、IPFSではサーバーという場所に保管されているデータにアクセスするのではなく、コンテンツ自体にアクセスするため、一つのノードに障害が起きてもネットワーク自体は止まらないため、サーバーダウンのような問題がなくなります。

これにより、IPFSでは、例えばデータを保管していたサーバーが停止してデータを取り出せなくなってしまった、などの問題も解決することができるようになると言われています。

 

耐改ざん性

IPFSでは、サーバー内という場所にアクセスするのではなく、コンテンツ自体にアクセスします。そのため、コンテンツから得られるハッシュ値(識別子のようなもの)へアクセスすることで、情報を取得します。

そのため、コンテンツにもし改ざんが加えられた場合には、その識別子も変わることになり、改ざんされたデータであることがわかります。つまり改ざんがバレてしまうことから、改ざんに強いと言えます。

 

耐検閲性

サーバーのように、情報が一点に集められている場合には、その道(ネットワーク)を遮断してしまうことで閲覧制限をかけるなど、検閲が可能になります。しかしIPFSのような分散されたネットワークでは、情報にアクセスするためには複数の道が用意されているため、検閲するのは非常に困難になります。

このようなことから、IPFSは検閲に強い、と言われています。

 

負荷低減&速度向上

IPFSでは、情報がネットワーク上に複数コピーされた状態で存在します。情報、つまりデータやコンテンツにアクセスする際には、近い場所にある情報を取得します。この仕組みのおかげで、サーバーにアクセスが集中するような、一点にアクセスが集中して負荷がかかってしまうようなことが少なくなります。

さらに近くの情報へアクセスするため、速度も向上すると言われています。

 

IPFSとブロックチェーンの違い

さて、ここまでお読みになった方は、「ブロックチェーン」とIPFSが非常によく似た性質を持っていることにお気づきになられたのではないでしょうか?

IPFSと、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンは異なるものですが、性質が似ており、ブロックチェーンサービスはIPFSの普及でさらに促進する、とも言われています。

ブロックチェーンは、現在定義が様々なので一概には言えませんが、IPFSとの違いをわかりやすくするために簡単に説明すると「ネットワーク上の参加者全員が同じデータを保持し、全員の同意によって記録を保存していくための技術」です。日本語でブロックチェーンは「分散型台帳技術」などと言われるように、ブロックチェーンは分散型(非中央集権的な)台帳(記録帳のようなもの)を作るための技術、ということです。

それをかなえるために、IPFS同様にP2Pネットワークを利用しています。“ブロック”と考えられるデータ群を“チェーン”で繋ぐような形でデータをノードが記録・保管し、P2Pネットワークに参加することで耐改ざん性を作りだします。

ブロックチェーンとは

そんなブロックチェーンに対し、IPFSはあくまでもP2Pネットワークでノード間のデータをやり取りするシステム(プロトコル)です。プロトコルとは「コンピューター同士の通信をする際の手順や規格」のことです。

つまり、例えばサイトやサービスを作る時には「HTTP(http://〜)の代わりにIPFS(ipfs://〜)を採用しよう!」となるように、ブロックチェーンのような技術的な話より大きな枠組みとなるものです。

「HTTP(http://〜)の代わりにブロックチェーンを採用しよう!」というのはズレていて、おかしな話です。

〜仮想通貨でよく出てくる「プロトコル」について詳しくはこちら〜

仮想通貨のプロトコルとは?Web3.0時代に重要なキーワードを初心者の方にもわかりやすく解説!

IPFSはブロックチェーンと相性が良いとされており、その相性の良さを利用してブロックチェーン技術とIPFSを組み合わせて構築された色々なサービスが開発されてきています。

 

スポンサー

IPFSの事例 Webブラウザ「Brave」

Webブラウザ「Brave」HP(出典:https://brave.com/ja/)

IPFSをサービスなどで利用している例はいくつもありますが、ここで紹介するのは、IPFSをサポートしているWebブラウザ「Brave(ブレイブ)」です。

アメリカの企業、Brave社が開発した、プライバシーに配慮したWebブラウザです。広告のブロック、シークレットウィンドウ、Tor接続(接続経路を匿名化する規格)などに対応しており、それらをユーザーは簡単に選択・利用することができます。

そのBraveが2021年から、IPFSをサポートすることを発表しました。「ipsf://」から始まるURI(HTTPでいうURLのようなもの)にもアクセスすることが可能になりました。

ブラウザからIPFSのコンテンツへアクセスができるようになると、例えば政府が禁じたサイトへのアクセスも可能になると言われています。中国では、様々な情報へのアクセスが政府によりブロックされています。しかし、例えばこのようなブラウザとIPFSを使うことで、閲覧することができるようになります。

耐検閲性のあるIPFSと、それに対応するブラウザによって、世界のあり方が変わる事例と言えるでしょう。

他にも、日本でもブロックチェーンとIPFSを組み合わせて開発されているブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」などもあります。このように事例を見てみると、IPFSというプロトコルは様々な分野で使われ、世界を変えていく可能性を秘めていることが分かります。

 

IPFSが仮想通貨に与える影響

すでに述べたように、IPFSはブロックチェーンとよく似た性質を持っており、IPFSのプロトコルはブロックチェーンを利用したサービスを補完したり、普及促進に役立ちます。

仮想通貨は、ブロックチェーン技術を基盤としており、そもそも仮想通貨自体が最も有名なブロックチェーンを利用したサービス、とも言えます。そのような意味でも、IPFSと仮想通貨は連携して利用促進されていくと考えられます。

具体的には、以下のような効果があると考えます。

・IPFSのデータをブロックチェーンと仮想通貨を利用して管理するなどの連携
・IPFSの考え方が普及することで、仮想通貨も注目を集める

 

IPFSのデータをブロックチェーンと仮想通貨を利用して管理するなどの連携

IPFSでやり取りするコンテンツのデータをブロックチェーンに記録して、改ざん不能にする、などの連携が行われていく可能性があります。ブロックチェーンはデジタルデータであれば基本どのようなものでも記録可能なため、IPFSでやり取りするコンテンツを、ブロックチェーンが本物だと証明できる、というようなイメージです。

その際に、そのコンテンツに仮想通貨(またはそれに準ずるもの)が紐づいていれば、そのコンテンツの価値(価格)が市場で表示され、それを売買する、という行為が一般的になる可能性があります。全てのデータが、現在流行しているNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)のような形でIPFS上でやり取りされるようになるかもしれません。

IPFSに大きな関わりのある仮想通貨ではFilecoin(ファイルコイン:FIL)などがあります。ファイルコインはIPFSを利用してP2Pネットワークにデータを保管するストレージ(データを保管しておくための装置)サービスで、仮想通貨「FIL」を発行して、その実現を目指しています。

ちなみに、先に紹介したWebブラウザ「Brave」も「Basic Attention Token(ベーシックアテンショントークン:BAT)」という仮想通貨を発行することで、普及促進を目指しています。

このように、IPFSとブロックチェーンの連携、そしてそこに仮想通貨を絡めて新たなサービスを作り出す動きはすでに見られています。

 

IPFSの考え方が普及することで、仮想通貨も注目を集める

IPFSが仮想通貨に与える影響の二つ目として、「IPFSの考え方が普及することで、仮想通貨も注目を集める」ということも考えられます。

IPFSはすでに述べたように

・耐障害性
・耐改ざん性
・耐検閲性

これらの特徴があります。特に耐検閲性は、仮想通貨のイデオロギーと非常に強い関わりを持ちます。仮想通貨は、誰にも管理されない貨幣として作成されたビットコインから始まった歴史があります。仮想通貨は国という中央に管理された法定通貨に対する存在として、世界に広まっていきました。

実際、ビットコインは国が容易く潰せるような設計にはなっておらず、2021年現在では、各国はビットコインを潰すのではなく、上手く扱っていく方針に切り替わりつつあります。(日本ではまだそのような動きは薄いですが)

そのため、HTTPというサーバーの中央集権から、IPFSという分散型の非中央集権プロトコルへ注目が集まる、ということは自然と仮想通貨への注目も集めることに繋がります。仮想通貨は価格が変動しますので、注目を集めるということは価格が上昇することになり、価格が上昇すれば、仮想通貨の開発も活発になる、という循環が生まれる可能性があります。

このように、「考え方」という点でも、IPFSは仮想通貨へ与える影響が大きい、と言えるのです。

 

IPFSの今後 〜「Web3.0」への期待〜

IPFSや仮想通貨の考え方の中心にある「耐改ざん性」「耐検閲性」は、現在インターネットで普及しているサービスでは見ることがほぼできません。例えば各種SNSなどは、一つの企業がサーバーを管理していて、ユーザーの行動履歴データなどのプライバシーは限られた企業や国に握られている状態です。

しかし、そのようなインターネットサービスに終止符を打つとされているのが「Web3.0」という次世代のWebサービス群です。

Web3.0は、現在のインターネットサービスである「Web2.0」の次に訪れる新たなWeb世代と言われています。 今までのWebのようにクライアントとサーバーで繋がったネットワークではなく、分散化された拠点でネットワークが繋がれ、自分の情報を自分で管理することができるWeb世界のことを言います。

Web3.0とは

Web3.0は、ブロックチェーン技術を利用して作られるネットワークで実現すると言われています。ブロックチェーンは最初の仮想通貨であるビットコインによって誕生しました。そのため、仮想通貨はWeb3.0と密接した関係にあり、Web3.0の世界の実現を目指すプロジェクトでも、仮想通貨を利用した取り組みが多く進められています。

まだ未知なる領域のため、Web3.0の到来で誕生する具体的なユースケースは多くありませんが、IPFSなどを利用することでWeb3.0の到来が早まる可能性があります。

Web3.0が実現すればWeb2.0のような「自分のデータを誰かに管理されながら利用するインターネット」ではなく、「自分のデータを自分で管理しながら利用できるインターネット」を私たちは利用することができるようになります。

〜Web3.0について詳しく知りたい方はこちら〜

Web3.0とは?初心者にもわかりやすく解説!実例や長所、課題、何が可能になるかについても紹介

 

Web3.0の仮想通貨に投資できる取引所

現在、Web3.0の実現を目指した仮想通貨はいくつかありますが、代表的なものは以下です。

・ベーシックアテンショントークン(BAT)

<取り扱い仮想通貨取引所>

GMOコインCoincheck ほか

・ファイルコイン(FIL)

<取り扱い仮想通貨取引所>

国内なし

海外:バイナンス ほか

・ポルカドット(DOT)

ポルカドット(DOT)とは?初心者にわかりやすく、今後・将来性・歴史・仕組み・ウォレット・取引所を解説した入門ページ

<取り扱い仮想通貨取引所>

GMOコイン・bitFlyer ほか

もし、Web3.0に関連した仮想通貨が気になる方は、これらの仮想通貨についてまずは調べてみるといいでしょう。

 

IFPSは、今後広まっていく可能性のある規格、プロトコルです。IFPSが広まれば、既存のサービスの在り方が大きく変わることになるでしょう。ぜひ、注目していただければと思います。

 

関連記事

Web3 Foundation(Web3財団)とは?Web3.0の実現/ポルカドットを推進する注目団体をわかりやすく解説!

ビットコインやブロックチェーンの「トラストレス」とは?Web3.0にも関わる非中央集権システムをわかりやすく解説!

GMOコイン

スポンサー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です