今夜、アメリカGDP発表。金利低下でビットコインに追い風は吹くか

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日本時間、本日の22:30にアメリカのGDPが発表されます。インフレ率の低下と景気後退、そして金利動向で揺れている今の市場。GDP発表によりビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)市場がどのように動いていくのか、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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アメリカのGDP発表

日本時間、本日の22:30にアメリカのGDPが発表されます。今回発表されるのは2022年10月〜12月の第4四半期の速報値となっており、昨年年末のアメリカ経済の動向を示す指標となります。

前回の四半期は3.2%のプラスとなり、今回の予想は2.7%のプラスとなっています。GDPがどのような数値を示してくるかはわかりませんが、GDPが上振れや下振れした場合にどのように市場に影響を与えてくるのかを知っておくことは重要です。

まず、ここのところビットコイン・ゴールド・株式市場は金利低下を意識し始めており、特にビットコインとゴールドは上昇しています。

ビットコインチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=BITSTAMP%3ABTCUSD)
ゴールドチャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=FX%3AXAUUSD)

なぜ金利低下を市場が意識し始めたかといえば、インフレ率の低下が大きな要因です。インフレ率の上昇によって、金利が上昇したため、インフレ率が2022年6月ごろで頭打ちになり低下の兆しを見せ始めると金利は低下の期待が高まっていきました。

アメリカの短期金利である2年物国債の金利も頭打ちの兆候を見せており、低下を思わせる動きをしています。

アメリカ国債2年物金利チャート(https://jp.tradingview.com/chart/XPSdKPJL/?symbol=TVC%3AUS02Y)

インフレが低下する中で、もう一つ金利を低下させる要因があります。それが景気後退です。景気が悪化すると景気刺激策の一つとして国は金利を低下させようとしますし、金融市場もそれを察知して金利を低下させます。

インフレ撃退のために金利を上昇させたため、景気悪化の懸念は2022年の半ばには広がっていました。早ければ2022年内にでも景気後退が始まると見られていましたが、2022年第3四半期つまり前回のGDPは3.2%となりました。

そのため、市場では景気後退がこれ以上進まないか、もしくはソフトランディングと呼ばれるような緩やかなものになるかもしれないという予想も出てきています。今回のGDPが予想通りとなれば、2023年に本格化すると思われている景気後退もソフトランディング予想が強くなっていく可能性があります。

そうなればインフレ率がどのように推移するかが焦点となるため、金利動向とそれによる市場の動きは少し異なってくるでしょう。

 

GDPは本当に2.7%のプラスになるか

そのような中で、やはり気になるのは今回のGDPの数値です。現在のアメリカは他の経済指標を見る限りではそこまで良い状態とは言えません。

先日発表された製造業PMIは今月も50以下となりました。これで4ヶ月連続の50以下となりました。

本日発表の製造業PMI、予想下回ればビットコインにプラスか

大手テック企業では人員削減や事業縮小が行われている、という報道は連日のように行われており、経済が絶好調というようにはあまり見えません。そのため、GDPもそろそろ苦しくなってくる可能性があります。

しかし、GDPの他、失業率も悪化はしていません。そうなるとやはり今回のGDPは問題無いのではないかという憶測が出てくるのは当然のことです。金利が上昇すれば景気は後退する、というのは経済学の理論そして歴史から得られるものなので、今回が必ずしもそうなるとは限りません。

ただ、GDPや失業率が保たれているのは「借金」のおかげという説もあります。国による借金で市場にお金を溢れさせることで、国内消費を促したり、企業を存続させ雇用を継続できたりしている、という可能性は十分あります。

アメリカの財政状況(https://fred.stlouisfed.org/series/MTSDS133FMS#)

こちらのグラフはアメリカの黒字と赤字を表しています。このグラフは全体的なものなので、借金だけを表しているわけではありませんが、灰色のコロナによる景気後退の時期以降、いくつかの時期を除いて黒字が続いています。

アメリカの個人貯蓄率(https://fred.stlouisfed.org/series/PSAVERT#)

また、こちらはアメリカの個人貯蓄率を示すグラフです。こちらはコロナの給付金が配られた後の期間、減少を続けており、現在はコロナ前の水準を大きく下回ってしまっていることがわかります。

つまり、今のGDP成長率や失業率というのは、ある程度借金などでカサが増された上で成り立っていると言えます。インフレが起きてしまった以上、国が借金をし続けても、国が紙幣を印刷し続けても問題はない、という理論は成り立たなくなってしまっています。

今回のGDPがどうなるかはわかりませんが、近い将来借金のツケを支払う時がくるのは間違いないでしょう。

 

ビットコインの今後は?

さて、そうなった時のビットコインの今後についてです。今述べてきたように、今回のGDPがどのようになるかはわかりませんが、もし上振れするようであれば金利低下圧力は和らぐため短期的には上昇がストップする可能性があります。

逆に下振れするようであれば景気後退局面へ進んでいく可能性が高くなるため、ビットコインの価格にはプラスになるでしょう。

ただ、どちらにしても経済が大きく成長していかなければ借金のツケは支払わなくてはなりません。それは個人でも国でも同じです。もしツケを支払う前に経済成長が起こらなかった場合には現金の価値は下がり、アメリカ経済は厳しい状況に立たされます。

その時にはビットコインやゴールドなどの世界共通通貨であり、発行量が決められている資産が重宝されることになるでしょう。長期的には、やはり今の状況がビットコインにはプラスに働いていく、と言えそうです。

※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。

 

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