雇用統計はサプライズ。ビットコインは下落で次のCPIは要注目

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日本時間の2月3日夜、雇用統計が発表されました。今回の雇用統計は、市場を大きく反応させるサプライズとなりました。今回の雇用統計についてと、今後の市場動向について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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失業率はさらに下落

今回発表された雇用統計では、失業率は3.4%となり前回3.5%よりも下落。さらに予想は3.6%だったため、市場を驚かせることとなりました。失業率と同時に発表される非農業部門雇用者数(NFP)は前月比で51.7万人となり、予想の19.0万人を遥かに超える数値となったこともサプライズを起こしました。

その結果、多くの市場が反応しました。

ドル円チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AUSDJPY)

ドル円は大きく反発し131円を超えるドル安方向へ。

ゴールドチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AUSDJPY)

ゴールドは約2.5%マイナスとなっています。原油価格はマイナス約3.7%、ダウ平均はマイナス0.3%となっており、基本的には金融市場がダメージを受ける結果となっています。

このような結果になったのは、雇用統計が意外なほど好調だったことで、近日起こっていた金利低下期待が剥がされたことによるものだと考えることができます。インフレ率が低下する中で、経済が好調でなければ金利は通常低下します。そのため市場は先回りして金利低下期待を膨らませており、リスクオンの姿勢をとってきました。

しかし、今回の雇用統計では経済がより好調であることが示されたため、金利低下がそこまで早期にしないのではないか、と市場が受け取り、期待で膨らんでいた分が破裂したと言えるでしょう。

今回の雇用統計がこのような結果だったため、次回のFOMCでは今後大きな予想外の出来事が起こらない限り+25bps(0.25%)となるでしょう。

 

ビットコインはそこまで下落せず

一方で、2023年に入ってから金利低下期待の恩恵を受けてきたビットコインは、今回の金利低下期待が剥がされる雇用統計を受けてもそこまで下落しませんでした。

ビットコインチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

ゴールドや原油などのコモディティの代名詞が大きく下落したのに比べ、0.4%程度のマイナスと、下落幅は少なくなっています。

ビットコインチャート、1時間足(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

1時間足のチャートを見ても、チャート上では日本時間22:00の雇用統計発表で下落するも、すぐに巻き返しています。その後日付が変わるころに発表されたISM非製造業景気指数で、再度下落していますが、朝方には盛り返してきています。

ちなみに、ISM非製造業景気指数はこちらも予想外の55.2となり、予想の50.4を大きく上まる結果となりました。この数値も経済が好調なことを市場に印象付ける結果となったと思われます。

ビットコインがこのような動きをしたのは筆者にとって、少し意外でした。金利低下期待が剥がされてもそこまで下落しないとすれば、別の要因でもビットコインは上昇させられていると考えることができるからです。

もちろん、この後ビットコインも下落していく可能性もありますが、ゴールドのように真っ向から結果を受け止めて落ちていかなかったのは、やはりビットコインのイノベーション性があるからでしょう。今後もビットコインの価格を考える際は、ゴールドとは別のベクトルでも考えた方がいい、という良い教訓になったと言えます。

 

インフレ率が重要な金融市場

さて、こうなると非常に重要になるのがインフレ率です。次のCPI発表は、日本時間の14日ですがこれがインフレに傾くようであればビットコインもただでは済まされないでしょう。

経済が好調でインフレ率が高いのであれば、金利は上昇していくからです。つまり、次のFOMCまではあと2回のCPIと1回の雇用統計があります。これらの動向によっては上昇率0.25%では済まなくなる可能性もあります。

筆者の考えでは後2回のCPIがどちらも上昇する、または低下具合が市場予想を下回る、ということはあまり考えていません。その理由は以下で解説した通りです。

【今月の投資戦略23.02.】強気相場は継続か否か、危険信号が出るのは4月か【会員限定】

ただ、インフレ率低下&景気後退懸念の相場が終わりに近づいていることは今回の雇用統計が示しており、次の相場が始まる前段階なのではないか、とは思っています。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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