平均時給低下で仮想通貨市場は上昇。次に注目すべきは1月26日の米CPIか

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アメリカの雇用統計が発表されました。失業率が市場予想の3.7%よりも低い3.5%となるなど、力強い労働市場が示される結果となりました。

今回の結果に対する市場の反応と、今後の仮想通貨(暗号資産)市場の動向について初心者の方にもわかりやすく解説します。

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雇用統計の結果は“力強い労働市場と賃金低下”

アメリカの雇用統計が日本時間1/6に発表されました。

失業率は3.5%と前回よりも0.2%低下、非農業部門雇用者数(NFP)は22.3万人と予想の20.1万人を上回り、さらに平均時給は前年比4.6%と予想の4.9%を下回る結果となりました。

ビットコインはこの結果を受けて、前日比約+0.5%の16,916ドル(執筆時点)となっています。

今回の結果で強く反応したのはアメリカの株式市場でした。株式市場はダウ平均が前日比約+2%の33,630ドル(執筆時点)となり、大きく値を上げています。アメリカ国債の金利は下落しているので、金利上昇の懸念が市場としては弱まったという結果になったとの見方がされています。

インフレ率も下がってきているので、今月のCPI結果によってはインフレが減速し、金利上昇もなくなるのではないかとの見方をされているととらえることができるでしょう。

ちなみに、ビットコインは前日比約+0.5%の上昇となっていますが、イーサリアムは強めに反応しています。前日比約+1.2%の上昇となっており、今回はビットコインよりもイーサリアムの方がダウ平均に似ている動きとなりました。

 

失業率は低下するも賃金も低下

今回の雇用統計で注目すべきは失業率の低下と、賃金の低下です。失業率の低下は力強い労働市場を示すことになり、インフレ圧力となるため金利上昇の懸念が強まります。そのため、それだけを見れば株式市場を始めとする金融市場にはあまりプラスにはなりません。

しかし、賃金が低下することにより、インフレ減速の期待が持てます。賃金インフレが減速しているのであれば、CPIなどの指標でもインフレ減速の可能性が見出せるため失業率の低下によるインフレ上昇の懸念は打ち消されることとなります。

雇用統計の後に発表された経済の状況を表すISM非製造業景気指数は、予想55.1に対し49.6となり悪い数値となりましたが、インフレ上昇の懸念が薄れていたため金利低下期待となり、そこまで市場を混乱させることにならなかったと思われます。

ビットコインが0.5%程度の反応となったのは、仮想通貨市場に対しての期待の薄れの可能性もあります。株式市場は約2%、ナスダックに至っては約2.7%、ゴールドも1.8%上昇しています。その中でビットコインがこの程度の上昇幅となったのは、今は仮想通貨市場のタイミングではないと市場が見ている可能性があるでしょう。

もちろん、金利低下の恩恵をビットコインなどの仮想通貨市場は受けることができるとは思いますが、このような市場の反応も仮想通貨業界に関わる方は参考にするといいかもしれません。

 

今月のCPIとGDPが市場の分かれ目に

この後は、日本時間1/12のCPI発表と1/26のGDP発表に注目です。CPIは前回7.1%と大きく低下しました。市場は今回の賃金低下でCPIの低下も期待が高まっています。

そして、GDPは2022年第4四半期の結果が出ます。インフレ率が大きく下がっている中での景気減速であれば金利低下期待が高まっていくため、ある程度までのGDPであれば金融市場は盛り上がりを見せてくるでしょう。インフレ率が下がっていない中での景気後退となれば非常に難しい局面を迎えることになります。

今日の市場はCPI低下がコンセンサスとなっていると見られますので、これからそのコンセンサスがどのように変化していくのかを見ていくといいでしょう。

ビットコインについては当面はマクロ環境に左右される展開が続きそうです。インフレ問題とリセッション問題を乗り越えた先に、ビットコインや仮想通貨独自の展開が待っているかもしれません。今はとにかく世界的な情勢の懸念が優先される時となるでしょう。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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