三菱UFJ信託銀行が暗号資産を発行?「プログマコイン(Progmat Coin)」とは何か初心者にもわかりやすく解説

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三菱UFJ信託銀行が、日本円と価格固定された「プログマコイン(Progmat Coin)」を発行する方向で進めているとの報道が出ています。プログマコインは、同銀行が開発する「プログマ(Progmat)」が基盤となって発行されるとのこと。

ただし、プログマコインは法的には暗号資産ではないとされています。プログマコインとは何か、そしてプログマコインが暗号資産ではないとはどのようなことか、初心者の方にもわかりやすく解説します。

GMOコイン

 

プログマコイン(Progmat Coin)とは

プログマコイン(Progmat Coin)とは、三菱UFJ信託銀行が発行する日本円と価格が固定された電子通貨です。「〇〇コイン」の名前から暗号資産(仮想通貨)のようなイメージを持ちますが、発行の仕組みが暗号資産とは少し異なり、法的位置付けは暗号資産ではないそうです。

プログマコインは、「受益証券発行信託(じゅえきしょうけんはっこうしんたく)」という仕組みが利用され、法的には「電子支払い手段」という部類に入ります。税金の計算などが暗号資産とは異なるのが特徴的です。(「受益証券発行信託」については後ほど詳しく解説します)

三菱UFJ信託銀行は、以前より「Progmat(プログマ)」と呼ばれるシステムを開発していました。プログマは、分散台帳技術と呼ばれる技術を利用しており、プログマ上でプログマコインは発行されるとしています。

プラグマのイメージ(出典:https://www.tr.mufg.jp/progmat/#contents_media)

ただし、現在の日本の法律ではプログマコインを発行することができないため、関連法案の改正が決定される必要があります。(最短で2022年5月に法改正)

 

プログマコイン(Progmat Coin)はステーブルコイン?

プログマコインは円と価格が固定されます。そのため、従来の暗号資産でイメージされる、ビットコインなどのような「価格が大きく変動しそうで怖い」というものとは全く異なります。

暗号資産では、価格が別の資産と固定されるコインを「ステーブルコイン」と呼びます。プログマコインは円と価格が固定されるため、大きく分けると「ステーブルコイン」の一つ、と言えるでしょう。

ただし、プログマコインは先にも述べたように法的には暗号資産ではないため、今後ステーブルコインという名前がプログマコインでも利用されるかどうかはわかりません。

なお、ステーブルコインにはすでに多くの種類が世界的に発行されています。

  • 米ドルと価格の固定を目指した「USDT」「USDC」
  • 日本円と価格の固定を目指した「JPYC」

などがあります。

先に挙げた「USDT」「USDC」「JPYC」はいずれも民間の発行によるものですが、各国は中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の発行も検討しています。中国では、すでに「デジタル人民元」と呼ばれる中央銀行発行のデジタル通貨の実験がスタートしており、民間人に配布され一部地域で利用されています。

他にも、先日報道された三井物産が発行する「ジパングコイン(ZPG)」は、金(ゴールド)との価格が固定されたステーブルコインです。

三井物産が金と連動する暗号資産を発行へ「ジパングコイン(ZPG)」とは何か、初心者にもわかりやすく解説

このようにステーブルコインはすでに多くありますが、法的位置付けや定義がまだ曖昧なため、今回のプログマコインがユーザーの中でどのような位置付けになっていくのかは不透明な部分があります。

 

プログマコインは暗号資産?

プログマコインは暗号資産ではありません。プログマコインは「受益証券発行信託(じゅえきしょうけんはっこうしんたく)」という仕組みが利用されて発行されます。

受益証券発行信託とは、簡単に言うとある資産を信託して(預けて)、その資産を「受益証券」という証券にかえて、取引しやすくしたものを言います。つまりプラグマコインを簡単に言うと、「日本円」を信託して「電子通貨(プログマコイン)」にかえることで取引しやすくしたものです。

今まで、暗号資産でステーブルコインが発行される際は、必ずしも資産が信託されているという証明は必要ではなかったため、従来のステーブルコインとはこの点が異なります。

このようにプログマコインは法的には暗号資産ではなく、受益証券発行信託という仕組みを利用した「電子支払い手段(電子マネーのようなもの)」として発行されるとしています。

暗号資産ではなく、プログマコインのような受益証券発行信託の電子支払い手段だと、発行者が倒産しても資金は守られるなどの特徴があります。

暗号資産のステーブルコインでは、現状法的整備が曖昧なために裏付けとなる資産がどのように設定されていなければならないかなどについて、明確なルールがありません。(国によっても異なります)

しかし、受益証券発行信託では、裏付けとなる資産をあらかじめ信託しているため、管理・運用している会社が倒産しても資産が守られ、換金することができるなどのユーザーメリットがあるのです。

暗号資産の法整備がなかなか進まない中で、法整備の整っている制度を利用して電子通貨を発行することで、安心したデジタルネットワークを利用してもらう試みがあるのかもしれません。

 

プログマ(Progmat)とは

最後に、三菱UFJ信託銀行が開発する「プログマ(Progmat)」とはどのようなものかを解説していきます。今回、プログマコインはプログマから発行されるとしています。

プログマは分散台帳技術を利用した、セキュリティトークンなどのプラットホームであるとしています。分散台帳技術とはブロックチェーンのようなイメージで問題ありません。ブロックチェーンは、日本語では分散台帳技術と訳されますのでほぼ同義です。

ブロックチェーンとは

※ブロックチェーンと分散台帳技術の定義はまだ確立されたものはなく、微妙に異なる場合もあります。

そしてセキュリティトークンとは、その名の通り「セキュリティ」=「証券」のトークンです。トークンとは本来「象徴」のような意味を持っていますが、暗号資産の世界では「仮想通貨」や「元々あるブロックチェーンから発行されたデジタル通貨」という意味で使われます。

そのため、セキュリティトークンは「デジタル証券」というイメージが最も近いでしょう。

つまり、プログマはデジタル証券のプラットホームである、ということです。

セキュリティトークンでは、株式などの有価証券だけではなく、債権や不動産などの所有権や利用権もトークン化(デジタル証券化)されます。プログマは、様々なデジタル証券化されたトークンをやりとりするプラットホームになることを目指しているのです。

さらに、ゆくゆくは現在世界的に流行しているNFT(Non-Fungible Token)などの企業が発行していない暗号資産関連のトークンも扱えるようにしていくとしており、多くのトークンを包括する存在になることを目指しているとしています。

NFTとは?仕組みやアートとの関連性、稼ぎ方や話題となった出来事などを初心者にもわかりやすく解説!

 

以上、三菱UFJ信託銀行の「プログマコイン(Progmat Coin)」と「プログマ(Progmat)」について初心者の方にもわかりやすく解説しました。

今後も、暗号資産やWeb3.0と大きな関わりを持つ事業が国内大手企業から出てくることが予想されます。ビジネスの観点からも、投資の観点からも、このような大手企業の動向は注目していくと良いでしょう。

 

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