アメリカのCPIは8.2%上昇。ビットコイン価格が上昇しても仮想通貨の冬はまだ終わらない?

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日本時間の10月13日夜に発表された、アメリカの消費者物価指数(CPI)は前年比8.2%上昇となり、インフレの勢いがまだ衰えていないことを示しました。発表当初、ビットコインは価格を大きく下げたものの、その後盛り返し24時間比では+3%前後で推移しています。

しかし、今回のCPIの数値はむしろビットコインにはマイナスであると言えるためまだ楽観視はできない、というのが筆者の考えです。

 

CPI上昇でもビットコインが上昇した理由

今回のCPIは予想が8.1%に対し8.2%だったため、「インフレの勢いは予想よりも衰えを見せなかった」と言って良いでしょう。

そのため、打倒インフレを掲げるFRBにとっては金利を上昇させる良い材料となり、金利上昇懸念→リスク資産下落の流れに沿っていると言えるでしょう。しかし、ビットコインは一時大幅な下落を見せたものの、その後上昇しました。

BTCの値動き(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

この値動きはダウ平均と非常に似ています。

ダウ平均の値動き(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=DJ%3ADJI)

つまり、ビットコインもダウ平均と同様にリスク資産としての見られ方をしたということがわかります。

多くのリスク資産がCPI発表で値を下げたので、ビットコインも値を下げるのは仕方のないことですが、ゴールドと比べるとダウ平均との方が値動きは似ていました。やはり、市場ではビットコインはまだリスク資産としての見られ方が強いと言えるでしょう。

もちろん、ビットコインの本質が価値の貯蔵としての機能がない、というわけではありませんが、現時点ではそのように見られている、ということの再確認ができた場面でした。

インフレはこのままおさまるのか?ビットコインはインフレヘッジとなるか。

CPIが上昇したのにも関わらずリスク資産が上昇したことの理由はいくつか考えられますが、現時点の指標を見る限りでは一旦インフレがピークを迎えると市場が受け取った、と筆者は捉えています。

本日も小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数がアメリカでは発表されますので、その捉え方が正しいものだったかどうかはそれらの指数を見ていくと自ずと答えが出てくることだと考えます。

 

債権市場は別の動きを見せる

一方で、債権市場は少し別の動きを見せています。

米国債2年物利回り(出典:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=FX%3AXAUUSD)

CPI発表の後で米国債の2年物利回りは急上昇。つまりFRBによる利上げを急速に織り込んだと言えます。インフレ減速の可能性を否定し、インフレ撃退が優先されていくと捉えたのでしょう。

つまり現時点ではやはりインフレはまだどちらに転ぶかわからないものの、3%程度の利上げを行ってもまだインフレがしぶとく減速していないことを考えると、今後もインフレは根強く残っていく可能性が予想されます。

そうなれば失業率の上昇など、景気後退シグナルが明確に出てくるまでは金融緩和にFRBも応じないと考えるのが無難であるため、まだまだビットコインをはじめとした仮想通貨市場も冬を抜けるには時間がかかる可能性が高いでしょう。

ただし、CPIが減速はしていないまでも“上昇していない”ということも事実であるため、景気後退シグナルが明確に出てくる場合にはFRBが金融緩和路線に転じ、そこから仮想通貨に火がつき出すというシナリオはあり得ます。

どちらにしても、まだ現時点では当面インフレ率は収まらないこと、リスク資産としてビットコインが見られている、ということを考えるとまだまだ冬は続く可能性が高いでしょう。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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