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ビットコインが大幅な下落をする中で金利の上昇が起きています。沈静化してきたインフレが、再度上昇してくるのではないかとの懸念も出てきており、市場は転換期を迎えている可能性があります。
ビットコインの下落と金利の上昇
短期的な話ではありますが、の1週間は市場の雰囲気が変わったと感じさせられる週となりました。1月に急上昇したビットコインが下落したこともありますが、金利が上昇したことがやはりそれを強く印象づけています。
この転調のきっかけは、雇用統計です。雇用統計が市場予想を大幅に上回るサプライズを起こしたことで、市場の雰囲気が変わりました。
雇用統計はサプライズ。ビットコインは下落で次のCPIは要注目
アメリカの2年物国債の金利は雇用統計前には4.0%程度まで下がっていましたが、現在では4.5%へと上昇しています。このように金利が上がっている理由は2つ考えられます。
1つ目は強い労働市場が示されたことで、リセッション(景気後退)が来ない可能性を市場が認識し始めたことです。2022年初頭からの金利上昇で、リセッションが2023年中にはほぼ確実に来るのではないかと思われていました。
しかし、いまだに市場に恐怖を与えるほどのリセッションは訪れていません。もちろん、まだリセッションが訪れないと決まったわけではありませんが、懸念は強い労働市場で抑えられました。
2つ目は、その強い労働市場を見たことでインフレ再燃の懸念が生じたことです。労働市場が強い、ということはサービス賃金のインフレは低下しにくくなっているということが言えます。インフレ率を示すCPIは、2022年後半から低下してきており、現在も低下傾向にあるものの、サービス賃金が低下しないとなれば他の部門であるエネルギーや住宅市場の低下によってCPIは今後左右されることになります。
金利上昇でエネルギー価格や住宅価格は大きく下落してきましたが、金利上昇も2022年の年末ごろからストップしていたため、下落の底も少しずつ見え始めてきています。そのため、CPIも底がうっすらと見え始めてきたと言えます。
このような理由で、一旦短期金利は下落から、上昇へ向かい出していると考えます。金利が上昇するとビットコインにはマイナスです。ビットコインは金利低下期待の中で価格上昇してきた背景があるため、今回の上昇は終わりに近づいていると言えるでしょう。
インフレは本当に再燃する?
インフレは、一度起きてしまうと根強く残る傾向があることが歴史的は示しているため、今後もインフレが続いていく可能性は十分あると考えられます。
しかし、だからと言って今のインフレ懸念がどこまで続くかは正直微妙なところです。政策金利の上昇率が減速してきたと言っても、以前に比べれば4~5%という高水準に金利は高まっているので、低下していたインフレ率がここから急上昇していくかと言えば、そこに確信を持つことはできません。つまり、インフレ懸念が起きているのは、金利低下期待の反動だと考えることができます。
リセッションに対する不安はまだ残っていますし、政策金利も上昇し続けています。その中で勢いのあるインフレが起きる可能性はそこまで高くないでしょう。今は、一旦の調整局面だと考える方がしっくりきます。
低下してきたインフレ率を見て、金利低下の期待が膨らみ、その結果金融市場が少し盛り上がってコモディティ価格が上がり、インフレの懸念が少し出てきた、と言えます。
来月のFOMCでは+25bps(0.25%)が予想されていますが、その後はそこまでの金利上昇が考えられていません。そのため、インフレ再燃シナリオに移行するにはまだ少し早いと言えると思います。
次回CPIが分岐点
ただし、次回2月14日に発表されるCPIの結果が再度市場にサプライズを起こすのであれば話は別です。CPIが予想以上に低下しないのであれば、不安から再度インフレ上昇の道へ進む可能性があります。
そうなれば、再度FRBも金融引き締めを強化せざるを得なくなるため、ビットコイン価格はマイナスとなることでしょう。
ただし、忘れてはいけないのはインフレとは本来紙幣の価値が下がり、物の価値が上昇することです。短期的にはインフレによる金利上昇でコモディティであるビットコインの価格はダメージを受けますが、長期的には政府がインフレを抑圧できないと市場が判断することになるため、プラス要因となるでしょう。
※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。
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