イーサリアムレイヤー2「Scroll」とは。zkEVMの有力候補

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イーサリアムのスケーリング問題を前進させるとされているレイヤー2。そのレイヤー2の中でzkEVMと呼ばれるモデルを採用した「Scroll(スクロール)」というプロジェクトが注目を集めています。

今回はScrollについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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Scroll(スクロール)とは

Scroll(スクロール)は、イーサリアムのスケーリング問題を解決するレイヤー2のプロジェクトのうちの1つです。zkEVMベースのzk-Rollups(ZKロールアップ)を採用しており、既存のイーサリアムアプリケーションと互換性があるネットワークを売りにしています。

イーサリアムのスケーリング問題とは、簡単に言えばイーサリアムの処理が遅いことや使用に際しての手数料が高いという問題です。それを解決するべく現在レイヤー2と呼ばれる技術の開発が進められています。

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レイヤー2のモデルは現在主なもので2つ、Optimistic Rollups(オプティミスティックロールアップ)とzk-Rollupsがあります。

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この2つのうちScrollはzk-Rollupsを採用しており、さらにzkEVMと呼ばれるイーサリアムの仮想コンビューターであるEVMと互換性があるモデルを採用しています。レイヤー2はzkEVMで機能がさらに進化すると言われているため、ScrollをはじめとしたzkEVMを掲げるプロジェクトには注目が集まっています。

 

zkEVMとは

Scrollを理解するために、まずzkEVMの概要について知っておきましょう。zkEVMのzkとは、ゼロ知識証明(Zero-knowledge proof)からきています。ゼロ知識証明は、簡単に言えば「何かを証明するために、その何かを相手に公開しなくても証明が可能な技術」です。ゼロ知識証明については、しっかりと理解することは非常に困難です。そのため、初心者の方は概要を知っておけば十分です。

wikipediaのページを読み、理解しておくといいでしょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E7%9F%A5%E8%AD%98%E8%A8%BC%E6%98%8E

もともと、このゼロ知識証明をレイヤー2に取り入れたモデルがzk-Rollupsでした。zk-Rollupsは、ゼロ知識証明を使ったレイヤー2のモデルで、安価な手数料と早いデータ処理が可能になる上、Optimistic Rollupsの「引き出しに数日かかる」という欠点もクリアしており期待を集めていました。

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ただ、zk-Rollupsにも欠点がありました。それは「固有のアプリケーションでしか使えない」という欠点です。つまり、汎用性がなかったのです。Optimistic Rollupsは汎用性があるため、イーサリアム上のDapps(分散型アプリ)の多くに対応が可能です。しかしzk-Rollupsは汎用性がないため、特定のDappsにしか使えず、あまり実用的ではありませんでした。

そこで登場したのがzkEVMです。zkEVMはEVMと呼ばれるイーサリアム仮想マシンと互換性があるため、イーサリアムでできることはたいていできます。つまり、zkEVMは汎用性の高いzk-Rollupsモデルのレイヤー2ということになり、非常に期待されている技術なのです。

 

Scrollの現状

Scrollは、2023年3月時点ではまだメインネットが公開されていないプロジェクトです。テストネットは公開されており、間も無くメインネットも公開されると予想されています。

またこれまで、合計8000万ドルの資金調達を行なっており、評価額は18億ドルとなっています。

今後開発が進むことでイーサリアムレイヤー2の主力になる可能性があるプロジェクトであると言えます。

 

Scrollのトークン

Scrollはまだ独自トークンが発行されていません。今後発行されるかどうかはわからないものの、今後エアドロップなどの可能性は十分あり得ます。エアドロップを狙う場合にはテストネットや、今後公開されるメインネット、そしてScrollのエコシステムのプロジェクトを触っておくと可能性は高まるでしょう。

 

他のzkEVMプロジェクト

zkEVMを標榜するプロジェクトはScrollのほか、以下のようなものがあります。

同じzkEVMプロジェクトでも、それぞれ特徴があります。どのプロジェクトがユーザーに支持されるのかはわかりませんが、どれも非常に注目すべきプロジェクトであると言えるでしょう。

 

レイヤー2一覧

以下、イーサリアムのレイヤー2一覧表です。

名称 シンボル 時価総額(Y) TVL($) 技術 用途
Optimism(オプティミズム) OP 約1250億円(50位) 22億 OP 汎用
Polygon(ポリゴン) MATIC 約9310億円(13位)※3 4000万※3 ZK※3 汎用
ImmutableX(イミュテイブルX) IMX 約1117億円(54位) 1億 Validium NFT
dYdX DYDX 約480億円(97位) 3.4億 ZK トレード
Metis Andromeda(メティス) METIS 約120億円(267位) 9500万 OP 汎用
Boba Network(ボバ) BOBA 約30億円(552位) 1000万 OP 汎用
Arbitrum(アービトラム) ARB 約2140億円(36位) 59億 OP 汎用
zkSync(ジーケーシンク) Era - - 7.2億 ZK 汎用
Sorare(ソラレ) - - 2300万 Validium NFT
Aztec(アステカ) - - 900万※2 ZK ウォレット、DeFi
Stark Net(スタークネット) STRK - 7100万 ZK 汎用
Scroll(スクロール) - - - ZK 汎用
※1 zkSync Liteはウォレット用途 ※2 AztecはAztecコネクト含む ※3 Polygonは時価総額はMATIC、TVLはPolygonHermez、技術はPolygon zkENMを表記 最終更新2023.7.3.

 

今回はScrollについて紹介しました。まだまだ開発段階なため、今後開発が進めばさらに注目が集まると思われます。気になる方は、ぜひ情報を追っていただければと思います。

TOP画像:https://scroll.io/

 

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