ブロックチェーンの技術は日々進化しています。
特にスマートコントラクトのプラットフォームは、イーサリアムを始めとして様々なものが次々に生み出されています。
Aptos(アプトス)もその1つです。
Aptosはメタ(旧フェイスブック)社が発足した仮想通貨プロジェクト「ディエム(旧リブラ)」に携わっていた元従業員が立ち上げた、新しいレイヤー1ブロックチェーンです。世界有数の巨大テック企業に勤めていたスタッフがコミットしているため、高い技術力が期待されています。
2022年3月に大型の資金調達を完了させ、すでに開発者向けのチェーンは稼働しています。また、複数の暗号資産関連企業の開発者が参加しています。
このページでは、Aptosに関する直近の動向について幅広く解説していきます。
目次
Aptosとは

名称 | Aptos(アプトス) |
ティッカーシンボル | – |
発行者 | – |
発行上限 | – |
時価総額 | – |
公式サイト | https://aptoslabs.com/ |
※2022.6.7.時点 独自トークンは未発行です
Aptosを開発しているのは、Aptoslabs(アプトスラボ)社です。
Aptoslabsは、ディエムチームのメンバーであったモー・シャイフ(Mo Shaikh)氏とエイブリー・チン(Avery Ching)氏の2名によって創業されました。
ちなみに今年2月、ディエムプロジェクトがシルバーゲート・キャピタルに売却される前に、2人はすでにメタ社を離れていました。
レイヤー1ブロックチェーンを独自に開発
Aptosはレイヤー1のブロックチェーンです。スマートコントラクト機能を有しており、イーサリアムやソラナなどと競合するプラットフォームにあたります。
Aptosは、ディエム用に開発されたコーディング言語である「Move」を用いて構築されています。しかし、あくまでメタ社との関わりはなく「独自のブロックチェーンを開発したため、現在シルバーゲート・キャピタルが保有するディエムの知的財産を活用することはない」と開発チームが語っています。
また、資金調達に参加した投資会社Multicoin Capitalも、「メタやディエムは、Aptosに出資していない。デービット・マーカス氏やマーク・ザッカーバーグ氏、そして現在のメタのリーダーも含めて、メタの誰もこのプロジェクトに投資していない」と述べています。
a16zらから約230億円の資金を調達
Aptosはすでに大型の資金調達を完了させています。
2022年3月15日、Aptosはアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)主導での2億ドル(約230億円)の資金調達を発表しました。なお、今回の資金調達には以下の企業が参加しています。
- Multicoin Capital
- Katie Haun
- 3 Arrows Capital
- ParaFi Capital
- IRONGREY
- Hashed
- Variant
- Tiger Global
- BlockTower
- FTX Ventures
- Paxos
- Coinbase Ventures
バイナンスラボも戦略的投資を発表
さらに、大手暗号資産取引所バイナンスのベンチャーキャピタル部門であるバイナンスラボも、3月28日にAptosへの投資を発表しました。
バイナンスラボの投資ディレクターである、ジェフリー・マー(Jeffrey Ma)氏は今回の投資にあたり、Aptoslabsのチームがディエム構築で培った専門性の高さを評価しています。
バイナンスラボは今後、開発、コードレビュー、インフラ構築、ハッカソンなどを通じてAptosのエコシステム成長に協力していく予定です。
多数の暗号資産関連企業が開発に参加
Aptosはすでにテストネットをローンチしており、2022年Q3にはメインネットのリリースを予定しています。
そして以下のような暗号資産関連の企業から、すでに多数の開発者が参加しています。
- Anchorage
- Binance
- Blockorus
- Coinbase
- Livepeer
- Moonclave
- Paxos
- Paymagic
- Rarible
- Streaming Fast
Aptosで実現できるアプリケーションは多岐に渡る
Aptosのユースケースは様々なものがあります。
すでに構築が進められているものだけでも、次世代ソーシャルメディアプラットフォーム、NFTサービス、Web3ゲーム、メディアやエンターテイメントビジネス、安価で安全な決済基盤、DeFi(分散型金融)と統合されたフィンテックプロダクトなどがあります。
Google Cloudと提携を結んでいる
資金調達後も大きなニュースが続きました。
2022年4月には、Google Cloudとパートナー契約を結びました。
レイヤー1ブロックチェーンの開発企業は、目立った実績がない限り、大手の企業とタッグを組むことは難しいのが現状です。
その中で、まだ立ち上がったばかりのプロジェクトであるAptosがGoogle Cloudとパートナー関係を築けたこと自体が特筆すべき出来事です。
また、Google Cloudとのコラボレーションを通じて、誰もが15分以内にAptosネットワークのノードを立ち上げることができるようになっています。ビットコインのマイニングなどでは大掛かりなハードウェアが必要ですが、AptosはGoogle Cloudとの連携によってこの問題を解消しています。
コミュニティへの貢献について
Aptosには複数のコミュニティがあり、メインネットの立ち上げを勢いづけるためにも、これらのコミュニティへのコントリビューターを募集しています。
コミュニティには教育、開発、成長に関するものとして以下の3つがあります。
- Aptoversity(教育)
- Bounties + Hackathons(開発)
- Creative Challenge(成長)
誰もがこれらのコミュニティに参加する機会を持ち、コミュニティに貢献することで報酬を得ることができます。
詳細は公開されていませんが名称から推測するに、AptoversityはAptosについて積極的に学んだ人が、Aptosのアンバサダーになるなどの道が用意されているものと思われます。
Bounties + Hackathonsは、重大なバグを発見した人や、Aptos上で実施したいサービスを提案した人への報酬の支払いがあるものと考えられます。
また、Creative Challengeは、Aptosを広報・宣伝するようなYouTubeやポッドキャストなどのクリエイティブを制作した人に対する報酬があるものだと思われます。
秒間16万件のトランザクション処理が可能

メインネットは未稼働のため、あくまで予定ですが、Aptosのネットワークは1秒間に16万件のトランザクションが処理可能だと言われています。
1秒あたりの処理件数を比較すると、ビットコインが6〜7件、イーサリアムが15件前後、ソラナでも約5万件となっており、Aptosの処理件数は圧倒的です。
この点からも、非常にスケーラブルなチェーンであることが伺えます。
まとめ
元フェイスブックの社員が立ち上げたAptosは、やはり技術力が信用されています。大型の資金調達の実施、Google Cloudとの提携などはその証と言えそうです。
また、他のブロックチェーンと比較しても圧倒的なトランザクション処理速度も大いに期待できます。
まだ開発段階のプロジェクトですが、レイヤー1のチェーンとして飛躍する可能性は十分です。ぜひ引き続き、今後の開発状況もチェックしてみてください。
TOP画像:https://aptoslabs.com/
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