米CPIは6.5%でビットコイン上昇。次はGDP発表が要注目のワケ

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日本時間の12日22時30分ごろ、アメリカのインフレ指標であるCPIが発表されました。結果は市場の予想通り6.5%となり、ビットコインをはじめとした仮想通貨(暗号資産)市場は上昇しています。

今回の結果について、そして次に大切となってくるアメリカGDP発表について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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CPIは市場予想と同じで下落

12日に発表されたアメリカのCPIは6.5%でした。前回12月に発表されたCPIは7.1%だったため、さらにインフレ率が下落していることを表しています。インフレ率が下落したため、金融引き締めの終わりの期待を市場はさらに進め、多くの金融資産が上昇することになりました。

中でも特に仮想通貨市場は上昇が目立ちました。

ビットコインチャート(出典:Tradingview)

ビットコインは24時間比8%の上昇で19000ドルに回復。

イーサリアムチャート(出典:Tradingview)

イーサリアムは24時間比6.5%の上昇で1400ドルを回復しています。AptosのAPTトークンは24時間比で24%上昇。前週比では70%を超える上昇となっており、市場に勢いが見られています。(いずれも執筆時点の価格)

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CPIが下落したことで市場には安心感が広がりました。仮想通貨は、特に金融引き締めのダメージを強く受けていたため、その引き締めが緩んだことで資金流入が始まったと見ることができるでしょう。

 

CPI下落の要因

CPI下落の要因は、金融引き締めによりエネルギーなどのコモディティ価格が下落したことが挙げられます。

エネルギー関連のCPI前年比(出典:https://fred.stlouisfed.org/series/CPIENGSL#)

エネルギー関連のCPIは最高で前年比約40%だったものが、現在は7%にまで下がっています。原油価格もすでに金融市場では下落していたため、今回の数値は順当であったと言えるでしょう。

住宅価格もアメリカでは下落しています。住宅価格の指標であるS&Pケースシラー住宅指数は最高で前年比約20%だったものが、現在は9%となっています。

これらの2つの価格下落と、すでに前年の1月はインフレが始まっていたことから現在の数値が落ち着いてきていると思われます。この傾向は原油価格が下落しており、住宅ローンの値を決める金利が高いうち、そして前年同月のCPIが上昇傾向なうちは続くと見られます。そのため、来月もCPIは下落になる可能性はあります。

下落しているうちは金融引き締めが緩まる期待が市場には流れ続けるため、仮想通貨市場にとってはプラスとなることでしょう。

しかし、問題はまだ残っています。それは労働賃金のインフレ率です。実は今回も労働賃金のインフレ率は下がっておらず、前年比が前回の+6.8%から+7%と加速してしまっています。

これの意味するところは、金融引き締めの効果がまだ労働市場まで届いていない、ということです。今月の失業率発表では失業率が低下しましたし、昨日発表された失業保険継続受給者数は減少しています。これを見てもまだ労働賃金のインフレは低下方向へ向かっていない、ということがわかります。

失業率と同日に発表された平均時給は下がっているので、間も無く労働賃金のインフレ率も低下方向へ向かうと思われますが、その時はリセッションが本格化する時なので金融市場へのショックには警戒が必要です。

また、金融緩和期待が原油価格に影響し、インフレ率が再度上昇してくると今度は金融引き締め懸念に変わります。その際は仮想通貨市場はまた苦しい場面を迎えることになることが予想されるため、そちらも警戒が必要です。

 

次のGDPが重要なわけ

ここまでくれば、次のGDP発表がなぜ重要なのかはお分かりになられると思います。GDPは経済状況を示す指標なので、景気後退がどの程度進んでいるかをGDPで測ることができるからです。(24日発表の製造業PMIも同じ理由で重要です)

GDPは前回発表分の7~10月ではプラスとなり、経済がまだ強いことを示しましたが今回発表分の9~12月ではどのようになっていくのか注目されています。もし、ここでマイナス方向に触れれば景気後退が本格化すること、労働市場も環境がいよいよ悪くなってくる可能性があること、インフレ率は低下していくこと、そして金融緩和の期待が膨らむこととなります。

景気後退は株式にはマイナスですがコモディティにはそこまで影響は大きくありません。(多少の影響はあります)そして、景気後退による金融緩和は株式にとってもコモディティにとってもプラスとなります。そのため、GDPが仮にマイナスに振れた際にはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が、市場にとってコモディティとして見られているのか、それとも株式市場の仲間として見られているのかがわかります。

今まではダウ平均と連動してきたため、もしかすると株式市場と似たような動きをする可能性もあります。ビットコインが“デジタルゴールド”として今後多くの人々に受け入れられていくのか、試金石となりそうです。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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