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先週末の雇用統計以降、ドル円は円安へ進行しています。このまま円安は続いていくのか、そして仮想通貨(暗号資産)市場はどのようになっていくのか、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
ドル円相場は132円へ
ドル円相場が132円となり、2営業日連続で円安へと進みました。ドル円相場の基調が変わったのは先週末に発表された雇用統計です。雇用統計では市場予想とは異なり、強い労働市場が示され、リセッション(景気後退)懸念がやや払拭されるとともに、労働賃金のインフレ低下期待も削がれ、金利低下期待が剥がれ落ちる結果となりました。
アメリカの金利低下と日本の金利上昇、というダブルパンチを想定して動いていたドル円相場の円高方向は一旦ストップ。今週が始まっても円安方向へは進んでおり、一時128円だったドル円は、執筆時点では132.5円前後で推移しています。
実際、景気後退がこのままなく、インフレ率が低下し続けるのか、と言われれば疑問の余地は残りますが、市場の雰囲気が変わったということはできそうです。ゴールドも金利低下期待が剥がれ落ちたことで、大幅に下落していますし、ビットコインの急上昇もストップしています。
そして、注目すべきはアメリカ2年物国債の金利です。アメリカ時間の週明け、この短期国債金利は急上昇しました。
2年物国債の金利が上昇するということは、市場が金利低下のトレンドが終わりに来た可能性があるということです。市場の期待インフレ率は高くなっていないのにも関わらず金利が上昇しているということは、インフレ再燃の可能性はまだ観測されていないことに加え、景気後退懸念が薄まり、金利低下期待のトレンドが転換することを示していると考えることができます。
つまり、多くの市場でトレンドが転換する兆しが見えてきているということです。ビットコインはまだ明確に下落していないものの、いったん1月から始まった上昇相場が踊り場に来ている可能性があります。
ドル円相場や短期金利市場がこのまま今までのトレンドとは逆方向に進む場合は、ビットコインもそれにつられる可能性があるので注意が必要と言えるでしょう。
インフレ再燃や景気後退の恐れは?
ただし、筆者の考えではこのまま経済が好調になり、インフレが再燃せずに世界が絶好調で進むとは思えません。確かに労働市場やGDPは堅調ですが、インフレが一度起きてしまうと、インフレを根絶させることは難しい上、金利上昇が経済に全くダメージを与えないということは歴史を見るとあまり例がないからです。
現在の状況は1970年代に例えられますが、それ以降も賃金インフレは失業率が上昇するなどで経済にダメージが与えられた時に抑えられています。つまり、賃金インフレは論理的にはダメージが経済に与えられなければなかなかおさまらない、ということです。
エネルギーや全体のインフレ率は昨年の6月がピークで、それ以降は下がってきています。そのため、今のインフレ率(CPIなど)の低下は昨年の6月以降との比較になる、今年の6月には上昇を示していく可能性があるということです。
さらに言えば、賃金インフレは止まっていないため、エネルギー市場や住宅市場の下落が緩まっていった場合にはもっと早くインフレ率が下げ止まる可能性があるということです。
そうなれば、4月ごろにはインフレ再燃の懸念が出てきてもおかしくありません。現在は景気後退懸念が薄れることにより金利低下期待が剥がれる、という構図になっていますが、その頃にはインフレ再燃の懸念が出てくることで金利上昇懸念が発生しているかもしれません。
そうなればビットコインをはじめとした金融市場には、再度別のトレンドが発生することになるでしょう。
トレンド転換に備えを
まだ、完全にトレンドが転換したとは言えないものの、その兆しを見せてきている可能性があります。
市場は刻一刻と状況が変わります。特に日本時間の今月14日に控えているCPIの結果次第で、一気にガラッと雰囲気が変わる可能性もあります。重要経済指標や、様々な市場のチャートを見ながら、備え始めるのには適している時期かもしれません。
※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。
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