Cosmos(コスモス|ATOM)とは?「ブロックチェーンのインターネット化」を目指すプロジェクトについて解説

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Cosmos(コスモス|Atom)はInternet of Blockchains(ブロックチェーンのインターネット化)の目指したプロジェクトです。

より具体的に表現すると、「異なるブロックチェーン同士をつなげるインターオペラビリティのプロジェクト」とも言えるでしょう。

ブロックチェーンが従来から抱える課題として、インターオペラビリティ(相互運用性)の問題がありました。あるブロックチェーンで流通しているトークンや開発されたアプリは、他のブロックチェーンにそのまま持ち込んで利用することができず、開発者・利用者の双方にとって不便さが残るものでした。

この課題を解決すべく開発されたのがCosmosです。

このページでは、Cosmosが目指すものやその背景にある課題、独自の特徴、そして類似のプロジェクトとしてよく比較されるPolkadot(ポルカドット)との類似点・相違点についても解説します。

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Cosmosとは?

出典:https://cosmos.network/
名称 Cosmos(コスモス)
ティッカーシンボル ATOM
発行者 ICF
発行上限 286,370,297.00 ATOM
時価総額 約3300億円(第26位)
公式サイト https://cosmos.network/

※2022.6.26.時点

Cosmos(コスモス)は、様々なブロックチェーン同士を繋ぐことを目的に開発されるプロジェクトです。「ATOM」という仮想通貨を発行しています。

Cosmosが生まれた背景には、ブロックチェーンのインターオペラビリティの問題や、それに付随して生じるスケーラビリティ、中央集権化の問題がありました。

従来、多くのブロックチェーンにはインターオペラビリティ、つまり相互運用性がありませんでした。これは、複数のブロックチェーンにまたがった開発を困難にします。

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また、相互運用性のなさゆえに、スマートコントラクトプラットフォームでの開発はイーサリアムに集中しました。その結果、イーサリアムのガス代は高騰し、処理は遅延するなど、スケーラビリティの問題に直面することになりました。

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これらの問題を解決するために、ブロックチェーン同士をつなぐものとして生まれたのがCosmosです。Cosmosは以下のような思想に基づいて生み出されました。

 

イーサリアムとCosmosの思想の違い

イーサリアムでの開発は、「スマートコントラクトのプラットフォーム上でdAppsを開発する」という思想に基づいています。

イーサリアムで作成・開発できるDapps(分散型アプリ)とは?実例も合わせて紹介

一方、Cosmosにおける開発は、「dAppsがそれぞれ固有の独自チェーンを持ち、その独自チェーン同士を接続する」という思想設計になっています。

これにより、1つのブロックチェーンにトランザクション(取引)が集中して、処理が遅くなることを防ぐことができます。

 

Cosmosの歴史

Cosmosが誕生した時期は実は古く、2014年までさかのぼります。

2014年にTendermint(テンダーミント)というソフトウェアが開発されました。このTendermintを使って、ブロックチェーンを開発することができました。ちなみにTendermintは会社名でもあります。

そして、Tendermintを使って開発されたブロックチェーン同士をつなげる発想から生まれたのがCosmosです。このアイデアが発表されたのが2016年。この年にICFという財団も組成されました。

そして2017年にはICFがICOを行い資金を調達、2019年にはCosmos Hub(コスモスハブ)と呼ばれるブロックチェーンがローンチします。

さらに2021年、Inter Blockchain Communication(IBC|インターブロックチェーンコミュニケーション)と呼ばれる「異なるブロックチェーン同士の通信機能」が有効化されます。

 

Cosmosの特徴

出典:https://ibcprotocol.org/

誤解されがちですが、実はCosmosはブロックチェーンの名称ではありません。Cosmosは以下の4つの概念の総称です。

  • Cosmos Network
  • Cosmos Hub
  • Cosmos Atom
  • Cosmos SDK

この中で、ブロックチェーンそのものにあたるのがCosmos Hubです。そしてCosmos Hubも含めたエコシステムの総称がCosmosです。

では、これら4つについて順に解説していきます。

 

Cosmos Network(コスモスネットワーク)

Cosmos Networkは、Inter Blockchain Communication(IBC)と呼ばれる通信規格でできた通信網を指します。

この通信を用いることで、異なるブロックチェーン同士で情報のやり取りが可能になります。

Cosmos Network自体がブロックチェーンではないことに注意してください。

 

Cosmos Hub(コスモスハブ)

Cosmos Hubは、IBC通信のハブとなるブロックチェーンです。

Cosmos Hubは2019年に稼働開始しました。そしてCosmos Hubのネイティブトークンが、次に紹介するAtomです。

コンセンサス・アルゴリズムはProof of Stake(PoS)の仕組みを応用した「Delegated Proof of Stake(DPoS)」を採用しています。

 

CosmosにおけるDelegated Proof of Stake(DPoS)とは

プルーフ・オブ・ステークとは

通常のPoSでは、トークンを多く保有することでブロック生成の権利が割り当てられる確率が高くなります。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは?特徴や問題点、ステーキングについて初心者にもわかりやすく解説!

一方、DPoSでは「自身のトークン保有量」「他のトークン保有者から委任された票」の合計数でブロックの生成者が選ばれます。

DPoSでは、トークンの保有者に対して保有量に応じた投票権が与えられるのに加え、保有者はその票を自身が推薦する相手(ノード)に投票することで、ブロック生成の権利を委任することができます。

Cosmosのエコシステムでは、自身のトークン保有量と他のトークン保有者から委任された票の合計上位125位までのノードがブロックの生成に参加することができます。

 

Cosmos HubがなくてもCosmos Networkは存続する

Cosmos HubはCosmos Networkを便利なものにしますが、実は必須のものではありません。Cosmos Hubがなくなったとしても、Cosmos Network自体は存続することができます。

 

Cosmos Atom(コスモスアトム)

Cosmos AtomはCosmos Hubのネイティブトークンです。AtomがないとCosmos Hubは動くことができません。

一方、Atomがなくとも、Cosmos Network自体は動きます。つまりAtomもCosmos Hubと同様に、Cosmos Networkにとって便利なものではあるものの、必須ではありません。

Atomはガバナンストークンの機能を有しています。Atomを保有することで、ブロックチェーンの設定を変更する提案に投票することができます。

 

Cosmos SDK(Cosmos Software Development Kit)

Cosmos SDKは、IBCに対応した独自のブロックチェーンを簡単に作ることができる開発キットです。

CosmosのエコシステムではCosmos SDKを用いてブロックチェーンを作り、そのブロックチェーンがIBCに対応することによって、Cosmos Networkに接続することができます。

Cosmos SDKを使えばIBCに対応した独自チェーンを簡単に作ることができますが、実はCosmos SDKを使わずとも開発は可能です。その意味では、Cosmos SDKもあくまで便利なツールであり、必ずしもCosmos Networkに必須のものではありません。

 

Polkadot(ポルカドット)との比較

インターオペラビリティの実現を目指すプロジェクトで有名なものにPolkadot(ポルカドット)があります。ここからはCosmosとPolkadotの類似点や違いを見ていきましょう。

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まずは類似点ですが、Cosmosはブロックチェーンの名前ではなくCosmos Hubがブロックチェーンの名前であるのと同様に、Polkadotもブロックチェーンの名前ではありません。

Polkadotにおけるブロックチェーンの名称は「リレーチェーン」です。そしてこのリレーチェーンに「パラチェーン」と呼ばれるチェーンが接続する仕組みになっています。

ポルカドットの仕組み

また、独自ブロックチェーンを開発できる点も類似しています。CosmosではCosmos SDKを使って開発ができますが、PolkadotでもSubstrate(サブストレート)という開発キットで独自ブロックチェーンを開発できます。

次に相違点です。大きなものとしてチェーン間の通信方法の違いがあります。

Cosmosは、IBCによって対等な通信を行っています。

一方、Polkadotには親チェーンと子チェーンの関係性が存在します。つまり、そもそも対等な関係になっておらず、親が子の面倒を見る代わりに子チェーンの情報を汲み取っていく構図になっています。

また、ハブの役割も異なります。

CosmosではCosmos HubがなくてもCosmos Networkは存続します。しかしPolkadotでは、ハブにあたるリレーチェーンがなくなるとPolkadotのネットワーク自体がなくなってしまいます。この点は大きな違いです。

 

まとめ

CosmosはCosmos Network、Cosmos Hub、Cosmos Atom、Cosmos SDKからなるエコシステムの総称です。

また、Polkadotと似た目的を持つものの、機能や特徴には大きく異なる部分もあります。

歴史あるプロジェクトですので、誕生した経緯や変遷も含め、ぜひ理解を深めてご自身の投資活動に活かしてください。

TOP画像:https://cosmos.network/

 

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