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2022年2月から日本の国内仮想通貨取引所で初めてLiquid by Quoine(リキッドバイコイン)がSolana(ソラナ)の取り扱いを開始しました。
ソラナは2020年のローンチ以降、圧倒的な処理能力から注目度が高まっています。2022年3月現在の時価総額ランキングは9位。「イーサリアム・キラー」の最有力候補として期待されています。
最近では日本でもユーザーが増えているWeb3サービス、STEPN(ステップン)を通じてソラナのことを知った人も多いのではないでしょうか。STEPNはソラナのブロックチェーン上で開発されており、サービスの利用に必要なNFTのシューズを購入するために初めて「SOL」という仮想通貨を手にした方もいると思います。
このページではソラナの基本的な特徴や今後の見通しについてわかりやすく解説していきます。
目次
Solana(ソラナ)の基本的な特徴
Solana(ソラナ)の最大の特徴は、処理速度の速さと取引手数料の安さです。
ビットコインやイーサリアムなどの既存のブロックチェーンにおいては、スケーラビリティ問題による処理の遅延やガス代の高騰といったことが課題視されてきました。
このままでは「世界中に数十億人いる人類が等しくブロックチェーンの恩恵を受けられる未来は来ない」という課題認識のもと、誰もが気軽に使えるブロックチェーンとしてソラナは作られています。
まずは処理速度や手数料をはじめとしたソラナの基本的な特徴を確認していきましょう。
秒間トランザクション処理数
ソラナは1秒間に約5万件のトランザクション処理が可能です。ビットコインが1秒間に6〜7件、イーサリアムが13〜15件であるのに比べたら、圧倒的な処理件数を誇ります。
これはProof of History(PoH:プルーフ・オブ・ヒストリー)と呼ばれるソラナチェーン独自の特徴によるものです。
ソラナのコンセンサスアルゴリズム自体はPoS(プルーフ・オブ・ステーク)です。「コンセンサスアルゴリズム=Proof of History」であると誤解されていることが多いので注意してください。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは?特徴や問題点、ステーキングについて初心者にもわかりやすく解説!
通常、ブロックチェーンにおけるブロック生成では1つ前のブロックが生成されない限り次のブロックを作ることができません。しかしソラナではPoHによってブロックの非同期処理を実現しており、これにより前のブロックの生成を待たずとも次のブロックを作り始めることができます。
その結果、高速でトランザクションを処理することが可能になっています。
トランザクション手数料
ソラナのトランザクション手数料は約0.00005ドル。日本円にすれば1円もかからず、タダ同然です。よく言われる「ビットコインの約15ドル」「イーサリアムの約10〜20ドル」と比較しても段違いに安い手数料で済みます。
ソラナには、トランザクションに含まれている署名の数によって手数料が変わるという特徴があります。マルチシグ(複数署名の技術。複数の秘密鍵を割り当てることでセキュリティを向上させることができる)などを使えば手数料は上がりますが、そのような状況がなければ上記の通りの手数料で使用することができます。
ブロック生成速度
ソラナのトランザクション処理が速いのは、ブロック生成速度が速いためです。これは、すでに解説したPoHがその大きな要因になっています。
ソラナのブロック生成速度は0.4秒〜0.6秒となっており、1秒以下の時間でブロックを処理していくことができます。これもビットコインの場合は600秒、イーサリアムの場合は300秒となっており、ソラナの方が格段に処理速度は速くなっています。
レイヤー2ブロックチェーンが不要
イーサリアムなどではスケーラビリティの問題を解決するためにレイヤー2ソリューションという方法を取ることがあります。レイヤー1のブロックチェーンの外にあるレイヤー2で取引をすることで、レイヤー1の負荷を減らして処理速度を上げるという方法です。
しかしソラナではトランザクション処理の速度、ブロックの生成速度が非常に速いため、メインブロックチェーンであるレイヤー1のみで処理が完結しています。
他のブロックチェーンとの相互運用性(インターオペラビリティ)
ソラナには他のブロックチェーンとの相互運用性があります。多くのブロックチェーンではほとんどの場合、相互に互換性はありませんでした。
しかしソラナは、イーサリアムとソラナを相互に接続するWarmhole(ワームホール)というブリッジ機能を2020年に発表。これによりイーサリアムネットワーク上のトークンもソラナの処理速度の速さやコストの安さといった恩恵を受けられる仕組みを持っています。
ソラナを利用しているプロジェクト
ソラナはさまざまな企業やプロジェクトが互いに連携し共存していく「Solanaエコシステム」の拡大を目指しています。すでに100以上のプロジェクトと連携しており、ソラナへの期待度の高まりからその数は今も増えています。ここでは具体的なプロジェクトを2つ紹介します。
Star Atlas(スターアトラス)
Star Atlas(スターアトラス)はメタバース上のブロックチェーンゲームです。600年後の宇宙空間が舞台になっています。
ブロックチェーンゲームではゲーム内アイテムとしてのNFTなどの取引が頻繁に行われます。取引の回数が増えるほどトランザクションの処理速度が速いこと、そしてガス代が安いことが重要になってきますが、ソラナの持つ高速処理、低コストという特徴はぴったりマッチします。
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Brave(ブレイブ)
Brave(ブレイブ)は高速表示、広告のブロック機能が特徴のWebブラウザーです。2021年11月にBraveとソラナブロックチェーンは統合することが発表されました。
ここでもソラナの高速性と低い手数料という特性が生かされ、その結果Braveユーザーへのコスト削減が提供されています。
また、2022年前半にはBraveのデスクトップとモバイルのブラウザにソラナのウォレット機能が導入される予定です。
使用するウォレットは「Phantom(ファントム)」
ソラナを使い始めるにあたっては、Phantomというウォレットを使うことになります。ソラナを使う人はMetaMask(メタマスク)を使うのと同じ感覚でこのPhantomを使い、DEXを利用したりNFTの交換をしたりします。ブラウザ上のウォレットではNFTを直接見ることもでき、利便性はかなり高そうです。
ソラナの今後の動き
すでに述べた通り、ソラナは多くの企業やプロジェクトと連携することで独自のエコシステムを拡大しようとしています。そのために、ソラナの高速処理と手数料の安さに魅力を感じてソラナ上で開発をしようと考えるプロジェクトを様々な方法で支援しています。
具体的にはクリエイターファンド、ゲーミングファンド、ソーシャルコミュニティファンドなど、外部のファンドとの連携を増やしてソラナでWeb3のアプリケーションを開発したい人たちを支援しようとしています。
また、Solana Ignition Hackathon(ソラナ・イグニション・ハッカソン)と呼ばれるコンテストを実施して有望なプロジェクトを発掘することも活発に行なっています。プロジェクトが稼働するまでに必要な資金を賞金として提供したり、クリプトに強いベンチャーキャピタルからの資金調達を支援したりしています。
このようにソラナの持つ優位性を生かして開発をしたいと考えているプロジェクトを、ソラナ側も積極的に支援しています。ソラナで展開するサービスがどこまで増えていくか、今後も要注目です。
TOP画像:https://solana.com/ja
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