インフレはこのままおさまるのか?ビットコインはインフレヘッジとなるか。

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アメリカの利上げが始まり、インフレ率は頭打ちになっていると思われ始めています。しかし、利上げが来ると次にやってくるのが景気後退です。景気後退とインフレ率が今後どのようになっていく可能性があるか、そしてその時のビットコインの動きを考察します。

 

米株市場とインフレ率

現在進行形で米株市場はダメージを受けています。ダウ平均は最高値を2022年1月につけた後、現在までに約20%ほど下落しました。

ダウ平均のチャート(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=DJ%3ADJI)

要因は、アメリカのインフレによる利上げ加速と言えます。アメリカは2022年3月から利上げをスタートさせ、現在米国債2年物の利回りは約4%にまで上昇しました。

米国債2年物利回り(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=TVC%3AUS02Y)

利上げが起きれば、株式市場は基本下落します。加えて、2022年9月からはそれまでの2倍のペースでマネーストックを減少させる金融政策もスタートしており、金融引き締めはいよいよ本格化したと言えるでしょう。

FRBのパウエル議長も、インフレに対して徹底抗戦の意思を表明しており、実際にどれだけの本気度があるかはわかりかねますが、今後FRBはインフレ率が下がらなければ金融引き締めを緩める気はない、と市場は考えているでしょう。そのため、FRBが引き締めをやり過ぎてしまうシナリオまで織り込んでいるようです。

そして、投資家の期待インフレ率を表すBEIの5年は2.26となっており、徐々に下げてきています。つまり、引き締めが強くなる+インフレ率が下がる、ということまでを織り込んできているのです。

しかし、インフレ率は本当に思っている以上に下がっていくのでしょうか。ここに筆者は少し疑問を感じます。インフレは過去、想像以上に人類を苦しめてきました。直近のアメリカの過度なインフレと言えば1970年代がよく挙げられますが、そのインフレは1980年代もFRBは戦い続けることになりました。(CPIのピークは1980年)1970年代ももちろん利上げをしています。

つまり、少なくとも10年のインフレとの戦いがある可能性は見込んでいかなければならない、というわけです。

8%のインフレ率に対し、4%の利上げで何とかなる、ということは「そもそも本格的なインフレは来ていなかった」と言えるでしょう。となれば、いくら現金を発行してもインフレは起きない、ということにもなります。これは果たして本当なのでしょうか?

 

インフレ時の金とビットコイン

インフレ時には紙幣の価値が薄まるので、金の価格は上昇します。金だけではなく、原油や農産物の価格は上昇します。1970年代のインフレ時、金は大きく上昇しました。

金の価格チャート(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=FX%3AXAUUSD)

既に2007年ごろから金の価格は上昇しているものの、今後インフレが収束しない場合にはさらに金の買いが進む可能性があります。となると、ビットコインはどうなるのか、と仮想通貨に興味のある方なら思うことでしょう。

ビットコインは金と同様に上限が決められていることなどから、インフレヘッジになると言われてきました。しかし、ビットコインは2021年11月から弱気相場に入っており、既に最高値から約70%程度下落しています。

BTCチャート(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

つまり、思いきり金融引き締めの影響を受けた、ということができます。

金が2022年3月の直近最高値から約15%程度しか下落していないことと比較すると、まだまだインフレヘッジとしての機能はビットコインには認められていない(いなかった)と言うことができるでしょう。

そもそも、ビットコイン上昇の背景にはイーサリアムによるNFTやDeFiなどの技術革新の背景があります。ビットコインの背後にはWeb3.0の中核を担うイーサリアムをはじめとしたスマートコントラクトや、そのさらに先を行こうとする開発者がついています。

となると、テクノロジー+インフレヘッジという両輪がビットコインには良くも悪くもついている、と言うことができるのではないでしょうか。

しかし今のところ投資家にはインフレヘッジの面よりもテクノロジーの面で売買されているため、引き締めの影響を強く受けることになりますし、さらに緩和やブームで大きく値を動かすことになります。

つまり、まだまだビットコインがインフレヘッジの役割を担うのは先の話になる、と言うのが現状では適切でしょう。Web3.0の波が来て、それらのアプリケーションが利用されるようになって初めてインフレヘッジとして機能する可能性が高いと言えるでしょう。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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