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仮想通貨(暗号資産)市場のバブル崩壊とともに、金融引き締めの影響が強く出てきています。アメリカの大手テック企業での人員削減が多く報じらていますが、仮想通貨業界もその影響を色濃く受けており、事業縮小などが相次いでいます。
今回は、今後仮想通貨市場に更なる危機は訪れるのか、そして直近のマクロ状況はどのようになっているか、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
最近の事業縮小
まずは、アメリカの大手テック企業がどの程度人員削減しているのかを見てみましょう。
- Amazon:1万8000人(23/1/4)
- セールスフォース:8000人(23/1/4)
- メタ:1万1000人(22/11/10)
- Twitter:5000人(22/11/21)
(参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN067480W2A201C2000000/
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1454538.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013899851000.html)
Amazonなどは最近大量の人員削減を新たに発表したばかりです。そのため、人員削減の流れは今後も続いていく可能性があります。
このようなテック企業の人員削減の流れとともに、仮想通貨関連企業も人員削減や事業縮小を進めています。仮想通貨市場は2021年11月に大きな暴落が来ていたため、他のテック企業よりも早い事業縮小が行われてきました。
アメリカの最大取引所であるcoinbaseは、2022年6月には約18%の人員削減を発表。(参考:https://www.coinbase.com/blog/a-message-from-coinbase-ceo-and-cofounder-brian-armstrong)同じくアメリカの大手取引所であるCrypto.comも人員削減計画を2022年6月に発表していました。仮想通貨業界は事業縮小だけではなく、倒産も相次いでおりレンディング企業のCelsius Network(セルシウス)やBlockFi、仮想通貨取引所のFTXが破産してしまったのは記憶に新しいでしょう。
現在も進行形で、日本でも取引所事業を運営していたHuobiが危機に立たされていると噂されており、まだまだ事業縮小の波はとどまるところを知りません。
こうしたアメリカ企業の事業縮小の背景には仮想通貨市場や株式市場の下落という要因もありますが、金融引き締めも大きな要因として挙げることができるでしょう。大規模な金融緩和から金融引き締めに転じ、金融市場が苦しい立場になる中で多くの企業が防御力を高めようと人員削減などの策に走っているのです。
この流れは、経済と金融市場が正常になるまでは続くとみられており、今後も仮想通貨業界に関わる人は注視していく必要があるでしょう。
金融引き締めが続けば更なる危機へ
そして、現状ではまだ金融引き締めが続いています。インフレ率低下と実体経済への影響が出てきた今では、金融引き締めが終わるとの見方が市場では優勢になってきているものの、金利は4%を超えておりFRBは金融引き締めの姿勢を崩していません。
1/6に発表されたアメリカの失業率は3.5%と前回を下回っているため、雇用確保のための金融緩和への流れはあまりなさそうなので、インフレ率がさらに下がっていくことで金融引き締めを緩めるという流れになっていきそうです。
このように、このままインフレ率が順調に下がっていけば引き締めが緩まる方向へ行く可能性が高いですが、問題はインフレ率があまり下がってこない場合です。その場合には、FRBも引き締めを緩めることができずテック企業や仮想通貨関連企業は更なるダメージを負うことになります。
仮想通貨の価格が大幅に下落している今、そのような事態に陥れば更なる下落も十分あり得ます。Web3.0の関連プロジェクトがかなり多く廃止されているとの報道も各所でありますが、その被害はさらに広がっていくことになるでしょう。
次のCPIとGDPが鍵か
平均時給が下がり、インフレ減速に期待がもたれている今、1/12のCPIと1/26のGDP発表が重要な鍵となってきます。
平均時給低下で仮想通貨市場は上昇。次に注目すべきは1月26日の米CPIか
CPI低下、GDP低下であれば金融引き締め終了の声が強まっていくこととなりますし、FRBもそのように動かざるを得ないでしょう。しかし、CPIが思ったほど低下しない、GDPは強いまま、の場合は金融引き締め継続となります。
しかし、金融引き締めを終了させた場合には再度インフレの懸念が出てくることが予想されます。現在の金融引き締めでは、コモディティの価格が抑えられているためインフレを抑制できている背景がありますが、引き締めをやめてしまうと株式市場だけでなくそれらの価格も高騰する可能性があり、そうなれば再度インフレが起きてしまってもおかしくはありません。
金融引き締めの終わりとインフレ再燃の可能性。それらを視野に入れていくとビットコインの価格も読みやすくなっていくことでしょう。
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