SBT(Soulbound/ソウルバウンドトークン)とは?Web3.0を形作る”魂”のNFTを分かりやすく解説

 

現在、NFTと呼ばれる非代替性トークンがデジタルアートの売買などに利用され、普及しつつあります。

しかし、Web3.0=NFTというわけではなく、Web3.0は更なる大きな社会変化を生み出すムーブメントになる可能性を秘めています。

今回はSBT(Soulbound/ソウルバウンドトークン)と呼ばれる非代替性トークンについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。

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SBTとは

SBTとは、Soulbound token(ソウルバウンドトークン)の略で、譲渡不可能なNFT(非代替性トークン)のことを指します。

従来のNFTは、ウォレットと呼ばれるツールを使い、譲渡することが可能です。例えば、NFTアートを転売したり、他の人から購入したりし、ウォレット間でやり取りします。

その他「トークン」と呼ばれる仮想通貨(暗号資産)も、やり取りができる前提で発行・売買されていました。むしろ、売買できることで価格が上下し、投機家や投資家の資金流入を促進していました。

一方、SBTでは譲渡が不可能となります。そのため、売買することで価格が上下することはありません。

SBTは、例えば以下のような用途で発行されます。

  • 出身学校など、経歴を証明する
  • 金融市場での信用スコアを測る
  • イベントへの参加を証明する

譲渡ができないことにより、例えばその人個人のアイデンティティを証明するために利用することができます。大学が卒業生だけに「卒業生SBT」を配った場合、受け取った人はその大学の卒業生だということがすぐに証明することができます。

現在、会社が従業員を雇用する際、経歴は履歴書により自己申告されるのが普通です。そして、その申告に嘘がないかどうかを確認するのには非常にコストがかかります。SBTは譲渡不可能なトークンが、改ざんできないイーサリアム上のブロックチェーンに刻まれるため、従来よりも簡単に経歴の確認・証明ができるようになるのです。

その他、イベントへの参加を証明するSBTをイベント主催者から付与するということもできます。スポーツチームが、何度もスタジアムに訪れているファンに対し、ファンであるという証明という意味でチームのSBTを付与する、などのユースケースも考えられています。

 

ウォレット=Soul

SBTはトークンなので、ウォレットの中に入れられます。しかし、ウォレットとは言っても、譲渡を前提として作成されている仮想通貨やNFTのようなウォレットとは意味が異なります。

SBTの提唱者であるイーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン氏によれば、SBTを入れるウォレット(アカウント)は「Soul(ソウル:魂)」または「Souls」と呼ばれ、そのSoulはその人の自己証明となるとされています。

Soulは履歴書のように思えますが、根本的に性質が異なると考えます。なぜなら履歴書は自分で作っていくものですが、Soulは他者が作っていくものだからです。

Soulに入れられるSBTは、基本的に相手側からの発行に意味を持つようになります。信用を証明するトークンは、「発行側の信用」が前提だからです。

先の例で、大学が発行する「卒業生SBT」というものがありましたが、このSBTもそもそも大学側の信用、そして発行がなければそのSBTもSoulも意味を持ちません。

そういった意味で、SBTやSoulは社会的なコミュニティ、そしてWeb3.0以外のカウンターパーティーとWeb3.0をつなぐ媒介になる可能性があると言えます。SBTは分散型のID(DID)を促進させる技術として、応用が期待されています。

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金融市場とSBT

SBTは、今までWeb3.0が形成してきた金融市場との関わりも深いものになる可能性があります。ヴィタリック・ブテリン氏がE. Glen Weyl氏とPuja Ohlhaver氏と共同で執筆した「Decentralized Society: Finding Web3’s Soul」という論文にも、SBTと金融市場との関わりは触れられています。

SBTはその性質から、Soulで信用を第三者へ証明できるため、無担保貸付などに利用できるとされています。現在、貸付などにあたっての信用情報は、中央集権的に管理されたネットワークの中で参照されます。一般的にはそれらを簡単に参照することはできません。自分の信用情報であっても、自分で容易には参照できない仕組みとなっています。

しかし、SBTを利用することでSoulが自分の信用情報となり得ます。個人のアイデンティティを表すSBTだけではなく、貸付が行われたことを証明するSBT、そして返済が完了していることを表すSBT。それらもSoulの中に入ることにより、信用情報がSoulを参照すれば確認できる、という状態を作ることが可能となります。

このように、信用情報を分散ネットワークで記録・証明できるようになることで、Web3.0の金融市場が現在のDeFi(分散型金融)から、さらに発展していく可能性があるでしょう。

 

DAOのガバナンスとの関わり

SBTは、DAOのガバナンスとも関わってきます。現在のDAOのガバナンスは、ガバナンストークンの発行によって行われます。ERC-20と呼ばれるイーサリアムのトークンは、譲渡も可能で市場での売買も行われます。

そのため、トークンを資本力がある人が集め、DAOのガバナンスをコントロールするということも理論上は可能になっています。

しかし、SBTは譲渡ができないため、DAOの参加メンバー一人一人に一つずつのSBTを発行し「一人一票」のようなガバナンスを行うことも可能になります。エアドロップ(給付金)に関しても、アカウントを複数作成し、より多くの給付金を得るような攻撃を、SBTのSoulであれば防ぐことができる可能性があります。

 

DeSocとSBT

SBTのようなアイデンティティを確立することができるトークンは、DeSocと呼ばれる「分散型社会」の形成に関わってくるとされています。

DeSocとは「Decentralized Society」の略で、分散型のネットワークによって構築される社会です。SBTによって、Web3.0で問題視されている金融主義の社会から、より社会的なつながりが重視された社会がDeSocと呼ばれます。

DeSocには、SBTによる譲渡不能性が必要だと言われています。現在発行されるトークンは、良くも悪くも売買の対象になってしまうため、価格がついてしまいます。市場原理がきき、それが淘汰に繋がったり、自由市場の形成に繋がったりしている背景は確かにありますが、自由な仮想通貨市場はバブルの形成と崩壊を繰り返し生み出してきました。

以前よりヴィタリック・ブテリン氏はこのような投機的な市場の流れには、懐疑的な意見を述べており、それがSBTとDeSocのような仕組みへとつながった経緯もあるでしょう。

 

SBTを体験する「POAP」

出典:https://poap.xyz/

SBTは、すでにアプリケーションとして開発されつつあります。

イーサリアム上で開発されるPOAPというサービスは、イベントの出席を証明するNFTを発行することができます。

現在はSBTのように譲渡不可能、としている訳ではないようですが、イベントに出席したかどうかを証明する、というSBTのような役割を担うことができます。POAPではもし、譲渡されたPOAPかどうかを調べたければブロックチェーンを確認すればいい、としています。

スポーツウェアブランドのアディダス社は、このサービスを利用してPOAPを発行しています。

アディダス社のPOAPでは、保有者が優先的に商品購入の権利を得られるそうです。この用途は、少し従来のNFTに寄っていますが、これを応用した形でSBTが発行される日も遠くはないかもしれません。

 

今回は、SBTとDeSocについて紹介しました。現在の投機的要素の強いWeb3.0の流れを変える可能性があるSBTやSouls。今後の開発動向やアプリケーションには注目です。

 

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