USDT(Tether|テザー)とは?世界最大の時価総額を誇るステーブルコインについて解説

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2022年5月現在、テザー社が発行する暗号資産「USDT」はビットコイン、イーサリアムに続いて世界第3位の時価総額を誇るステーブルコインです。

ステーブルコインにはUSDT以外にもUSDCやBUSD、そして先日のLUNAショックで価格が維持できなくなったUSTなど様々なものがあります。

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USDTは、ステーブルコインの中では世界最大の時価総額を誇る銘柄です。DeFiやNFTなどに関連するWeb3サービスの利用経験がある人の中には、一度はUSDTを手にした人もいるでしょう。

このページでは、USDTも含めたステーブルコイン全般に関する解説を行った後、USDTの特徴や、関連する最新のニュースについて解説します。

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USDTとは

出典:https://tether.to/en/
名称 USDT
ティッカーシンボル USDT
発行者 テザー社
発行年月 2015年2月
発行上限 79,713,622,662USDT
時価総額 約9兆円(第3位)
公式サイト https://tether.to/en/

※2022.5.25時点

USDTは、アメリカドルに価格固定されたステーブルコインです。アメリカドルと同様の値動きを目指して発行されています。

発行はアメリカの企業テザー(Tether)社が行っており、イーサリアムのERC-20という規格のトークンとして発行されています。つまり、イーサリアム上でUSDTは発行されています。

USDTの公式HPによれば、最も古い歴史を持つステーブルコインとされており、暗号資産(仮想通貨)のトレードなどに古くから使用されてきました。そのため、多くの取引所でUSDTは採用されていますが、2022年5月25日時点では日本の取引所での取り扱いはありません。

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ステーブルコインの基礎知識

USDTを解説する前に、まずステーブルコインについて解説します。

ステーブルコインは、ある特定の資産に対し、安定した価格を維持できるように設計された暗号資産です。

暗号資産は基本的に価格変動が激しいという特徴があり、これはビットコインやイーサリアム等の主要銘柄も例外ではありません。

暗号資産が持つ、デジタル上の資産という点などの特性は残しつつ、価格変動が激しい点を改善した通貨としてステーブルコインは誕生しました。

その多くは、日本円やドルといった法定通貨と価格が連動するように設計されています。今回紹介するUSDTも、1USDTの価値が1米ドルとなるように作られています。

米ドル自体も価格変動は生じますが、一般的な暗号資産に比べれば値動きの幅は小さいため、その米ドルに連動した値動きをするUSDTも「ステーブル(=比較的値動きが小さく価格が安定した)コイン」とされています。

ほぼ一定で推移するUSDTと米ドルの価格チャート。出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tether/

 

USDTの特徴

それでは次に、USDTの特徴について見ていきましょう。価格変動が穏やかなステーブルコインとして活用される場面が多い反面、発行体であるテザー社に関して、とあるリスクも囁かれています。

 

資産の保全や利益確定に利用されている

USDTは資産の保全や利益確定に使われることが多い暗号資産です。

わたしたち日本人は、暗号資産投資を行う際、マイナーな銘柄をいきなり日本円で購入できる場面は多くありません。なぜなら、日本円で直接購入できる銘柄は、あくまで日本国内の暗号資産取引所(CoincheckやbitFlyerなど)に上場している銘柄のみだからです。

Binanceなどの海外取引所のみに上場している銘柄を購入する際は、まず国内取引所でビットコインなどを購入し、それを海外取引所に送金する必要があります。

そして送金したビットコインを用いて、自分が買いたい銘柄を買うことになります。

ところが、海外取引所に送り込んで目的の銘柄を購入した後、余ったビットコインがそのまま海外取引所の口座に残る場合があります。実際には、目的の銘柄購入に必要な金額「以上」のビットコインを多めに送金しておくことが多いので、残額が残るケースがほとんどです。

このビットコインは、またいつか購入したい銘柄が出てきた時の購入費用に当てるため、そのまま海外取引所に残すことはできます。しかし、これはあくまで「ビットコインを保有した状態」であるため、ビットコインの価格変動の影響を免れることはできません。

つまり、ビットコインなどの一般的な暗号資産で資金を保有している以上、価格変動が発生しない安全な状態で資産を保護することはできません。

そこで、USDTなどのステーブルコインが利用されます。

USDTは暗号資産ではあるものの、米ドルと価格が連動しているため、値動きは穏やかです。

先ほどのケースでは、目的の銘柄を購入して余ったビットコインは、ビットコインのままの状態にせずUSDTに交換しておくことで、激しい値動きを避けることができます。

また、自分の保有している暗号資産で利益が出た時、利益確定のためにもUSDTは利用されます。

国内株式投資などでは利益確定の際は、株を売却して日本円に替えることで利益確定をします。しかし暗号資産の海外取引所では、直接日本円にすることができません。そのため、価格変動の穏やかなUSDTが利益確定にも利用されるのです。

 

基準通貨として扱われることが多い

資産保全や利益確定が目的であれば、他のステーブルコインでも目的は果たせます。

しかし、実際にはUSDTが利用されるケースが多くなっています。これは多くの取引所で、USDTが基準通貨として利用されているためです。

マイナーな銘柄を利益確定する際には、USDCやDAIなど他の米ドルステーブルコインとのペアが存在しないことがあります。

その点、USDTは基準通貨として扱われることが多いため、取り扱い可能な通貨ペアが多くなっています。したがって、他のステーブルコインと比べても利用される場面は比較的多いと言えるでしょう。

 

カウンターパーティー・リスクが高い

一方、マイナスの側面もあります。その1つがカウンターパーティー・リスクの存在です。

USDTの価値は、発行企業であるテザー社に依存しています。このように特定の企業に価値が依存するリスクのことを、カウンターパーティー・リスクと呼びます。

USDTは法定通貨担保型のステーブルコインと呼ばれ、発行企業は発行しているUSDTと同量の法定通貨を準備金として保有している必要があります。

ところがテザー社には、USDTの発行枚数と同量のドルを持っていないのではないかという疑惑がありました。

2022年3月には顧客の償還に応じることが可能な資産の保有が明らかになりましたが、通貨の価値を1社に依存している状態であることは変わりません。この点は、引き続き注意をする必要があります。

 

日本国内の取引所での扱いがない

日本に住むわたしたちには痛いデメリットです。

日本の取引所でUSDTを扱っているところがないため、わたしたちがUSDTを手に入れるには、まず国内取引所で他の暗号資産を購入する必要があります。

その後、海外の取引所に送金してUSDTを購入するという手間が、現状では必ず生じます。

 

最近のニュースについて

ここからは直近で公表されたUSDT関連のニュースについて紹介します。

 

LUNAショックでUSDT価格が下落

2022年5月、LUNAの大暴落が引き金となり、仮想通貨全体が暴落しました。

そしてこの影響を受けて、ステーブルコインであるはずのUSDTの価格までが一時下落しました。

大幅な下落ではなく、すぐに価格も戻したため、現実問題として大きな影響があったわけではありませんが、ステーブルコインの信頼が揺らいだ出来事でした。

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スイスの都市ルガーノがUSDTを法定通貨に

スイスの都市ルガーノは、ビットコイン、USDT、スイスフラン連動型ステーブルコイン「LVGA」の3銘柄を事実上の法定通貨としました。

個人や企業の税金、公共サービスの利用料や授業料など幅広い支払いが、この3銘柄で可能になるようです。

ルガーノはテザー社と協力し、欧州におけるブロックチェーンのハブ(中心地)になる計画を推進しています。

スイスの都市、ビットコインなどを法定通貨として事実上認める

 

今後USDTに期待されること

世界最大の規模を誇るステーブルコインだけあって、今後もUSDTには大きな期待が寄せられています。

世界経済に関する直近の出来事として、トルコの法定通貨リラの価値が暴落しています。

国の経済の中心的存在である法定通貨が暴落した時、安全に資産を保護するための拠り所となるのが暗号資産であり、とりわけUSDTなどのステーブルコインがそれにあたります。

政治・経済が不安定な国で、資金が法定通貨からUSDTに流れ込むことも今後予想されます。

また、2022年4月にはポルカドットのエコシステムである「Kusama(クサマ)」へUSDTがローンチされることが発表されました。

Kusamaネットワークでのテストが完了すると、Polkadot(ポルカドット)でのローンチも考えられます。PolkadotにおけるUSDTの動向はこれからも注目です。

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まとめ

国内取引所での扱いがないため、暗号資産投資の初心者の方は馴染みが薄いかもしれないUSDT。しかし、少し足を踏み入れれば非常に多くのケースで使われることが多い通貨です。

ぜひ、USDTの特性をしっかりと理解し、ご自身の投資活動にも役立ててはいかがでしょうか。

TOP画像:https://tether.to/en/

 

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