米CPIは6.4%でドル円は円安、ビットコイン上昇。インフレ再燃スタートか

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日本時間の2月14日の夜発表されたアメリカのCPIは、6.4%という結果になりました。これを受けて金融市場はそれぞれの反応を見せております。

今回のCPIの結果、そして今後の展開について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

GMOコイン

CPIは6.4%という結果に

今回発表された1月分のアメリカCPIは6.4%という結果となりました。前回は6.5%、そして予想は6.2%だったので予想以上のインフレ率、そして前回と比べて-0.1%という弱いインフレ率低下具合となりました。

CPI推移(https://fred.stlouisfed.org/series/CPIAUCSL#)

これを受けて、多くの金融市場では下方向へ触れました。日足では上昇しているビットコイン(後程詳細を解説します)も、30分足で見れば発表の直後大きく下落していることがわかります。

ビットコインチャート30分足(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)

株式市場、ゴールド、原油なども、発表直後には概ね同じように反応していることから、インフレ率が思ったほど下がらなかったことにより金利低下期待が剥がれ、下落したと考えることができるでしょう。

アメリカ国債の金利はCPIを受けて上昇し、ドル円は円安方向へ進んでいます。

ドル円チャート30分足(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AUSDJPY)

今回のCPIがあまり下がらなかった要因は、エネルギーのCPI下落が反発していることです。

エネルギーCPIチャート(https://fred.stlouisfed.org/series/CPIENGSL#)

前回までは下落していたエネルギーのCPIが、今回は前回と比べて上向いています。サービス業のCPIは下落しておらず、住宅関連のCPIはほぼ横ばいであるため、エネルギーCPIの下落率が反発することで、全体のCPIの下落がほぼ止まってしまったのだと考えられます。

原油価格チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AUSOIL)

ちなみに、原油価格はピークからは大きく下落しているものの、ここ3ヶ月は横ばいが続いています。原油価格がここから上昇していくようであれば、今後のCPIにも影響を与えてくると思われるため、注視が必要です。

 

インフレ相場の再開か?

前回の雇用統計に引き続き、今回のCPIではインフレをやや示す指標が出ました。つまり、2022年後半から続いていたインフレ率低下からの金利低下期待の相場が、一旦終わりを告げているように感じられます。

もちろん、一回のCPIの数値ではインフレ再燃を断言することはできず、これが一旦の調整で、ここからさらにインフレ率が大きく下落していく可能性はあります。ただ、指標を見ている限り、インフレが根絶やしにされ、経済も今後好調で進んでいく、というシナリオは描くことができません。

やはりどちらかと言えば、インフレ再燃の足音が少しずつ聞こえてきていると言った方が適切かと思われます。FRBのパウエル議長が「ディスインフレ」を唱え始めた途端にインフレの足音が聞こえ出す、という非常に皮肉な展開となっています。

次回FOMCまでは、あと雇用統計とCPIが残っていますので、今回のCPIでFRBの姿勢がガラッと変わることはないかと思われますが、来月の雇用統計とCPIの結果いかんでは、FRBの態度も変わり、インフレ再燃相場が訪れる可能性があります。つまり金利の上昇が再度加速するということです。

現在すでに5%近い金利ですので、ここから金利がさらに上昇していくということは、ここ何十年も経験したことのない高金利の中で経済が進むことになります。そうなればアメリカだけでなく、世界経済へのダメージは大きくなるでしょう。その時には経済のダメージ+インフレ、というFRBも金利を上昇させて(金融引き締め)良いのか、金利を低下させた(金融緩和)方が良いのか、非常に判断に悩む事態に陥るでしょう。

インフレ率が再度上昇していくのか、それとも下落していくのか、次は来月の雇用統計とCPIに注目です。

 

ビットコイン上昇の背景

今回のCPIを受けて、金利は上昇しました。そしてドル円も上昇を見せました。インフレ率の下落が緩やかになり、金利低下期待が薄れて金利が上昇したのです。そして、ドル円はドルの金利が上昇したことで、日本の金融緩和状態の低金利との差が広がり、円安方向へ流れました。

ここまでの流れは予想通りで、CPIの結果を受けて多くの市場関係者が理解できる話でしょう。そうなると、ビットコインは金利上昇を受けて下落してもおかしくはありません。

先ほど述べたように、確かにCPI発表時にはビットコインは下落したのですが、現在は持ち直し、日足で見ると上昇しています。

これは、いくつか要因はありますが、ビットコインがインフレに強い資産だと考えられて買いが進んだということが考えられます。ちなみに、ゴールドもインフレに強い資産として有名です。ただ、ゴールドは金利上昇には弱いです。そこでゴールドを見てみると現在前日比+0.04%とステイ状態です。今回のCPI発表による金利上昇幅に比べ、ゴールドは下落していません。

つまり、ゴールドやビットコインのチャートを見ても、インフレ再燃相場の足音を感じられます。インフレが起きればドルは金利上昇で一旦強くなりますが、インフレはそもそも紙幣価値の下落(物の価値が上昇)することなので、結局はインフレに強い資産が勝つことになります。

このままビットコインの上昇が続くかはもちろんわかりませんが、やはりビットコインを見ているとインフレ再燃の足音が聞こえてくるようではあります。

 

 

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