ロシア・ウクライナ情勢次第?上下に振れるビットコインの今後の見通しを解説

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ロシアのウクライナに対する軍事侵攻は世界のあらゆる金融市場に混乱をもたらしています。それはビットコイン(BTC)も例外ではありません。

2月後半から3月にかけてのビットコインは、上下に振れるとても荒い値動きでした。ロシア・ウクライナ関連のニュースで価格がジェットスターのように上下している印象です。

そんなビットコインはこの先どのような動きを見せるのでしょうか?

ここではビットコインの現在の状況と今後の見通しを、チャートを用いて初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

現在ビットコインを保有されている方、そしてこれからビットコインを購入してみようと検討中の方もぜひ参考にしてみてください。

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2022年3月6日時点でのビットコインのチャート分析

2月後半のビットコインは、Wトップを形成したのちに大きく下落し、今年の最安値を試す展開になりました。

【BTC/JPY 日足】出典:https://coin.z.com/jp/

ただ安値を割ることはなく、日足のローソク足で強烈な下ヒゲをつける形になり、一転して強い上昇の動きを見せます。

【BTC/JPY 日足】出典:https://coin.z.com/jp/

この上昇は、2月24日にロシアがウクライナに侵攻を開始したことが大きな要因です。

ロシア・ウクライナ両国内での実需が高まったことでのビットコイン買いが、価格上昇の引き金になったとされています。

また、次々と明らかになるロシアに対する各国の経済制裁やルーブルの急落、ロシア銀行の金利引き上げやウクライナに対する大量の暗号資産の寄付といったニュースもビットコイン価格上昇を後押ししたと言えるでしょう。

しかしその上昇も続きません。

ウクライナ国内にある欧州最大規模のザポロジエ原子力発電所にロシア軍が侵攻しているという、新たなリスクに関するニュースの影響で、3月4日にビットコインは大幅に下落します。

【BTC/JPY 日足】出典:https://coin.z.com/jp/

結果的に今回の上昇も、2月の上昇のWトップの時と同じで62日移動平均線を明確に上抜けすることなく、再び下落に転じた形になりました。

ロシア・ウクライナ情勢のニュースで上下に激しく振れる非常に難しい展開ですが、テクニカル的には62日移動平均線がレジスタンスとなっている印象があり、現在のチャートの形はやや下方向に向かいやすい形と言えます。

 

ビットコインの今後の見通し

チャート的にはビットコインはやや下方向の流れですが、現在はテクニカルというよりもロシア・ウクライナ情勢によって市場が左右される展開と言っていいでしょう。

また、世界的なインフレ懸念もビットコインの価格変動には見逃せない要因です。

ロシアに対する経済制裁の影響もあって、ここのところの原油価格は高値水準で推移しています。ロシアから欧州への原油や天然ガスのエネルギー輸出が減り、今後もより一層の資源価格高騰の可能性があります。

そのような資源価格の高騰は、世界的なインフレを招く大きな懸念材料です。

日本においても、原油高によるガソリン価格の高騰は深刻な問題。他にもあらゆる物の価格が値上がりしていることは大きなニュースになっています。

アメリカに目を向けてみても、3月5日に発表されたアメリカの雇用統計は予想を上回る好調なもので、インフレ抑制の観点からも米連邦準備制度理事会(FRB)による3月利上げ方針に変更はないでしょう。

金融の引き締め政策は、ビットコインを始めとする暗号資産にとってはどちらかというとネガティブな要因。このまま世界的なインフレ懸念が続くようですと、ビットコインは上値が重い展開になることも予想されます。

場合によっては、このまま安値・高値を抜けないレンジ相場に移行することも十分に考えられるでしょう。

しかしロシア・ウクライナ情勢に大きな進展があれば、相場が上下どちらかに一気に突き抜けることも大いにあり得ます。

ロシア・ウクライナ両国の停戦交渉や各国の対応、ロシアに対する経済制裁やそれにともなう様々な市場への影響、原発事故のリスクなど、様々な要因を考慮しつつ慎重な投資判断が必要です。

 

まとめ

現在の世界の金融市場はビットコインだけに限らず非常に不安定な状況です。

安全資産とされる金の価格が連日高値を更新していることが、それを如実に物語っていると言えるでしょう。

ロシアが侵攻を開始した当初のビットコインの上昇は、デジタルゴールドとしてビットコインが新たな安全資産になる可能性を感じさせるものでした。

しかし、今回のような重大な地政学リクスや世界的インフレ懸念がある中では、ビットコインは未だリスク資産と捉えられるのかもしれません。

とにかく今はあらゆる投資判断が難しい局面。リスク管理をいつもよりもしっかりと行い、慎重な投資を心がけるようにしましょう。

(文:A.J)

※上記内容は値動きを予測するものではありません。あくまでも分析方法の解説となりますので、投資を行う際は自己判断で行いましょう。

 

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