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2023年が始まり、市場も稼働し始めました。今回は、1月に予定されている仮想通貨(暗号資産)の重要スケジュールについて解説していきます。
初心者の方にもわかりやすく解説しますので、これから市場に参加する予定の方もぜひ参考にしていただければと思います。
※時間は日本時間です。
1月6日 アメリカ失業率発表
アメリカの経済が不況になっているかどうかを示す指標となります。失業率はここのところ低いままで推移しています。
不況になれば失業率が上がるため、予想の3.7%から大きくずれてくると仮想通貨市場にも何かしらの影響が出てくると思われます。現在は金利の動向で仮想通貨市場は価格が反応しているため、失業率上昇は金利低下圧力になり価格にプラス、失業率が前回の3.7%程度や下回ることになれば金利上昇圧力になり価格にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
ただし、世界で景気後退懸念が起きているため、失業率が上昇すると金利低下圧力よりも景気後退懸念の方が上回り、価格にマイナスの影響が出る場合があります。
特にビットコインはデジタルゴールドとして見られているのか、それともハイテク銘柄のようなリスク資産として見られているのかによって価格の方向性が変わります。その点に着目しながら失業率の発表を待ってみるのも面白いでしょう。
過去の景気後退でビットコインはどう動いたか?スタグフレーションの影響は
1月12日 アメリカCPI発表
次に、大きなイベントとして待っているのがアメリカのCPI発表です。CPIはインフレを測る指標となっており、最近は多くの市場がこの数値に影響を受けています。
2022年から加速したインフレですが、すでに減速の兆しを見せています。CPIの前年比チャートは以下のようになっており、前回は7.1%と市場予想を下回り、インフレ減速による市場の織り込みが加速しました。
インフレが減速すると、金利を上げる必要がなくなることや金利を下げることができるようになります。金利は高ければ経済を冷やし、低ければ経済を加熱させるため、金利の動向で株式市場は大きく反応します。
そして、仮想通貨市場も金利低下はプラスに働くため、インフレ低下は基本的にはプラスになると考えられます。しかし、インフレが低下するということはそれに伴う景気後退が起こる可能性が高いことが歴史からわかっています。
景気後退や不況になってしまうと市場にはマイナスになってしまうので、インフレ率低下はプラスだけれど、それに起因する不況はマイナス、という式が成り立ちます。そのため、CPIの低下は短期的にはプラス、長期的にはどのように反応していくかわからない、と考えるのは一つの分析結果と言えるでしょう。
1月24日 アメリカ製造業PMI
製造業PMIも失業率と同じく景気を測定する指標の一つです。PMIはPurchasing Manager’s Indexの略で、「購買担当者景気指数」とも訳されています。
50を真ん中にして50以下なら不況、50以上なら好景気と判断することができます。製造業PMIは1月3日に発表分を含めて4回連続で50以下となっています。そのため、すでに景気後退入りしているとの見方もされています。
1月24日の製造業PMIが予想よりも低くなってしまうとさらに景気後退懸念が強くなると見られます。
1月26日 アメリカGDP(速報値)
そして月末にはアメリカのGDPが発表となります。今回発表されるのは2022年10月〜12月の第4四半期の結果です。
GDPは多くの方が知っての通り、経済の状態を示す指標です。2022年10月〜12月はインフレが減速してきた時期なので、いよいよここでインフレの減速が実体経済にどのような影響を与えたかが明確になることとなります。
ここでのGDPが高ければインフレがそこまで強くなく、インフレ減速と景気後退がセットになっていなかったという見方も出てくるかもしれません。しかしGDPが低い場合にはインフレ減速に伴う景気後退がいよいよ本格化し、失業率上昇や金利低下要求が出てくる可能性があります。
金利低下の流れになれば、やはりビットコインをはじめとした仮想通貨市場にはプラスの影響が出てくると思われます。ただ、その流れで金利低下が現実のものとなればインフレ第二波の懸念も出てくるため、再度世界経済は混乱の中に入っていくこととなるでしょう。
2月の政策金利を占う月に
今月は、アメリカの金融政策を決めるFRBの会合がありません。そのため、1月の経済指標は2月に行われるアメリカの政策金利決定を占う試金石となることでしょう。
仮想通貨自体の開発は進んでいますが、当面はマクロ経済要因に価格が左右されることになる可能性があるため、仮想通貨市場に興味のある方はこのような経済指標を読んでいくと、価格動向が掴めるようになるのではないかと思われます。
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