本ページはプロモーションが含まれています
2022年6月10日、国内暗号資産取引所のOKCoinJapanはAvalanche(AVAX)の取り扱いを開始することを発表しました。AVAXの取り扱いは国内初です。
Avalancheは高速・低コストを実現し、分散型金融(DeFi)アプリケーションの開発等に強みを持つオープンソース・プラットフォームです。
2020年9月にメインネットをローンチしましたが、それ以前からも業界内で注目を集めていました。Avalancheには、a16zなど多くのベンチャーキャピタルが投資企業として名を連ねています。
このページでは、イーサリアム・キラーとしても期待されるAvalancheについて、高速性・低コスト・分散性を高い水準で実現している仕組みについて解説します。
目次
Avalancheの基本情報
名称 | Avalanche(アバランチ) |
ティッカーシンボル | AVAX |
発行者 | Ava Labs |
発行上限 | 720,000,000AVAX |
時価総額 | 約5,942億円(第17位) |
公式サイト | https://www.avax.network/ |
※2022.6.20.時点
Avalancheはニューヨークのブルックリンを拠点に活動するAva Labsにより開発が進められています。
Ava Labsはビットコインを生み出したサトシ・ナカモトに影響を受けて2021年に発足した、Team Rocket(ロケット団)という匿名のグループに端を発しています。このネーミングは日本の人気アニメ「ポケモン」の主人公サトシのライバルであるロケット団に由来しています。サトシが生み出したビットコインを超えるブロックチェーンを作ろう、という意志が感じられます。
それでは、Avalancheの具体的な特徴を見ていきましょう。
分散性・高速性の両立を実現
Avalancheは、DeFiを中心に様々なサービスを展開できることを目指したプラットフォームです。
最も特徴的な点は、後述するアバランチ・コンセンサスと呼ばれるコンセンサス・アルゴリズムを採用することで実現した高速処理能力です。
1秒間に処理できるトランザクションの件数は、ビットコインで7件、イーサリアムで約14件とされる中、Avalancheは秒間4,500件の処理を行うことができます。
世界中で利用されているVISAの1秒あたりの処理件数が1,700件であり、これと比較してもAvalancheの高速性がうかがえます。
ブロックチェーンではしばしばスケーラビリティ問題が取り沙汰されます。特に、最大のdApps開発プラットフォームであるイーサリアムは、ガス代の高騰や処理遅延が課題とされています。
スケーラビリティ問題とは?仮想通貨の課題と解決する技術について初心者にもわかりやすく解説!
多くのブロックチェーンでは、本来ブロックチェーンに期待される「分散性」を犠牲にすることで、このスケーラビリティ問題に対応しているものが見られます。
しかしAvalancheは、採用しているコンセンサス・アルゴリズムがそもそもスケーラビリティと分散性の両立を目指して開発されているため、分散性を犠牲にすることなく高速・低コストのトランザクション処理を実現できている、とされています。
EVM互換による相互運用性(インターオペラビリティ)
もう1点、従来からブロックチェーンの課題として挙げられているのが相互運用性(インターオペラビリティ)の問題です。
ブロックチェーンは、それぞれのチェーンが独自の仕様やルールに基づいて運用されているため、相互の互換性がありません。
たとえば、ビットコインのブロックチェーンで流通しているBTCをそのままイーサリアムのブロックチェーンで扱うことはできないようになっています。
この互換性のなさが技術発展の妨げとならないように、異なるブロックチェーンをつなぐ仕組みが研究開発されています。
そしてAvalancheでは、EVM互換性を実装することでこの問題の解決を図っています。
EVM(Ethereum Virtual Machine)とは、イーサリアムでコントラクトコードを実行するために開発された仮想マシンのことです。
イーサリアムでは、スマートコントラクトの構築において「Solidity(ソリディティ)」などのプログラミング言語で書かれたコードが実行されます。
そしてAvalancheでは、EVM互換性を持つことによって、イーサリアム上で動くように書かれたプログラムがAvalancheにおいても利用できるようになっています。
両チェーンの互換性は非常に高く、様々なアプリがAvalancheでも利用可能です。例えばイーサリアムユーザーが広く利用しているウォレットMetaMaskも、Avalancheで使うことができます。
Avalanche独自の仕組み
Avalancheは他に見られない特殊な仕組みを持っています。その中で代表的なものをいくつか紹介します。
アバランチ・コンセンサス
Avalancheで採用されているコンセンサス・アルゴリズムは「アバランチ・コンセンサス」と呼ばれる独特なものです。そしてこれが、Avalancheの分散性・高速性の両立を実現しています。
コンセンサス・アルゴリズムとは、あるブロックチェーンの中でどのようにトランザクションを記録するかを定めた、意思決定のルールのようなものです。
代表的なものとしてはビットコインで採用されているPoW(プルーフ・オブ・ワーク)があります。また、イーサリアムはPoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行を進めています。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とは?ビットコイン/仮想通貨のコンセンサスアルゴリズムの問題点を初心者にもわかりやすく解説!
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは?特徴や問題点、ステーキングについて初心者にもわかりやすく解説!
トランザクションの承認を行う存在をノードと呼びますが、ビットコインやイーサリアムでは、全てのノードが承認作業を行わなければなりません。このため、処理にかかる時間や負荷が大きくなり、スケーラビリティが損なわれてしまっています。
ノードとは?仮想通貨・Web3.0の分散型ネットワークを形成する大切な接続ポイント
一方、アバランチ・コンセンサスでは「すべてのノードが処理を行わずとも、一定数のノードが承認をすれば十分ではないか」という発想のもと、処理が行われています。
これにより、1件1件のトランザクションの処理にかかる負荷が減少し、秒間あたりの処理件数を向上させることに成功しました。
サブネットとは
Avalancheでは、誰もが「サブネット」と呼ばれるネットワークを構築し、その中で独自のブロックチェーンを作ることができます。
このブロックチェーンはパブリック型、プライベート型のいずれも作成可能で、必要に応じてカスタマイズもできます。
サブネットの作成者は、自身の作ったブロックチェーンに参加できる人を制限することもできます。「KYC(本人確認)実施済みの人のみ」「米国居住者のみ」など、細かな調整も可能です。
3つのブロックチェーン
Avalancheには、X-Chain、C-Chain及びP-Chainと呼ばれる3つのブロックチェーンがあり、それぞれ用途が異なります。
- X-Chain:資産の作成、及びトレードに特化したチェーン
- C-Chain:EVMを実装し、dApps開発に用いられるチェーン
- P-Chain:Avalancheのメタデータを記録するチェーン
3つのチェーンすべてでAVAXがネイティブトークンとして利用でき、チェーン間を自由に動かすこともできます。
AVAXトークンについて
Avalancheのネイティブトークンは、AVAXです。主に2つの用途があります。
- ステーキング
- 手数料支払い
また、トランザクションを実行する際に支払われたAVAXはバーン(焼却)され、これによりAVAXの供給量は減少します。その結果、AVAXの価値が上昇する仕組みになっています。
Avalancheのユースケース
Avalancheのユースケースは、DeFiやNFTを中心に多岐に渡ります。
イーサリアムとの互換性もあるため、AAVEやCurveなどのイーサリアム基盤のDeFiアプリケーションがAvalancheで展開しているケースも見られます。
またNFTでは、プラットフォームにNFTの作成機能が組み込まれており、NFTプロジェクトの数も増加しています。
最近では、BAYC(Bored Ape Yacht Club)、MAYC(Mutant Ape Yacht Club)等のNFTを手掛けるYuga Labsによる注目のメタバースプロジェクト「Otherside」を、Avalanche上で展開する提案も行っています。
まとめ
Avalancheは、アバランチ・コンセンサスをはじめとした様々な独自要素によって高速性、分散性、互換性を実現しているブロックチェーンです。
国内取引所での取り扱いも開始されたため、より身近なプラットフォームとなりました。今後もDeFi、NFTなど実用面での展開が期待されます。興味が湧いた方はぜひ一度Avalancheに触れてみてください。
TOP画像:https://www.avax.network/
関連記事
LayerZero(レイヤーゼロ)とは?ブロックチェーンの根本的課題を解決し得る技術について解説!
Aptos(アプトス)とは?元フェイスブックのスタッフが開発するレイヤー1ブロックチェーンを解説
仮想通貨OP(Optimism)トークンとは?概要や特徴、将来性についてわかりやすく解説!
スポンサー