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日本時間2月10日の本日にかけ、ビットコイン・イーサリアムをはじめとした仮想通貨(暗号資産)市場が暴落しています。今回の暴落の要因の一つに、ステーキングサービス終了の可能性があります。ステーキングサービス終了の可能性について、そしてその後の展開について初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
ビットコイン・イーサリアム暴落
ビットコインを始めとした仮想通貨市場全体が、下落しています。ビットコインは-約1000ポイントの約21,900ドル、イーサリアムは-約80ポイントの約1570ドルとなり、両者ともに下落率は約4.5%となっています。
先週末に発表された雇用統計で、多くの市場が下落をする中で、下落幅を少なく保っていた仮想通貨市場でしたが、ここで大幅下落する展開となりました。今回の下落には、アメリカで発表された、大手仮想通貨取引所「Kraken(クラーケン)」のステーキングサービス終了が関わっていると思われます。
Krakenのステーキングサービス終了
Kraken(クラーケン)は、アメリカを拠点にグローバルに事業展開をする老舗の仮想通貨取引所大手です。日本でも事業を行っておりましたが、仮想通貨価格暴落などの煽りを受けて昨年末に日本からの事業撤退を発表しています。
Krakenは、先日よりアメリカの証券法を司る組織である証券取引委員会、通称SECから証券取引法違反の疑いで捜査を受けているとの報道がされていました。(参考:https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-02-08/cryptocurrency-exchange-kraken-faces-probe-by-sec-over-unregistered-securities)
この話をめぐっては、様々な憶測が飛び交っており、昨日にはアメリカのナスダックに上場する大手仮想通貨取引所coinbase(コインベース)のCEOが、「SECが、個人向けステーキングサービスを廃止させたいと考えているとの噂がある」とツイッターで発言しており、それについての問題点などを論じて界隈では話題となっていました。
1/ We’re hearing rumors that the SEC would like to get rid of crypto staking in the U.S. for retail customers. I hope that’s not the case as I believe it would be a terrible path for the U.S. if that was allowed to happen.
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) February 8, 2023
そして、Krakenから発表されたステーキングサービス終了のお知らせ(参考:https://blog.kraken.com/post/17619/settlement/)で、この噂は完全なるデマではなかったことが証明され、市場の暴落につながったと思われます。
SECからも発表があり、Krakenに対し「未登録のステーキングサービス」の販売を行ったとしてサービスの停止、そして3000万ドルの罰金を命じたとしています。
このように発表されたことで、多くの仮想通貨取引所などが行うステーキングサービスが今後できなくなるのではないか、と業界に動揺が広がっています。
なお、ステーキングが可能な銘柄はイーサリアム(ETH)・ポルカドット(DOT)・カルダノ(ADA)など時価総額が高い仮想通貨も多く、それらに与える影響は大きいと考えられます。
今後ステーキングはなくなるのか?
今回の件で、ステーキングを代行するサービスを展開する場合には登録が必要となる可能性が出てきています。ステーキングは個人でも行うことができますが、代行サービスを利用しない場合には設備や知識、そして多くの資金が必要な場合があります。
そのため、一般的に専門知識がない場合には取引所などが展開する代行サービスを利用してステーキングに参加することになります。しかし、今回のような事例が出てくると、ステーキングサービスを提供すること自体が難しくなる可能性があります。
日本でも取引所などがステーキングサービスを提供しているため、今回の件がどのように日本にまで広がっていくかは不透明な部分もあります。
もちろん、ステーキング代行をDAOで行うLidoのようなリキッドステーキングサービスはどうなるのか、やステーキング自体は問題があるのかどうかについては決定が下されたわけではありませんので、これを機にステーキング自体が全面的に禁止になるとは思えませんが、まだまだこの分野は議論が続くと思われます。
イーサリアムはステーキング資金を引き出すことができるようになる「上海アップグレード」を控えています。昨年ステーキングができるようになるアップグレードを行い、プルーフ・オブ・ステークに移行したばかりなので、この問題には左右されていきそうです。
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